日本のインスタントコーヒー市場で断トツのシェアを誇っているのは、スイスに本拠を置く世界的な食品企業ネスレの日本法人ネスレ日本だと思います。
そのネスレ日本ですが、2010年代に入ってから、家庭用コーヒー市場、オフィスコーヒー市場、飲食店向けコーヒー市場で大攻勢を仕掛け、それなりの成果を得たのは確かだと推測しています。
【目次】
- 日本のファーストウェーブコーヒー市場
- ネスレ日本とファーストウェーブコーヒー
- 日本のセカンドウェーブコーヒー市場
- セカンドウェーブコーヒー市場を狙うファーストウェーブコーヒー企業
- 日本のサードウェーブコーヒー市場
- サードウェーブコーヒー市場もファーストウェーブコーヒー企業が
- もう一つの規模の小さなコーヒー市場
- マーケティング手法が異なるので
- 4つのコーヒー市場の棲み分けはできている
- 関連ストーリー
日本のファーストウェーブコーヒー市場
ファーストウェーブコーヒー=大量生産、大量消費のコーヒー市場で棲息しているコーヒー企業(orコーヒー会社)という図式が成り立つとすると、百貨店、スーパーマーケット、オフィスコーヒーサービス、飲食店(喫茶店・レストラン・宿泊施設)などのコーヒー市場を相手に商売を営んでいるコーヒー企業(orコーヒー会社)は、日本のファーストウェーブコーヒーの担い手たちだと思います。
オートメーション化した工場でコーヒー豆を焙煎加工しているコーヒー企業の主戦場は、大量生産、大量消費のファーストウェーブコーヒー市場だと思います。
ネスレ日本とファーストウェーブコーヒー
ファーストウェーブコーヒー市場は、価格競争や付帯サービスの競争、それに営業力とマーケティングの競争で勝敗が分かれる市場なのかもしれません。
ネスレ日本は、日本のファーストウェーブコーヒー市場で、マーケティング力を駆使して大攻勢を仕掛けているのかもしれません。
ネスプレッソという保存性の高いカプセルコーヒー商品を擁するネスレ日本は、日本のファーストウェーブコーヒー市場で、他社の追随を許さない地位を確保しているように見えます。
日本のセカンドウェーブコーヒー市場
日本のセカンドウェーブコーヒー市場は、アメリカ同様、スターバックスコーヒーというトップランナーが存在していて、ドトールコーヒーやタリーズコーヒー、それにコメダ珈琲店などのファミリーレストラン型喫茶店などが、そのスターバックスコーヒーを追いかけるという構図になっているのだと思います。
日本のセカンドウェーブコーヒー市場も、アメリカ同様、付加価値の高いカップコーヒーを商っている市場だと考えています。
セカンドウェーブコーヒー市場を狙うファーストウェーブコーヒー企業
セカンドウェーブコーヒー市場は付加価値の取れるコーヒー市場ですから、ファーストウェーブコーヒー市場で活躍しているコーヒー企業も、セカンドウェーブコーヒー市場への進出を目論でいるのかもしれません。
しかし、現在のところ、それほど上手く事が運んでいるとは思えません。
日本のサードウェーブコーヒー市場
現在のところ、高付加価値のサードウェーブコーヒー市場で頑張っているのは、1990年前後~2010年前後にコーヒー豆自家焙煎店ビジネスを立ち上げ、先端的な珈琲市場(スペシャリティーコーヒーの市場)で事業規模を拡大して来た珈琲豆焙煎屋さんだと思います。
例えば、堀口珈琲や丸山珈琲や猿田彦珈琲のような・・・。
日本のサードウェーブコーヒー市場は、まだまだ未開拓のコーヒー市場だと思います。
サードウェーブコーヒー市場もファーストウェーブコーヒー企業が
サードウェーブコーヒー市場にも、ファーストウェーブコーヒー市場で活躍しているコーヒー企業が、もしかしたら色気を持っているのかもしれません。
でも、ファーストウェーブコーヒー市場とサードウェーブコーヒー市場とでは、市場としての隔たりが大きすぎるのだと思います。
サードウェーブコーヒー市場は少量生産・少量消費のコーヒー市場ですから、ファーストウェーブコーヒー市場で活躍している大量生産・大量販売を得意とするコーヒー企業が、サードウェーブコーヒー市場に進出するのは難しいだろうと考えています。
もう一つの規模の小さなコーヒー市場
アメリカでも日本でも、ファーストウェーブコーヒー市場でも、セカンドウェーブコーヒー市場でも、サードウェーブコーヒー市場でもない、もう一つの規模の小さなコーヒー市場が存在しています。
サードウェーブコーヒー市場も日々進化していて、エカワ珈琲店(年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が二人だけで営んでいるコーヒー豆自家焙煎店)のような家族経営の零細事業者は、サードウェーブコーヒー市場の隅っこに引っ付いている「もう一つの規模の小さなコーヒーの市場」で棲息しています。
マーケティング手法が異なるので
ファーストウェーブコーヒー市場やセカンドウェーブコーヒー市場のコーヒー企業が、その、もう一つの規模の小さなコーヒー市場に色気を持ったりすれば、おそらく、マーケティング戦略が無茶苦茶になってしまうはずです。
サードウェーブコーヒー市場での成長を望んでいる事業者は、もともと、もう一つの規模の小さなコーヒー市場(エカワ珈琲店などが棲息している)から出発したわけですから、その市場に色気を持つということは、マーケティング戦略の矛盾を意味することになります。
4つのコーヒー市場の棲み分けはできている
ファーストウェーブコーヒー市場、セカンドウェーブコーヒー市場、サードウェーブコーヒー市場、サードウェーブコーヒーの隅っこに引っ付いている「もう一つの小さなコーヒー市場」と、現在のところ、4つのコーヒー市場は、棲み分けができているのだと思います。
その中で最大規模のコーヒー市場は、ファーストウェーブコーヒーの市場で、次いで規模の大きいのがセカンドウェーブコーヒーの市場だと思います。そして、大きく離されてサードウェーブコーヒー市場が存在しているのだと思います。
その棲み分けを無視するファーストウェーブコーヒー系やセカンドウェーブコーヒー系のコーヒー企業(orコーヒー会社)が存在するのだとしたら、そのコーヒー企業は、どのように考えても支離滅裂で無茶苦茶なマーケティング戦略やブランディング戦略を採用しているとしか考えられません。
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