ファーストウェーブコーヒー市場は大量生産・大量消費のコーヒー市場で、セカンドウェーブコーヒー市場は付加価値を持つ喫茶店ブランドのコーヒー市場で、サードウェーブコーヒー市場は少量生産・少量消費の高級ブランドが闊歩するコーヒー市場だと理解しています。
昔ながらの零細小規模な珈琲屋
高齢(もうすぐ70歳)と熟年(アラカン)の夫婦2人で30年近く零細生業商売を続けている珈琲豆焙煎屋は、ファーストウェーブコーヒー市場では生きていけません。焙煎コーヒー豆を大量生産する能力も、大量生産した焙煎コーヒー豆を大量に売り捌く営業力もありません。
セカンドウェーブコーヒー市場とは縁が無くて、サードウェーブコーヒー市場とも馴染めません。
サードウェーブコーヒーの、「コーヒーは進化する」という考え方を頭では理解できるのですが、「高級なワインのような・・・」について行くのが難しいと考えています。あまりにも、年齢を重ねすぎているので・・・。
ということで、ファースト、セカンド、サード、どのコーヒー市場にも依存できないのが、1989年に喫茶店から自家焙煎コーヒー豆小売専門店に衣替えした零細生業パパママ経営の昔ながらの珈琲豆焙煎屋です。
昔ながらの珈琲豆焙煎屋の生きる道
69歳の珈琲親父は飛行機が苦手で、コーヒー豆生産農家を訪問する金銭的余裕も時間的余裕もありません。それに、高級なスペシャリティーコーヒー豆の価格は高騰していて、取り扱うには資金面で無理があります。
例え、無理して取り扱ったとしても、高級なスペシャリティーコーヒーを新鮮なうちに売り捌く能力もありません。
高品質で高級なスペシャリティーコーヒーという高級コーヒーを飲むために、消費者が時間を費やしてよりレベルの高い知識・技能を学習して、より多くのお金をコーヒー購入に費やしてもらうというサードウェーブコーヒーの先端的なビジネス手法は、年老いた昔ながらの珈琲豆焙煎屋には不釣り合いです(無理があります)。
ファーストウェーブ、セカンドウェーブ、サードウェーブ以外のコーヒー市場を探し出すしか生き残る術がありません。
ということで、自家焙煎コーヒー豆を「手頃なぜいたく品」として小売販売する昔ながらの珈琲ビジネスに徹して行こうかと考えている今日この頃です。
手頃なぜいたく品市場で生きて行く
高品質で高級なスペシャリティコーヒーだけを取り扱うのがサードウェーブコーヒー市場で、この市場の消費者は、良質のコーヒーとその意味(豆の由来や淹れ方)の学習にお金と時間を費やすことで満足感を覚えてくれます。
しかし、地方の中核都市クラスの町では、そのようなものすごくコーヒーに興味を持っている消費者はそれほど多くありません。
高級スペシャリティーコーヒーが棲息できる環境は、まだ存在していません。それほど高価格でないスペシャルティーコーヒーなら、何とか棲息できるようになって来ていますが。
良質のコーヒーを購入したいと考えているけれども、コーヒー豆の由来やコーヒーの淹れ方にそれほど興味の無い消費者もいます。
良質のコーヒーを飲みたいけども、できるだけお金を使わずに、そして簡単便利にコーヒーを楽しみたいという消費者もいると思います。
このタイプのコーヒー消費者をターゲットとする市場、それが手頃なぜいたく品コーヒー市場だと勝手に考えることにしています。
そして、昔ながらの年老いた珈琲豆焙煎屋は、このコーヒー市場領域で生きて行こうと考えています。
サードウェーブコーヒーに感謝しています
昔ながらの年老いた珈琲豆焙煎屋ですが、サードウェーブコーヒーの担い手たちには、ものすごく感謝しています。
サードウェーブコーヒーが登場していなければ、ファーストウェーブコーヒー市場やセカンドウェーブコーヒー市場の担い手たちに押しつぶされていて、今頃は、昔ながらの商売をしているコーヒー豆自家焙煎店は廃業を余儀なくされて、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦は路頭に迷っていたかもしれません。
少量生産・少量消費のスペシャリティーコーヒー市場を開拓してくれたのがサードウェーブコーヒーの担い手たちだったから、良質のコーヒー・美味しいコーヒーを求める消費者が増加して、昔ながらの年老いた珈琲豆焙煎屋も少しだけその恩恵を受けているわけですから。