【珈琲物語】年老いた珈琲豆焙煎屋の珈琲物語

年老いた珈琲豆焙煎屋は、連れ合いと2人だけで零細生業パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店を和歌山市で営んでいます。その店の屋号は「エカワ珈琲店」です。そのエカワ珈琲店が発信しているコーヒーストリーを楽しんで頂けたら幸いです

自家焙煎コーヒー豆需要の価格弾力性を意識して、2年連続の値上げに踏み切りました。

年老いた珈琲豆焙煎屋の実家は、昭和30年秋に創業した地方の町のビジネス街に位置する小さな喫茶店でした。

昭和30年代と昭和40年代の中頃くらいまでは喫茶店商売の全盛時代で、コーヒー1杯とラーメン1杯の価格が同じくらいでした。

コンビニコーヒーの価格は、1杯100円~200円くらいです。

街の喫茶店でも、コーヒー1杯400円~500円くらいで飲むことができます。

もしコーヒー1杯の価格がラーメン1杯の価格と同じだったら、街行く人たちが、今と同じような頻度でコンビニコーヒーを飲んだり喫茶店でコーヒーを飲んだりするだろうかと、ふと考えることもあります。

家でコーヒーを楽しむために、毎週200gの焙煎コーヒー豆を購入している家庭があるとします。

200gの焙煎コーヒー豆の価格が2倍になったとしたら、それでも毎週200gの焙煎コーヒー豆を購入するだろうかと言う問いに対して、年老いた珈琲豆焙煎屋は答えを出す事ができません。

 

【目次】

 

エカワ珈琲店と2年連続値上げ

年老いた珈琲豆焙煎屋は71歳で、62歳の連れ合いと二人だけで、エカワ珈琲店という屋号の小さなコーヒー豆自家焙煎店を営んでいます。

最近(2022年10月)、自家焙煎コーヒー豆の小売価格を100g当たり50円値上げすることにしました。

100g当たり50円という「しょぼい値上げ」ですが、去年(2021年)に続く2年連続の値上げです。

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需要の価格弾力性という経済用語

年老いた珈琲豆焙煎屋ですが、脱サラ(会社勤めをやめて自営業者になること)してから30年、零細生業商売のコーヒー豆自家焙煎店を営んできました。

零細生業商売ですが、30年以上も小売商売を続けているので『需要の価格弾力性』という経済用語は知っています。

というよりも、何回も『需要の価格弾力性』のお世話になったり、振り回されたりして来ています。

 

焙煎も商売も予測から始まる

「焙煎プロセスの進行状況を予測して制御する」、それがコーヒー豆自家焙煎技術の基本だと考えています。

自家焙煎コーヒー豆小売商売も、その基本は、自家焙煎コーヒー豆の買い手の行動を予測して適切に対応することだと考えています。

しかし、どちらも、その予測の根拠となるデータは、これまでの経験だけです。

自家焙煎コーヒー豆小売価格を値上げした場合、コーヒー消費者の購買行動がどのように変化するかという判断は、過去の経験の積み重ね(商売の勘)に依存しています。

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需要の価格弾力性が高いか低いか

エカワ珈琲店の今回(2022年10月)の自家焙煎コーヒー豆値上げも、過去の経験の積み重ね(商売の勘)に依存して価格を決定しています。

でも、全面的に非論理的な「商売の勘」で値上げ幅を決めているのでは無くて、『需要の価格弾力性』の考え方も取り入れて値上げ幅を決めているつもりです。

消費者は、「求める商品・サービスをできるだけ安く手に入れたい」と考える傾向があるはずです。

ですから、商品・サービスの価格が上昇すれば、その分だけ商品・サービスに対する需要が低下するのが一般的です。

その低下幅が大きいと「需要の価格弾力性が高い」と表現して、低いと「需要の価格弾力性が低い」と表現しています。

 

レギュラーコーヒーとクラフトコーヒー

一般的に、マスマーケットをターゲットとする商品・サービス、バーゲンセール効果が高い商品・サービスは「需要の価格弾力性が高く」て、生活必需品やオリジナル性の高い商品・サービスは「需要の価格弾力性が低い」と言われています。

レギュラーコーヒーはバーゲンセール効果が高い商品で、大量生産されてマスマーケットで流通している商品ですから「価格の弾力性」が高い商品だと思います。

マスマーケットでのコーヒーは、非常に競争の激しい製品カテゴリーに入っています。

マスマーケットで売られているコーヒー商品(レギュラーコーヒー)には、代替品が幾らでも存在しているので、需要の価格弾力性が非常に高くなっているように感じられます。

消費市場で売られているコーヒーには、マスマーケット向けのレギュラーコーヒーと、コミュニティーマーケット向けのクラフトコーヒーがあります。

クラフトコーヒーは、需要の価格弾力性がかなり低い高所得消費市場の商品だと一般的に考えられています。

煎りたて新鮮が特徴の手作り・少量焙煎のオリジナル性の高い商品ですから、「価格の弾力性が低くて」値上げによる需要の減少をそれほど考慮する必要の無い商品だと思います。

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クラフトコーヒー市場は価格弾力性が低い市場

エカワ珈琲店の商っている自家焙煎コーヒー豆は、クラフトコーヒーだと自負しています。

今回の自家焙煎コーヒー豆小売価格の値上げについては、需要の価格弾力性の観点からは、消費者の購買行動にほとんど影響を与えるはずが無いと考えています。

一般的に、クラフトコーヒーの需要は増加を続けていて、供給も安定しているわけですから、クラフトコーヒーの価格が上昇して行くのは自然の流れです。

需要の価格弾力性が低い(価格に敏感でない)クラフトコーヒー市場では、高い価格でもこれまでと同じ量の自家焙煎コーヒー豆が消費されるはずだと考えています。

 

2年連続のしょぼい値上げ

エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆はクラフトコーヒーで、需要の価格弾力性が低い(価格に敏感でない)商品だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

レギュラーコーヒーとクラフトコーヒーの違いを理解してくれていないコーヒー消費者については、今回の値上げでエカワ珈琲店から離れて行くかもしれません。

しかし、その違いを理解してくれている消費者については、今回の値上げでエカワ珈琲店から離れて行くことは無いと思っています。

2年連続の値上げですが、100g当たり50円という「しょぼい値上げ」ですから。

今回(2022年10月)の値上げで、エカワ珈琲店は、完全にスペシャリティーコーヒー専門の自家焙煎コーヒー豆小売店だとコーヒー消費者に認めてもらえるようになるかもしれないと密かに期待しています。