年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が2人だけで細々と営んでいるコーヒー豆自家焙煎店、屋号はエカワ珈琲店と言います。
和歌山市のお城の近くで自宅兼店舗の昔ながらの商店ビジネスを30年間以上営んでいて、今も昔も、零細生業パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店商売をしています。
年老いた珈琲豆焙煎屋は69歳で、2か月に一度15万円くらいの公的年金が通帳に振り込まれます。
その収入だけでは夫婦2人食べて行けませんが、コーヒー豆自家焙煎店商売の収入があるので食べるに困っていません。
贅沢している訳でもなくて、仕事が生きがい的な暮らし方をしているので生活資金はそれほど必要としないわけですから。
コーヒー豆自家焙煎店商売と言っても、昔ながらの商店商売を地方都市で営んでいるので、喫茶店・日本料理店・レストラン・ライブハウス・宿泊施設、会社や役所のオフィス・研究所、それに学校などの焙煎コーヒー豆業務用需要に対応しなければ、自家焙煎コーヒー豆小売店の商売は成り立ちません。
2010年の始め頃、今(2021年)から10年前くらいまでは、薄利多売商売を続けていました。
規模のある程度大きな珈琲豆焙煎会社は、自動化・省力化したコーヒー豆焙煎工場で短時間で一度に大量の焙煎コーヒー豆を製造していて、コーヒー豆自家焙煎店は、小型業務用ドラム式コーヒー豆焙煎機を駆使してコーヒー豆をバッチ焙煎(1回1回焙煎)しているわけですから、焙煎コーヒー豆の生産性に雲泥の差があります。
エカワ珈琲店は、ものすごく生産性の悪い(低い)商売をしているわけです。
2010年代に入ってからは、自家焙煎コーヒー豆の原料に使っているスペシャリティーコーヒー豆が高騰して、それまでの薄利多売商売が成り立たなくなってしまいます。
で、自家焙煎コーヒー豆の価格を徐々に値上げして来たのですが、店舗は自己所有でコーヒー豆焙煎機は1990年代初頭に購入して償却が終わっていて、30年間くらい新規投資はせず修繕費用なども必要無かったので、スペシャリティーコーヒー豆の価格上昇分を少しずつの値上げで補うことが出来ました。
2020年、新型コロナウィルス感染症パンデミックの悪影響で、自家焙煎コーヒー豆の業務需要が相当に減少しました。
喫茶店・日本料理店・カラオケ喫茶・ライブハウス・スナックバー、それにオフィスコーヒーと、売上の半分近くを占めていた自家焙煎コーヒー豆業務需要が減少してしまいました。
自家焙煎コーヒー豆業務需要については、今年(2021年)になっても回復してくれません。
エカワ珈琲店の価格設定は、薄利多売時代からの流れもあって、業務で使っても採算の合う価格設定にしているつもりです。
百貨店のコーヒー豆売り場で売られている焙煎コーヒー豆のように、家庭消費だけをターゲットにしているわけではありません。
ですから、売上減少は、モロに自家焙煎コーヒー豆の生産コストに影響して来ます。
2020年は、エカワ珈琲店にとって、予期せぬ出来事の多い年でした。
30年間故障知らずで働いてくれていたコーヒー豆焙煎機が故障して、数十万円の修理費用が掛かりました。また、修理の期間、半月くらい商売が出来なくなってしまいました。
公的年金だけでは食べて行けないわけですから、商売ができなくなれば、目の前が真っ暗になってしまいます。
その恐怖心から、予備のコーヒー豆焙煎機として、30年前に購入した小型ドラム式業務用コーヒー豆焙煎機よりも一回り小型の業務用コーヒー豆焙煎機を購入しました。購入価格は、軽四輪自動車の新車価格と同じくらいでした。
設備・装置の償却費用や新規投資の費用などを考えること無く、原料のコーヒー豆仕入れ価格だけを考慮して価格設計出来ていたのは、運が良かったのだと思います。
近年は、運送費・包装材料費なども値上げになっているので、原料のコーヒー豆仕入れ価格プラスアルファーを考慮しなければ、利益を出せなくなって来ています。
そこで、新型コロナウィルス感染症パンデミックの影響で、自家焙煎コーヒー豆業務需要が大幅減少しているのを切っ掛けとして、自家焙煎コーヒー豆業務需要については非積極的な商売に切り替えることにしました。
新型コロナウィルス感染症パンデミックが落ち着いてくれば、自家焙煎コーヒー豆の家庭需要中心の商売、もう少し実店舗を活用した商売を展開しようと考えている今日この頃です。