年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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2022年秋、エカワ珈琲店は、2年連続で自家焙煎コーヒー豆の値上げを実施します

自家焙煎コーヒー豆の原料となるコーヒー生豆の仕入れ価格ですが、2010年代に入ってから少しずつ上昇を続けて来ていました。

それが、去年あたりから、コーヒー生豆の仕入れ価格が急上昇しています。

エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)は、原料のコーヒー生豆にスペシャリティーコーヒー生豆を使っています。

今年(2022年)9月末の時点で、新型コロナウィルス感染症パンデミック前と比べれば、1kg当たり数百円~1000円くらい値上がりしています。

 

【目次】

 

スペシャリティーコーヒー生豆を原料に使っている

生産者・農場を特定できるコーヒー生豆、自然保護団体やフェアトレード団体の認証を受けているコーヒー生豆をスペシャリティーコーヒーと呼んでいて、市場価格で取引されている一般的なコーヒー生豆よりも丁寧に生産されているので、その分、コーヒー生豆の品質が良いとされています。

確かに、スペシャリティーコーヒー生豆を原料に使って自家焙煎していると、一般的なコーヒー生豆との品質の違いを実感できます。

ハンドピック(悪い豆を手作業で取り除く)などの手間は、全く必要ありません。

煎り上がった自家焙煎コーヒー豆の香り・風味も、相当に良好です。

 

スペシャリティーコーヒー生豆の仕入れ価格

その代わり、仕入れ価格は、一般的なコーヒー生豆よりも相当に高くなります。

去年あたりから、コーヒー生豆については、需要に供給が追い付いていないようです。

それどころか、需要と供給のギャップが拡大しています。

スペシャリティーコーヒー生豆については、特に、その傾向が大きいようです。

市場価格で取引されている一般的なコーヒー生豆価格が大幅に上昇していて、それに釣られて、もともと高い価格で取引されていたスペシャリティーコーヒー生豆価格も上昇を続けています。

 

最高級のスペシャリティーコーヒー生豆とは相性が良く無い

ただし、無茶苦茶高い仕入れ価格のスペシャリティーコーヒー生豆は、比較的に価格が安定しているようですが、地方都市の小さなコーヒー豆自家焙煎店が取り扱える代物ではありません。

高品質のスペシャリティーコーヒー生豆を原料に使った自家焙煎コーヒー豆であっても、焙煎してから1か月も経過すると、香りが抜けて劣化した名前と価格だけが立派な焙煎コーヒー豆になってしまいます。

ですから、取り扱えば「赤字」になるのは目に見えています。

何故「赤字」になるかと言うと、お客さんの居ない市場で商売をしても商売が成り立つはずが無いからです。

 

利幅が減少しているが、それなりの利益は出ている

エカワ珈琲店は、71歳になる年老いた珈琲豆焙煎屋と62歳になる連れ合いの二人だけで細々と営んでいる地方都市の小さなコーヒー豆自家焙煎店です。

公的年金だけでは食べて行けない71歳になるジジと62歳になるババ(もしかしたらおばさん)が、趣味と実益を兼ねて営んでいる零細生業ジジババ店です。

「昔ながらの業務卸価格」で販売している自家焙煎コーヒー豆については、「赤字」一歩手前の状況で儲けが出ていません。

しかし、売上の大半を占めるメニューチラシに掲載している自家焙煎コーヒー豆商品については、コーヒー生豆仕入れ価格が上昇している現在の状況下でも、利幅は減少していますが、それなりの利益は出ています。

 

零細生業パパママ商売と零細生業ジジババ商売は別の商売

年老いた珈琲豆焙煎屋に10年前、60歳頃の元気さがあれば、お客さんが離れて行く可能性のある、現段階での値上げには躊躇したかもしれません。

零細生業パパママ商売は労働コストの伸縮に柔軟に対応できる商売ですから、ある程度までの利幅減少になら何とか耐えられます。

そして、大多数のお客さんが納得してくれる時期に、常識的な値上げを実施するのが賢明だと思っています。

しかし、71歳の年老いた珈琲豆焙煎屋には、そのような余裕はもうありません。

2010年頃のエカワ珈琲店は零細生業パパママ店でしたが、2022年のエカワ珈琲店は零細生業ジジババ店です。

高齢の商売人には、1年先・半年先を見越して商売をしている余裕などありません。

コーヒー豆自家焙煎店商売は体力勝負の部分が大きい商売ですから、1年先・半年先を見越した商売をしていれば、ジジやババの体力では商売をスムーズに回すことが出来なくなってしまいます。

 

零細生業ジジババ店が商売を続けて行くためには

予期せぬ出来事に遭遇する確率の高いのが、零細生業ジジババ商売です。

零細生業ジジババ商売では、計画的な商売は成り立たないと思っています。

計画的な商売をしていれば、予期せぬ出来事に対する抵抗力が弱くなってしまいます。

あらゆる商売上の出来事に対して、未来の事はほとんど考慮することなく、できるだけ速やかに柔軟に対応しなければ、零細生業ジジババ商売で稼ぎ続ける事は無理だと思います。

コーヒー豆仕入れ価格の上昇や、コーヒー豆焙煎機の維持管理費用の上昇、その他もろもろの営業経費上昇への対応は、できるだけ速やかな自家焙煎コーヒー豆価格の値上げという選択肢しか無いと考えています。

零細生業ジジババ商売は高齢者が営む商売ですから、できるだけ負債を持たない現金商売に徹する必要があると思っています。

ですから、営業経費の上昇分は、自分たちが負担するのでは無くてお客さんに負担してもらうという、その日暮らしの商売しか選択肢がありません。

ということで、この秋(2022年10)、自家焙煎コーヒー豆100g当たり50円値上げという「しょぼい値上げ」を実施させて頂こうと思っています。