筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)が、小型業務用ドラムロースター(バッチサイズ5kg)を使ってコーヒー豆を自家焙煎するようになって大体30数年が経過しています。
コーヒー豆の自家焙煎を開始した頃、コーヒー豆焙煎の指標とされていたのは、コーヒー豆表面の色で煎り具合を判断する『焙煎度』という指標だけでした。
それから、30数年以上の年月が経過して、令和の現在(2024年)には、焙煎プロファイル・焙煎プロファイル図という科学的な指標が存在しています。
その指標を使おうとすれば、基本的に、焙煎プロファイル作成ソフトが必要になると思います。
しかし、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)なら、30数年に渡るコーヒー豆焙煎に関する経験・技術・知識・洞察力の積み重ねを持っているので、大雑把な焙煎プロファイル・焙煎プロファイル図なら作成ソフトが無くても作れます。
焙煎中のコーヒー豆の温度と、その温度に到達するまでの時間という2つのデータを、大雑把に収集して、エクセルを使って積算すれば、簡単な焙煎プロファイル図(ローストカーブ図)を作成することができます。
30数年の間に食品加工学(食品工学)が進歩を遂げていて、食品反応工学の理論が成熟して来ていて、その結果として、コーヒー豆焙煎の分野に焙煎プロファイル・焙煎プロファイル図(ローストカーブ図)が登場して来たと理解しています。
コーヒー豆焙煎は、コーヒー豆の品質変換操作です。
コーヒー豆焙煎中の様々な化学的・物理的な焙煎反応は、その品質変換速度(焙煎反応速度)に支配されています。
品質変換速度(焙煎反応速度)が違えば、出来上がった焙煎コーヒー豆を使って淹れるコーヒーの味や香りなどが、当然、違って来ると思っています。
ちなみに、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は、焙煎しているコーヒー豆の表面温度がこれくらいで、焙煎に要した時間がこれくらいなら、その時の焙煎コーヒー豆の煎り具合や味・香りはこうなっているだろうというプロファイルを頭の中に持っています。
それを持つのに、20年以上の年月を費やしました。
コーヒー豆焙煎操作は、焙煎中のコーヒー豆に発生する様々な焙煎反応の進行スピードをコントロールする品質変換操作です。
焙煎プロファイルや焙煎プロファイル図(ローストカーブ図)は、コーヒー豆焙煎中に発生するコーヒー豆焙煎反応の速度を表現している代物だと筆者は理解しています。
焙煎プロファイル・焙煎プロファイル図を活用すれば、20年間、あるいは30年間に渡るコーヒー豆焙煎に関する知識・技術・経験・洞察力の積み重ねがなくても、その10分の1~20分の1くらいの時間で、業務用小型ドラム式コーヒー豆焙煎機を使って、コーヒー豆を自由自在に焙煎することが出来るようになると思います。
その場合、30数年間に渡ってコーヒー豆焙煎に関する知識・技術・経験・洞察力を積み重ねる苦労が無いかもしれませんが、その間に感じることのできる喜びにも出会えないわけですが。
コーヒー豆の焙煎は、温度と時間を対応させてコーヒー豆の品質変換速度(焙煎反応速度)を適正にコントロールする作業だと考えています。
そして、その焙煎反応速度をどのようにコントロールしたかを、速度データ(温度)と速度式を用いて計算・表現しているのが、焙煎プロファイル・焙煎プロファイル図(ローストカーブ図)だと理解しています。
正確な焙煎プロファイル・焙煎プロファイル図(ローストカーブ図)の作成は、手作業では難しいので、焙煎プロファイル作成ソフトの助けを借りて作成することになると思います。
(※)この記事では、珈琲ブログで有料販売している『コーヒー豆焙煎の品質変換速度、コーヒー豆焙煎反応速度論|、焙煎プロファイル論』の内容を大雑把にに紹介しています。
(※)珈琲ブログで有料販売している『コーヒー豆焙煎の品質変換速度、コーヒー豆焙煎反応速度論|、焙煎プロファイル論』とほぼ同じ内容のテキストを、2024年2月に出版した電子書籍「コーヒー豆自家焙煎談義(第4集)」に収録しています。