兼松株式会社(総合商社)が運営管理するCoffee Network は、これまでのスペシャリティーコーヒー生豆に加えて、コモディティータイプのコーヒー生豆も取り扱うと伝えています。
Coffee Network は、コーヒー豆自家焙煎店向けB to B(事業者間取引)通販サイトの草分けです。これまでは、ほぼスペシャリティーコーヒー生豆オンリーの商品展開をしていました。
エカワ珈琲店は10年以上前(2004年頃)から利用していて、使用するコーヒー生豆のほぼ100%をCoffee Network から仕入れています。
都会のコーヒー豆自家焙煎店なら、高価格帯の高級スペシャリティーコーヒーだけでも商売が成り立つかもしれませんが、地方の町のコーヒー豆自家焙煎店では無理です。
高価格帯の高級スペシャリティーコーヒーに対する絶対的需要が、地方の町には不足しています。
北米大陸でも、サードウェーブコーヒー商売が成り立っているのは、ある程度の人口が集中している地域だけで、人口のまばらな農村地域には浸透していないという話を聞きます。
10数年前、月間500kg~600kgのコーヒー生豆を仕入れていた頃、大手コーヒー生豆商社のW社さんに取引を打診したのですが断られた記憶が残っていて、それ以来、大手コーヒー生豆商社さんに仕入れを打診する気持ちが無くなってしまっています。
ということで、現在(2016年7月)、エカワ珈琲店がコーヒー生豆の調達で利用させてもらえる大手コーヒー生豆商社はCoffee Network を運営管理している兼松株式会社さんだけです。
最近、地方の町でも、コーヒーブームの影響からか、「煎りたて、新鮮、香りの良い焙煎コーヒー豆」に対する消費者の関心が高まっていて、同時に需要も拡大しています。
今のところ、その需要に応えられるのは、街中のコーヒー豆自家焙煎店だけだと考えています。
高級な(高価格帯の)スペシャリティーコーヒーでなければというコーヒー文化の最先端にいるコーヒー消費者は、自家焙煎コーヒー豆の価格には比較的におおらかです。
でも、「煎りたて、新鮮、香りの良い焙煎コーヒー豆」を追求しているコーヒー消費者は、自家焙煎コーヒー豆の価格にシビアではありませんが、できればリーズナブルな価格が良いと考えているコーヒー消費者ですから、あまりにも高級な(高価格帯の)自家焙煎コーヒー豆は購入しません。
ですから、スペシャリティーコーヒー協会の品質基準を少しくらい下回っていても、スペシャリティーコーヒーとほぼ同じレベルの品質を持っているコーヒー生豆を調達できるのなら、それはものすごくありがたい出来事です。
エカワ珈琲店(年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が二人だけで営んでいる珈琲屋)のこれまで蓄積してきた経験・技術・知識を駆使すれば、スペシャリティーコーヒー基準を少しだけ下回っているコーヒー生豆を活用して、コーヒー消費者にある程度の満足感を与える自家焙煎コーヒー豆を提供する自信があります。
ということで、地方の町でコーヒー豆自家焙煎商売を営むなら、スペシャリティーコーヒー生豆にプラスして、ニューヨーク相場に連動した価格よりも割高ですが、スペシャリティーコーヒーの基準を満たしているコーヒー生豆よりも少し低価格で調達できるコーヒー豆の活用は絶対必要条件だと、この道30年の年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
追記/2022年2月27日
この記事を書いてから6年が経過して、2022年2月現在のエカワ珈琲店は、スペシャリティーコーヒーかそれに準じるクラスのコーヒー生豆を原料に使った自家焙煎コーヒー豆のみを焙煎・販売する商売をしているので、使用するコーヒー生豆のほぼ全量をコーヒーネットワークから仕入れています。
エカワ珈琲店は年老いた珈琲豆焙煎屋とその連れ合いの2人だけで営んでいる零細生業規模のコーヒー豆自家焙煎店で、店主は70歳の高齢者です。
コモディティーのコーヒー生豆を原料にして、ロースターと呼ばれる焙煎コーヒー豆業務卸事業者と競い合って自家焙煎コーヒー豆を売る商売は、もう無理です。
ですから、自家焙煎コーヒー豆の販売価格を、6年前よりも1.5倍~2倍くらいに値上げさせてもらって、スペシャリティーコーヒーかそれに準じるクラスのコーヒー生豆を原料に使った自家焙煎コーヒー豆のみで商売をしています。
参考までに、パプアニューギニアのトロピカルマウンテンは、コーヒーネットワーク(兼松)さんが登録している商標で、スペシャリティーコーヒー生豆に準じるクラスのコーヒー生豆です。
エカワ珈琲店は、コーヒーネットワーク(兼松)で仕入れたトロピカルマウンテンを、中深煎り(エカワ珈琲店の焙煎度基準です)に焙煎してアマゾンで販売しています。