コーヒー豆の栽培、収穫、精製、選別の管理体制が整った農園・団体によって生産出荷されるコーヒー生豆を、適切な輸送と保管によって劣化の少ない状態に保持して、適正に焙煎加工して、適正に抽出したコーヒーをスペシャリティーコーヒーと呼んでいるのだと思います。
サードウェーブコーヒー現象を担っているアメリカの珈琲屋さんの間では、スペシャリティーコーヒーの条件のうち、「適正に焙煎加工して、適正に抽出された」の部分に注目が集まっていて、「適正に焙煎加工した焙煎コーヒー豆で、焙煎後2週間以内に、あるいは1週間以内に、あるいは48時間以内に焙煎加工された焙煎コーヒー豆を使って、訓練を受けたバリスタが適正に淹れたコーヒー」をスペシャリティーコーヒーと認識しているように感じられます。
日本進出で話題のブルーボトルコーヒーは、焙煎加工後48時間以内を売り物にしていて、サードウェーブコーヒー現象に市場を荒らされているアメリカのスターバックスコーヒーは、焙煎加工後5日以内の焙煎コーヒー豆を売る店舗を展開すると発表しています。
「焙煎加工してからそれほど時間(or日にち)の経過していない、煎りたて、新鮮、香りの良い焙煎コーヒー豆」は、スペシャリティーコーヒーの絶対必要条件になりつつあるのかもしれません。
コーヒー豆の焙煎加工段階では、どのコーヒー豆焙煎屋さんが焙煎加工したかだけではなくて、誰がコーヒー豆を焙煎加工したかに対する需要も出てきているようです。
スペシャリティーコーヒーの概念は、日々、変化していて、10年前のスペシャリティーコーヒーの概念と、現在のスペシャリティーコーヒーの概念とでは、相当な違いがあるのかもしれません。
また、大量生産・大量消費のマス市場でのスペシャリティーコーヒーの概念と、少量生産・少量消費の市場でのスペシャリティーコーヒーの概念の間にも、相当な違いがあるのかもしれません。
エカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆の小売販売を開始して20数年が経過していて、それなりの経験・知識を持っているつもりです。
でも、スターバックスコーヒー現象という異文化が日本にやって来た頃も、現在も、スターバックスコーヒー現象という異文化を理解できていません。
スターバックスコーヒーは、自分たちの文化を日本に持ち込んで大成功を収めました。
しかし、エカワ珈琲店ですが、アメリカのサードウェーブコーヒー現象という異文化については理解しているつもりです。
サードウェーブコーヒー現象という異文化と良く似た文化を、日本のコーヒー豆自家焙煎店が持っているのだと思います。
サードウェーブコーヒー現象という異文化が日本に浸透すれば、日本のコーヒー豆自家焙煎店が持っているサブカルチャー的な文化にも注目が集まるかもしれません。
サードウェーブコーヒー現象の「スペシャリティーコーヒーの絶対必要条件」ですが、日本のコーヒー豆自家焙煎店が常日頃から心掛けていることで、サードウェーブコーヒー系のコーヒー企業と同様の小回りの良さや好奇心を持っているのが日本のコーヒー豆自家焙煎店ですから。