和歌山市雑賀屋町の店舗兼焙煎工房兼住居は、和歌山城の石垣から直線距離で100数十メートルの位置に立地しています。
その零細生業パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店は、自家焙煎コーヒー豆小売中心の商売をしていて、高齢の夫婦が二人だけで商売を切り回している店ですが、もう彼此(かれこれ)30数年間、コーヒー豆自家焙煎店商売を続けて来ています。
このコーヒー豆自家焙煎店の店主は72歳になる夫で、40歳になる直前に地方公務員を脱サラして、この商売に飛び込んでいます。
最初の10年近くは、街の社長さんを夢見て頑張ったのですが、商売・経営の才能が不足していたのだと思います。
コーヒー豆自家焙煎店商売の事業規模を拡大させることが出来ず、50歳を超えた頃には、事業規模拡大の夢を捨て去っていました。
そんなこんなで、50歳の中頃からは、零細生業パパママ商売に徹することにして、その後は、大体20年間に渡ってセミリタイア的な商売を続けています。
40歳を目前にして脱サラした30数年前、コーヒー豆自家焙煎店商売は、最初のブームをの真っただ中にありました。
その頃のコーヒー豆自家焙煎店は、例え個人商店であっても、マスマーケットの中で商売をしていたので、上手く行けば事業規模を拡大できるという、ほんの少しだけの、だけど、ほとんど有り得ない希望を胸に抱いて商売をしていたのを記憶しています。
2023年の今、コーヒー豆自家焙煎店商売は、2回目のブームの真っただ中にあります。
ただし、1回目のブームのあった30数年前と違って、商売をしている市場は、マスマーケットではありません。
スペシャルティーコーヒー、煎りたて・新鮮・香りの良い自家焙煎コーヒー豆に興味を持っている人たちのコーヒー消費市場(コミュニティーマーケット)で、巷のコーヒー豆自家焙煎店は商売をしています。
筆者の偏見と独断による解説となりますが、ここで少しだけコミュニティーマーケットについての私見を語ることにします。
不特定多数のお客さんを相手に商売をしているのがマスマーケットで、特定少数のお客さんを相手に商売をするのがコミュニティーマーケットだと考えています。
付加価値の低い商品・サービスを売っているのがマスマーケットの商売で、付加価値の高い商品・サービスを売っているのがコミュニティーマーケットの商売だと考えています。
コミュニティーマーケットで商売をしている会社を1つあげれば、株式を上場している企業か、それと同規模の企業を相手に経営コンサルタント業務をしているマッキンゼーです。
コーヒーのコミュニティーマーケットは、マッキンゼーのような規模の事業が成立するほど、規模が大きくて付加価値の高い商売が出来る市場だとは考えられません。
今のコーヒー豆自家焙煎店が棲息しているコーヒーのコミュニティー市場は、運が良ければ奇跡的に事業規模を拡大できるかもしれないという程度の市場です。
街の焼きたてパン屋さん、街のケーキ屋さんのコミュニティー市場よりも規模の小さなコミュニティー市場で商売をしています。
10数年くらい前なら、コーヒー豆自家焙煎店の棲息できる市場は、マスマーケットの片隅にしか存在していなかったわけですが、今は、街の焼きたてパン屋さん、街のケーキ屋さんのコミュニティー市場と同じように、コーヒー豆自家焙煎店のコミュニティー市場が存在しています。
まだまだ、街の焼きたてパン屋さん、街のケーキ屋さんのコミュニティー市場よりも、その市場規模は小さいと思いますが、何とかコーヒー豆自家焙煎店商売が成り立つくらいの規模の市場に育って来ています。
零細生業のコーヒー豆自家焙煎店商売でセミリタイア的な生活を楽しむ秘訣は、コーヒーとコーヒー商売を好きになる事だと思っています。
そして、商品である自家焙煎コーヒー豆にこだわる職人気質と、生業商売でスムーズに食べて行ける程度の稼ぎを得るための簡単な商売人気質を身に着けることだと思っています。
コーヒーにこだわる職人気質と、コーヒー商売で食べて行くだけを稼げる商売人気質を身に着けていれば、セミリタイア的な生活を楽しみながら食べて行けるだけを稼ぐのは、それほど難しい事では無いと思っています。
今はコーヒー豆自家焙煎店商売が一種のブームとなっているので、零細生業パパママ店クラスのコーヒー豆自家焙煎店が、常日頃、どのような仕事をしているのか興味があるという好奇心旺盛な人がいるかもしれません。
そこで、ある地方都市の零細生業パパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店が、どのような仕事をしているのかを平均化して紹介する記事を書いて、2023年8月28日にキンドルでセルフ出版した電子書籍『コーヒー豆自家焙煎店マスターの独り言』に収録・販売しています。
『コーヒー豆自家焙煎店は、どのような仕事をしているのだろうか』というテーマで紹介している記事は、以下のとおりです。
【1】原料(コーヒー生豆)の購入
【2】コーヒー生豆から焙煎コーヒー豆へ
【3】焙煎サイクル
【4】焙煎プロファイルの作成
【5】個性的な自家焙煎コーヒー豆を売っている
【6】文化と文化の橋渡しをする商人
【7】自家焙煎コーヒー豆の生産能力
【8】自家焙煎コーヒー豆の販売価格
【9】高級な(価格の高い)自家焙煎コーヒー豆は売れない
【10】コーヒー豆自家焙煎店は儲からない
【11】セミリタイア的な働き方をしたいなら
年老いた珈琲豆焙煎屋がキンドルでセルフ出版している電子書籍『コーヒー豆自家焙煎店マスターの独り言』は、キンドルアンリミテッドの会員さんなら無料で読んで頂けます。
キンドルアンリミテッドの会員になる方法は簡単です。
下のリンク先ページの記事を参考にして頂けると思います。