結局のところ、コーヒー豆焙煎商売で安定したポジションを確保しているのは、オートメーション化した大規模コーヒー豆焙煎工場で焙煎コーヒー豆商品を大量生産して、それを一括して大量販売できる能力を持っている大手・中堅のコーヒー豆焙煎企業と、小型のドラム式コーヒー豆焙煎機を使って、丁寧に時間を費やして少量生産した自家焙煎コーヒー豆を自店を贔屓にしてくれるお客さんに小分け販売しているパパママ経営の小さなコーヒー豆自家焙煎店の2つのポジションだけだと思います。
零細生業パパママ経営のコーヒー豆自家焙煎店には、大量生産・大量消費、常に商品棚のスペースを取り合って競争しているマスマーケットで商売する能力がありません。
マスマーケットのお客さんは、サービスが劣っていれば、商品棚の陳列が目立っていなければ商品を買ってくれません。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、大体30年間に及ぶコーヒー豆自家焙煎店商売経験を持っています。
その期間の8割くらいマスマーケットで商売をして来て、小さなコーヒー豆自家焙煎店とマスマーケットの相性の悪さを痛いほど経験しています。
オフィスヒコーヒーサービスと家庭向け焙煎コーヒー豆のコーヒー消費市場から追い出されて、喫茶店・カフェ・レストラン・ホテルなどの焙煎コーヒー豆業務卸市場では相手にされず、という思い出したくも無い経験を幾つも持っています。
その結果として、貧乏暇なしでお金に追いかけられ続けて来たわけです。
年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が営んでいるパパママ経営の小さなコーヒー豆自家焙煎店、屋号は「エカワ珈琲店」です。
今流行りのスペシャルティーコーヒー生豆を原料に使った自家焙煎コーヒー豆を売っています。
スペシャルティーコーヒー生豆を原料に使っていることをお客さんにお知らせしていますが、それを強調した商売はしていません。
強調しているのは、焙煎日から1か月以内に消費してもらう事を前提とした、新鮮な煎りたて自家焙煎コーヒー豆を売っているという事実です。
スペシャルティーコーヒーのマーケットポジションは、その希少性です。
希少性の経済は、マスマーケットで威力を発揮する代物です。
例えば、バターをたくさん使っているクロワッサンが欲しければ、より多くのお金が必要になるという具合にです。
無名で小さなコーヒー豆自家焙煎店が、スペシャルティーコーヒーを強調する商売をしても、惨めな結末が待って居るだけだと思います。
コーヒー豆自家焙煎店の範疇に入るコーヒー豆焙煎商売をしていても、コーヒーコンテストで入賞したり優勝したりしていれば、マスコミに頻繁に取り上げられていれば、マスマーケットで商売して、事業を成長させることができると思います。
しかし、頻繁にマスコミに登場することの無い無名の小さなコーヒー豆自家焙煎店は、マスマーケットとの相性が良く無いと考えています。
マスマーケットとマスコミは、相関関係にあるわけですから当然の事だと思います。
小さなコーヒー豆自家焙煎店は、稼:げませんが、コストや生産性を考える必要の無い「こじんまり」とした商売が向いていると思います。
そのポジションで行われる競争は、お互い切磋琢磨する競争ですから、ある程度の期間我慢して商売を軌道に乗せることができれば、商売の持続性・安定性は抜群です。
そして、そのポジションは稼げないマーケットですから、マスマーケットで活躍しているコーヒー豆焙煎屋さんが参入し難いポジションになっています。
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