年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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何故、エカワ珈琲店は自家焙煎コーヒー豆業務卸が出来ないのだろうか?

軽食メニューを提供する喫茶店・カフェ、本格的な料理メニューを提供するレストラン・高級料理店でコーヒーメニューを提供するなら、焙煎したコーヒー豆の調達先選択は、経営者・メニュー責任者の最も重要な決定事項です。

多くの店舗事業者は、ロースターと呼ばれている焙煎コーヒー豆業務卸を得意とするコーヒー豆焙煎会社からの調達を選択しています。

その店の料理の品質基準に適合していて、その店を利用するお客さんに満足感を与える事の出来るレベルの焙煎コーヒー豆を調達することになると思います。

 

例えば、エカワ珈琲店が店舗を構えている和歌山市で、最高レベルの焙煎コーヒー豆を購入するのは簡単です。

エカワ珈琲店の店舗に行って、エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆を購入すれば良いわけです。

しかし、エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆の品質レベルが高いというだけで、エカワ珈琲店をパートナーとして選択するのは愚かな行為だと思います。

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業務店(カフェ・レストランなどの飲食店やホテル)が、自分たちにとっての理想的な焙煎コーヒー豆調達先を見つけるのは、それほど簡単な話では無いと思います。

年老いた珈琲豆焙煎屋が、食事メニューを提供している喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店のオーナーなら、焙煎コーヒー豆の調達先にエカワ珈琲店を選択することは無いと思います。(時々、使う事があると思いますが)

 

「それは何故なのか」というと、焙煎コーヒー豆の調達先選択には、納入価格、商売の持続可能性、最小注文量、配達の有無などなど、焙煎コーヒー豆の品質以外にも色々な要因を考慮する必要があると考えるからです。

もちろん、焙煎コーヒー豆の品質レベルが、ある一定レベル以上である事が最重要事項だと思いますが。

ということで、「何故、エカワ珈琲店が焙煎コーヒー豆業務卸が出来ないのか」と題して、焙煎コーヒー豆業務卸という事業形態について考えみました。

 

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焙煎コーヒー豆業務卸

コーヒー業界では、コーヒー生豆商社からコーヒー生豆を購入して、自前のコーヒー豆焙煎設備を使って焙煎コーヒー豆を製造して、喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルに販売している事業者を焙煎コーヒー豆業務卸ロースターと呼んでいます。

日本だけで無くて、世界中の主要なコーヒー消費市場に存在している業態です。

近年は、既存の焙煎コーヒー豆業務卸ロースターに加えて、小規模なコーヒー豆自家焙煎店も焙煎コーヒー豆業務卸ロースターの一角を担っています。

というよりも、焙煎コーヒー豆調達先にコーヒー豆自家焙煎店を選択する喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルが増えて来ています。

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焙煎コーヒー豆業務卸の必要性

コーヒー豆(生豆)を焙煎するには、コーヒー豆焙煎機とそれなりの技術・経験・知識が必要です。

コーヒーメニューだけを提供している喫茶店なら、コーヒー豆を自家焙煎するべきだと思いますが、食事メニューを主力商品にしている店だと、手間暇を考えればコーヒー豆を自家焙煎するのはなかなか難しいと思います。

そんなわけで、軽食を提供する喫茶店やカフェ、料理主体の商売をしているレストラン・高級料理店、宿泊サービス中心の事業をしているホテルなどは、必要な焙煎コーヒー豆を、コーヒー豆自家焙煎店を含む焙煎コーヒー豆業務卸ロースターから調達することになります。

店のコーヒーメニューを強化したい喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルが、相性の良い焙煎コーヒー豆業務卸ロースターをパートナーに持つ事ができれば、それは素晴らしい出来事だと思います。

 

焙煎コーヒー豆業務卸ロースターの仕事

大手・中堅の焙煎コーヒー豆業務卸ロースターは、喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルがコーヒーメニューを売るのに必要な事柄の全てについて手伝うことができます。

コーヒー抽出機器のリース、店舗レイアウトの助言、コーヒーメニューのアドバイス、スタッフのトレーニングなどなど、様々なサポートを提供できるのが、大手・中堅の焙煎コーヒー豆業務卸ロースターです。

中小規模の焙煎コーヒー豆業務卸ロースターは、必要な事柄の全てをカバーするのは無理ですが、そのロースターの事業規模に応じたサポート体制は持っています。

コーヒー豆自家焙煎店を含めた全ての焙煎コーヒー豆業務卸ロースターは、提供できる焙煎コーヒー豆銘柄の範囲に幅を持っていて、店側は、ロースターが供給できる範囲内の焙煎コーヒー豆の中から、その店のコーヒーメニューに適した焙煎コーヒー豆銘柄を選択することができます。

街中の小さなコーヒー豆自家焙煎店の場合、少量生産と新鮮な自家焙煎コーヒー豆が売り物です。

小型業務用コーヒー豆焙煎機でコーヒー豆を焙煎しているわけですから、店側の希望に沿った焙煎コーヒー豆の供給が可能です。

 

喫茶店・カフェ・レストラン・ホテルが焙煎コーヒー豆業務卸を利用する利点

コーヒー豆自家焙煎店を含めた焙煎コーヒー豆業務卸ロースターは、幾種類・幾十種類の焙煎コーヒー豆銘柄を揃えていて、コーヒー豆焙煎に関する専門的な知識・経験・技術とコーヒー豆焙煎設備を持っています。

焙煎コーヒー豆業務卸を利用することで、喫茶店・カフェ・レストラン・ホテル・高級料理店が、この部分を焙煎コーヒー豆業務卸ロースターに任せることができます。

それ以外にも、喫茶店・カフェ・レストラン・ホテル・高級料理店が焙煎コーヒー豆業務卸とパートナー関係を持つことの利点が幾つかあります。

例えば、オンライン通販で購入したり、焙煎コーヒー豆小売店で少量の焙煎コーヒー豆を購入するよりも安い価格で購入できます。

例えば、パートナー関係を続けることで信頼関係が構築されるので、ロースター側が店舗側のニーズに柔軟に対応できるようになります。

コーヒー豆自家焙煎店なら、指定のスペシャリティーコーヒーの注文焙煎に対応したり、喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルのプライベートブランドとして自家焙煎コーヒー豆を出荷してもらうこともできます。

例えば、名前の知られているコーヒー豆自家焙煎店とパートナー関係を持てば、そのコーヒー豆自家焙煎店のブランドの恩恵を受けることができます。

店舗の立地する地域で注目されているコーヒー豆自家焙煎店から焙煎コーヒー豆を調達すれば、そのコーヒー豆自家焙煎店と地域ブランドのコンテンツを共有することができます。

 

焙煎コーヒー豆業務卸パートナー選択の基準

年老いた珈琲豆焙煎屋は、30年のコーヒー豆自家焙煎店商売の経験を持っています。

その経験から、地域の喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルがコーヒーメニューを掲載するなら、焙煎コーヒー豆の供給先選択は非常に重要な決定事項だと思います。

地域に存在している全ての喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルは、それぞれに商売の仕方やターゲットとするお客さんが異なっているわけですから。

では、喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルは、どのような基準で焙煎コーヒー豆業務卸のパートナーを選択しているのだろうか、その選択基準について考えてみました。

 

(1)焙煎コーヒー豆納入価格

現在(2021年)はそうかどうか定かでありませんが、以前は、焙煎コーヒー豆使用量の多いホテルや社員食堂運営会社などは、入札や合い見積もりで焙煎コーヒー豆業務卸ロースターを選択するのが普通だったと理解しています。

一杯のコーヒーの価格設定は、喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルの営業にとって非常に重要な課題だと思います。

一般的に、ある程度の事業規模を持つ焙煎コーヒー豆業務卸ロースターなら、見積書を提出して採用される事が決まったなら供給契約書を作成します。

例えば、1kg3000円の価格で供給するので、毎月、まとめて10kgの焙煎コーヒー豆を購入してほしいと言うような契約です。

その供給契約書に附属して、コーヒー関連機器の貸与契約ゃ独占的に焙煎コーヒー豆を供給する契約、スタッフのトレーニングを実施する契約、コーヒードリンクのレシピを提供する契約なども含まれることがあります。

ちなみに、地域のコーヒー豆自家焙煎店のほとんどは、契約書を作成しません。パートナーとの信頼関係だけに基づいて、自家焙煎コーヒー豆を供給しています。

 

(2)焙煎コーヒー豆の種類と品質

キリマンジャロやモカ、ブラジルやコロンビアと、コモディティーコーヒーと呼ばれている昔ながらの銘柄コーヒーとそのブレンドコーヒーを主に供給している焙煎コーヒー豆業務卸ロースターもあれば、ブラジルのダテーラ農園やコロンビアのメサデサントス農園、コスタリカのアキアレス農園などのスペシャリティーコーヒーと呼ばれる焙煎コーヒー豆製品を主に供給しているコーヒー豆自家焙煎店もあります。

全ての焙煎コーヒー豆業務卸ロースターが、全て同じようなタイプの焙煎コーヒー豆製品を供給しているわけではありません。

それぞれの焙煎コーヒー豆業務用ロースターは、それぞれのローストプロファイル(コーヒー豆焙煎の仕方)を持つ焙煎コーヒー豆を供給しています。

喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルは、焙煎コーヒー豆業務卸ロースターの選択に当たっては、どれだけ多様な焙煎コーヒー豆オプションを提供できるかも重要な選択肢とすべきだと思いますが、それ以上に重要なのは、焙煎コーヒー豆の品質だと思います。

食品材料は生産された時から劣化が始まります。焙煎コーヒー豆も食品材料ですから、例外ではありません。

コーヒー豆自家焙煎店は、コーヒー豆の焙煎スケジュール(焙煎日など)とコーヒー豆の焙煎プロファイルと使っているコーヒー生豆の生い立ちを、提供先に全面的に開示することができます。

喫茶店・カフェ・レストラン・ホテル・高級料理店が、ロースターの焙煎スケジュールを知ることができれば、必要な時に新鮮な焙煎コーヒー豆を手に入れることができて、一番美味しくなる時期の焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れることができます。

また、原料に使っているコーヒー生豆の生い立ちと焙煎プロファイルを知ることができれば、焙煎コーヒー豆の品質を評価してお客さんに説明することができます。

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(3)認証を受けた焙煎コーヒー豆

喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルは、焙煎コーヒー豆業務卸ロースターの選択にあたって、ブランド・価値観も選択の基準になって来るような気がします。

近年、持続可能性と社会的倫理的なビジネス慣行を意識する消費者が増えています。

コーヒー消費者も、その例外ではありません。

フェアトレードコーヒー(公正取引のコーヒー生豆)や環境保護団体の認証を受けたコーヒー生豆が注目されています。

喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルが、これらのコーヒー生豆を使った焙煎コーヒー豆を供給できる焙煎コーヒー豆業務卸ロースターを探すのは理に適っていると思います。

街角のコーヒー豆自家焙煎店が、フェアトレードコーヒーやJAS有機認証やレインフォレストアライアンス認証を受けるのは資金的に無理ですから、そのタイプの焙煎コーヒー豆を供給できるのは、大手・中堅の焙煎コーヒー豆業務卸ロースターだけとなって選択肢が限られます。

認証コーヒーの欠点は、焙煎コーヒー豆の原料に認証コーヒーの生豆を使っていても、製造設備が認証団体の認証を受けていなければ、その焙煎コーヒー豆が認証コーヒーではなくなることです。

一杯のコーヒーも、同じことになるのかどうか、調べた事が無いので年老いた珈琲豆焙煎屋には分かりませんが、自家焙煎コーヒー豆の販売については、そのような縛りが存在しています。

 

焙煎コーヒー豆業務卸ロースターの探し方

喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルが、RA(レインフォレストアライアンス)認証・フェアトレード認証・JAS有機栽培認証などの認証を持っているという事だけで、焙煎コーヒー豆調達先を選択するとは思えません。(そのような選択をしているなら、それはコーヒーを知らない馬鹿げた選択です。)

コーヒー関連機器の供給・メンテナンス、スタッフのトレーニング、配達、焙煎コーヒー豆の品質などなど、多くの要因を考慮して焙煎コーヒー豆調達先を選択しているはずです。

喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルの焙煎コーヒー豆調達先探しは、焙煎コーヒー豆業務卸ロースターのウェブサイト訪問から始まります。

ですから、焙煎コーヒー豆業務卸ロースターは、自社あるいは自店のウェブサイト内にできるだけ多くの情報を掲載する必要があると思います。もちろん、問い合わせのページ作成は必須だと思います。

また、焙煎コーヒー豆業務卸ロースター側は、対面訪問にも柔軟に対応する必要があると思います。

コーヒー豆自家焙煎店の大半は、自家焙煎コーヒー豆小売と喫茶店を併設していて、対面訪問をしてもらいやすくなっています。

 

調達先にコーヒー豆自家焙煎店を利用する利点

地域の喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルが、焙煎コーヒー豆調達先に地元のコーヒー豆自家焙煎店を利用する利点は色々ありますが、その最大の利点は、地産地消だと考えます。

地元のコーヒー豆自家焙煎店は、店の近くに立地してコーヒー豆を自家焙煎しているわけですから、焙煎してからそれほど日にちの経過していない鮮度の良い自家焙煎コーヒー豆を納入できます。

地産地消ですから、鮮度の良い高品質のコーヒーをお客さんに提供できます。

もちろん、調達する焙煎コーヒー豆の銘柄・品質・煎り具合・焙煎日なども、丁寧なすり合わせが可能です。

地域のコーヒー豆自家焙煎店は、その地域に立地している喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルの近くで商売をしています。

また、商売規模が小さいので、1回に注文する最小注文量(金額)も必要以上に大きくする必要がありません。必要な量だけを仕入れることができます。

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何故、エカワ珈琲店は自家焙煎コーヒー豆業務卸が出来ないのか、その理由は簡単です

地域で商売をしている喫茶店・カフェ・レストラン・高級料理店・ホテルの焙煎コーヒー豆調達先として一番適しているのは、仕入れ価格が少し割高になると思いますが、地域のコーヒー豆自家焙煎店だと、30年の珈琲商売経験を持つ年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。(2021年12月現在の考え方ですが)

そのように考えているのに、何故、エカワ珈琲店は自家焙煎コーヒー豆業務卸が出来ないのかというと、その理由は簡単です。

エカワ珈琲店は、セミリタイア商売のコーヒー豆自家焙煎店だからです。

エカワ珈琲店は、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦2人だけで気ままな商売をしている零細生業パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店ですから、それに年老いた珈琲豆焙煎屋は70歳の高齢ですから、商売の持続可能性がありません。

年金だけでは食べて行けないので、足らずを「趣味と実益と生き甲斐」を兼ねてコーヒー豆自家焙煎店商売で補っているわけですから、営業方針も思い付きでころころ変わります。そんなこんなで、業務卸先との信頼関係構築はまず無理です。

ようするに、エカワ珈琲店には「事業欲」がありません。「事業欲」がなければ、自家焙煎コーヒー豆業務卸は成り立ちません。業務卸先に迷惑をかけるだけです。

ということで、エカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆の小売専門店に徹しています。

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