年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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あるコーヒー豆自家焙煎店の失敗の研究【喫茶・レストラン向け焙煎コーヒー豆業務卸サービス編】

コーヒー豆自家焙煎店と言っても、最大で5kgのコーヒー生豆を焙煎可能な小型業務用コーヒー豆焙煎機を据え付けてコーヒー豆を自家焙煎していれば、立派なコーヒー豆焙煎事業者(ロースター)だと思います。

コーヒー豆焙煎事業を軌道に乗せて成長して行くには、安定した焙煎コーヒー豆業務卸先の確保は必要不可欠です。この事は、今も昔も変わっていないと思います。

エカワ珈琲店は、安定した自家焙煎コーヒー豆の業務卸先(ビジネスパートナー)確保にことごとく失敗したので、資金繰りに追われる商売を今まで続けだる得なかったわけです。

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クイックナビゲーション

 

焙煎コーヒー豆業務卸の軌跡 | 昭和の焙煎コーヒー豆業務卸の商環境

商品を商品棚に並べて置けば売れたのは昭和の頃の話で、その頃の商売は、需要が豊富に存在していたわけですから、設備投資する資金があれば成長できたと解釈しています。

ですから、安定的に需要が増加していた昭和の頃の珈琲商売は、21世紀のコーヒー豆自家焙煎店から見れば商環境が全く異なっているわけですから、相当に楽な商売だったように見えます。

20世紀の珈琲豆焙煎屋(業務卸専門のロースター)は、焙煎能力を増やして、人的資源に投資して、できるだけ供給コストを下げる努力をすれば、焙煎コーヒー豆に対する需要が増え続けているわけですから、 珈琲豆焙煎屋さんによってスピードやスケールが違っても、皆で一緒に成長することができたはずだと考えています。

昭和から平成に年号が変わる数年前くらいまでは、お得意様である街の喫茶店の店舗数が増え続けていて、焙煎コーヒー豆の業務卸需要も増え続けていたわけですから。

 

焙煎コーヒー豆業務卸の軌跡 | 1990年代の焙煎コーヒー豆業務卸の商環境

1990年代になると、街の喫茶店の店舗数減少が始まります。自家焙煎コーヒー豆小売店に商売替えして、焙煎コーヒー豆業務卸専門のロースター(コーヒー豆焙煎事業会社)と競合する喫茶店も現れます。

街の喫茶店向け焙煎コーヒー豆業務卸需要は、1990年代に縮小を開始したのだと思います。

その縮小分を補ったのが、オフィスコーヒー向け焙煎コーヒー豆業務卸需要だったと考えています。

 

焙煎コーヒー豆業務卸事業者の寡占化

増え続けている業務卸向け焙煎コーヒー豆需要の一部を確保するのと、すでに存在している業務卸向け焙煎コーヒー豆需要を他の珈琲豆焙煎屋さん(ロースターや自家焙煎店)から奪い取るのとでは、その難易度が違います。

需要を奪い取るには、相当な企業体力が必要です。

ということで、業務卸向け焙煎コーヒー豆需要は、大手・中堅珈琲企業による寡占化が進行して行きます。

2000年代の珈琲業界は、大手・中堅珈琲企業の寡占化が急速に進行した時期だと思います。

 

焙煎コーヒー豆業務卸という安定した収益基盤があれば

1989年の夏、地方都市の街中の小さな喫茶店から自家焙煎コーヒー豆小売専門店に衣替えしたエカワ珈琲店は、山あり谷ありでしたが、2000年頃までそれなりに成長を続けていました。

エカワ珈琲店の始まりは、事業所(オフィス)への焙煎コーヒー豆の配達からでした。1990年代の終わり頃には、事業所(オフィス)向け焙煎コーヒー豆の配達で安定的な収益基盤が確保されていました。

ですから、焙煎コーヒー豆店舗販売では、余裕を持ってゆっくりとしたペースで店舗顧客を増やして行くことができました。2002年頃には、店舗小売りだけでも、十分に儲けられるところまで来ていました。

2000年頃までの業績は順風満帆で、昔の中央商店街の旦那さんの生活とは行きませんが、昔の個人商店(地域商店街)の「おやっさん」的な生活を満喫していました。

 

焙煎コーヒー豆業務卸先を失ってしまった結果 

ある日突然、都会から、大手のオフィスコーヒー専門会社が進出して来て、瞬く間に、お得意さんだった事業所(オフィス)の焙煎コーヒー豆需要を奪って行きました。

安定した収益基盤が、ある日突然、崩壊してしまったわけです。そして、貧乏な生活へと坂道を一直線に転がり落ちて行くことになります。

順調に推移していた自家焙煎コーヒー豆の店舗小売も、「底辺への競争」的商売が得意で豊富な資金力を持っている強力なライバルが近所に出現して、2002年の秋から、急勾配の下降線を描き始めました。

急勾配の下降線は数年続いて、廃業して夜逃げする一歩手前まで追い詰められました。

 

小さなコーヒー豆自家焙煎店が底辺への競争を挑んでも

エカワ珈琲店の商法は、「薄利多売、人の倍働く」に代表される「底辺への競争」的な商法でした。

そして、予期せぬ急激な売上減少に対して採用した戦法は、「底辺への競争」の強化でした。

店舗や設備に投資せず、家族(パパママ)労働の人件費は無視して、焙煎コーヒー豆の低価格販売で販売量と売上を確保しようとしたわけです。

パパママ店規模の零細なコーヒー豆自家焙煎店が、大手・中堅珈琲企業と同じ土俵で戦って、寡占化の時代に生き残って行けるはずがありません。

当然、貧乏への道を一直線で走って行くことになります。

それでも生き残ってこれたのは、路頭に迷う一歩手前で、「破れかぶれ、もうどうにでもなれ」という気持ちになって、「底辺への競争」に愛想つかしをしたからだと思っています。

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現在のエカワ珈琲店です。

大手・中堅珈琲企業とは、全く異なった商品を全く異なった手法で商っているつもりです。

大量生産・大量販売(消費)でなくて、少量生産・少量販売(消費)のビジネスを展開しています。

スペシャリティーコーヒー生豆を原料とした自家焙煎コーヒー豆を売っていて、それなりの値段を頂戴していて、かつてのディスカウント(薄利多売)商売とはほぼ縁を切っています。

オフィスコーヒーサービスや喫茶店・レストランなどへの、自家焙煎コーヒー豆業務卸には興味が無くなっています。(観察の対象としては興味を持っていますが・・・)

儲けてはいませんが、何とか食べて行けます。

エカワ珈琲店の店主である年老いた珈琲豆焙煎屋は70歳という高齢で、それだけでは食べて行けませんが公的年金(主に国民年金)を受給しています。

ですから、自家焙煎コーヒー豆業務卸(ビジネスパートナー)の確保を無視しても何とか食べて行けますが、その収入が無ければ、自家焙煎コーヒー豆小売商売だけで現在の生活を維持するのは難しいと考えています。

 

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