客席や営業時間が決まっているわけですから、提供できるカップコーヒーの杯数には限度があります。それに、店舗が繁盛すれば、少ない人数で運営することができなくなるので、人件費コストが増大します。
店舗への来客数は、天候など、様々な事情に左右されますから、必ず、多い少ないのデコボコが発生します。そして、来客数の多い日も、来客数の少ない日も、店舗の運営に要するコストは同じくらい必要です。
カップコーヒーのテイクアウトやコーヒーのポットサービスも、待ちの商売という面では同じだと思います。しかし、自家焙煎コーヒー豆は、攻めの商売も可能な商品です。
ということで、独立系の喫茶店・カフェが、コーヒー豆を自家焙煎することのメリットを幾つか書き出してみました。
クイックナビゲーション
珈琲への思い入れが強くなる
コーヒー生豆を仕入れて、コーヒー豆を自家焙煎して、その自家焙煎したコーヒー豆を使ってコーヒーを淹れるわけですから、仕入れた焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れるよりも、数段、珈琲に対する思い入れが強くなると思います。
カフェ・喫茶店ビジネスは、店舗というハードウェアーとコーヒーの淹れ方や接客、それにマーケティングというソフトウェアーから成り立っていると考えています。
珈琲に対する思い入れの強さは、強力なソフトウェアーの獲得を意味しています。
焙煎コーヒー豆の家庭需要
現在(2020年)、焙煎コーヒー豆家庭需要の大半は、食品スーパー・コンビニエンスストアーやショッピングセンター内の焙煎コーヒー豆小売店舗などの流通ルートを確保している、大手・中堅コーヒー企業によって供給されています。
焙煎コーヒー豆家庭需要の供給元として、コーヒー豆自家焙煎店の占める割合はごく僅かなパーセンテージだと推測しています。
30年くらい前、1990年前後には、焙煎コーヒー豆家庭需要の供給に占めるコーヒー豆自家焙煎店の割合は、現在(2020年)よりは相当に高かったわけですから、「煎りたて、新鮮」を前面に出すマーケティングなどを駆使すれば、コーヒー豆自家焙煎店にとっては、焙煎コーヒー豆家庭需要は将来に期待が持てる市場だと思います。
喫茶・カフェ営業を自家焙煎コーヒー豆の販促に利用できる
コーヒー豆を自家焙煎することで、カップコーヒーの原価を半分以下にすることができます。しかし、カップコーヒーの原価率を考えれば、それがメリットとは思えません。
自家焙煎コーヒー豆を売ることで、喫茶・カフェ営業ブラスアルファーの収入を得ることができます。それが、最大のメリットだと思います。
自家焙煎コーヒー豆の販促手段として、喫茶・カフェ営業を利用するのが賢明だと思います。
年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が営んでいるエカワ珈琲店は役所の近くに立地していて、1990年代に喫茶店と自家焙煎コーヒー豆小売販売を兼営していたことがあります。その時期、役所関係への焙煎コーヒー豆配達販売が急伸しました。
その後、喫茶営業を取りやめて自家焙煎コーヒー豆小売業務に専念するようになってから、徐々に、役所関係への焙煎コーヒー豆販売量は減少して行きました。
コーヒー豆自家焙煎はマーケティング
喫茶店ブーム曲線が下降線を描き始めた1980年代、コーヒー豆を自家焙煎する喫茶店には、珍しさも相まってお客さんが集まってきました。
当時、個人経営の喫茶店最強のマーケティングは、コーヒー豆の自家焙煎でした。
30年前と比べると、現在(2020年)の喫茶店・カフェのコーヒー豆自家焙煎は、それほどの集客力を有していないかもしれませんが、コーヒー豆自家焙煎=マーケィングであることは変わっていないと思います。
仕事が楽しくなります
コーヒーが好きでカフェ・喫茶店を営んでいるのなら、コーヒー豆の自家焙煎を始めることで、一層、カフェ・喫茶店の仕事が面白くなるはずです。
コーヒー生豆を仕入れて、コーヒー豆を焙煎して、その自家焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れるという一連の作業をこなして行くことで、一層、コーヒービジネスを面白く感じるようになるはずです。
この一連の作業は、間違いなくゴールの無い職人仕事だと思いますから、 尽きることの無い好奇心を搔き立ててくれるはずです。
参考までに
小型生産用コーヒー豆焙煎機を使ってのコーヒー豆自家焙煎に興味があるなら、 下のリンク先ページの記事が役に立つかもしれません。(note に投稿している有料公開記事ですが)