アメリカで発生したローカルフードムーブメントは、正規の流通ルートから排除された小規模農家が開催した朝市から始まりました。
大量生産、大量消費の市場から排除された(競争に負けた)小規模な生産者や加工業者は、食べて行くために、新しい流通ルートとして朝市や直売所(通信販売を含む)を開設・利用するようになりました。
それが、地産地消運動となって広がって行って、先駆け的な経営をしているレストランやカフェが仕入れるようになったと言われています。
そのローカルフードムーブメントの波が、じわりじわりと日本にも到達しつつあるようです。
レストラン・カフェ・喫茶店ビジネスは、基本的に地域密着型ビジネスです。そのレストラン・カフェ・喫茶店が、メニューにローカルフード(地元の食材)を採用することのメリットについて考えてみました。
クイックナビゲーション
(1)地元の食材 | ローカルフードは新鮮です
例えば、コーヒーを淹れるのに使う焙煎コーヒー豆です。
地元のコーヒー豆自家焙煎店は、小型の業務用コーヒー豆焙煎機を使って煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆を短い流通ルート(直接取引)で供給しています。そして、少量生産・少量販売の営業形態ですから、100g単位の自家焙煎コーヒー豆を必要な量だけ供給しています。
しかし、自動化された最新の焙煎工場で大量生産される焙煎コーヒー豆は、生産→保存→流通→保管→納入の過程を経ています。販売形態も、キログラム単位です。
どちらが新鮮かと言うと、地元のコーヒー豆自家焙煎店の自家焙煎コーヒー豆(ローカルフード)だと考えるのが妥当だと思います。
ただし、購入価格は高くなって付帯サービスは無くなるというデメリットがあります。
(2)地元の食材 | ローカルフードは環境にやさしい
地元で収穫・採取・製造される食材は、基本的に環境に優しい食材です。理由は、ローカルフードの流通ルートが短いからです。流通ルートが短いということは、二酸化炭素の排出量が少なくなるわけですから。
(3)地元の食材 | ローカルフードは、賞味期限を長くする必要がありません
短期間での納入・消費を前提とするローカルフード(地元で収穫・採取・製造される食材)は、長期間の保管・保存を考える必要がありません。
賞味期限を長くする必要が無いので、食材をより自然に近いカタチで納入・消費できます。
(4)地元の食材 | ローカルフードのメニュー採用は、地域経済に役立つ
地元のコーヒー豆自家焙煎店から自家焙煎コーヒー豆を仕入れると、その仕入れに使ったお金は自分たちのコミュニティーに帰ってきます。
それが、1人当たりの所得の増加をもたらして、地域経済の潜在力を高くして幸せな消費者を増加させます。幸せな消費者が増えれば、消費が活発になります。
(5)地元の食材 | ローカルフードをメニューに採用すると、注目度がアップする
地元の食材/ローカルフードをメニューに採用することで、、地元の消費者にアピールできて注目が集まるかもしれません。理由は、お客さんの飲食経験に一つの物語を提供できるから。
(6)地元の食材 | ローカルフードは、メニューに季節感を与えてくれます
例えば、地元の農家は、その季節に収穫できる食材しか供給できません。ですから、季節ごとにメニューを入れ替える必要があります。
ということで、季節が変わればメニューも変わります。
(7)地元の食材 | ローカルフードは観光客にアピールする
例えば、和歌山市の観光地で、神戸コーヒーの看板がかかっている喫茶室を持つ旅館があったとしたら、ほとんどの観光客は興ざめると思います。
観光客は、地元の食材で作ったユニークな食事体験を求めているはずですから・・・。
地元の食材で作った商品を求めるのは地元の消費者だけではありません。
(8)地元の食材 | ローカルフードはお金を稼いでくれる
地元の食材を調達すると割高になると思っているかもれません。それは、見た目が割高になっているだけだと思います。調達した食材の品質を考慮する必要があります
普通、供給ルートが短いということは、流通に要する費用分だけ食材が安くなっていることを意味します。
また、多くの消費者は、ローカルフードにより多くのお金を支払う意思を持っている可能性もあるわけです。