街で飲む(家庭の外で飲む)コーヒーの消費量が増え続けていたのが、2010年代の珈琲市場だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
2020年2月、新型コロナウィルス感染症という脅威が突然出現して、巷の外食産業に壊滅的な打撃を与えています。当然、家庭の外で飲むコーヒー(オフィスコーヒーサービスを含めて)の需要は大幅に減少してしまいました。
その代わり、家庭で飲むコーヒーの消費量は大幅に増げんしょう加していて、大手・中堅コーヒー企業は、外食店向け業務卸の急減少した分を、それで補って余りあるという話も聞こえてきます。
スーパー・量販店・生協での焙煎コーヒー豆販売量、通信販売での焙煎コーヒー豆販売量が増加しているわけですから、家庭向けコーヒー需要の流通ルートを通じての焙煎コーヒー豆の販売量・売上は大幅に増加していると推測できます。
しかし、ロースターと呼ばれている外食需要・オフィス需要への依存度が高い中小コーヒー会社やコーヒー豆自家焙煎店(喫茶部門の比率が高い店)の場合、売上・販売量が大幅に減少している可能性が高いと想像しています。
アメリカでは、スペシャリティーコーヒーを取り扱っているサードウェーブコーヒーに属する珈琲豆焙煎屋が、新型コロナウィルス感染症のマイナス影響を受けて苦戦をしているようです。
アメリカのサードウェーブコーヒーに属する珈琲屋さんは、家庭の外で飲むコーヒー消費の依存度が高いのだと思います。
コーヒーのデリバリーやテイクアウト、自家焙煎コーヒー豆の通信販売だけでなくて、コミュニティーに各種サービスを提供するカテゴリーミックス(複業)に活路を求めているという話が聞こえてきます。
2019年までは街で飲む(家庭の外で飲む)コーヒー消費が増え続けていたわけですが、2020年2月からは、街で飲む(家庭の外で飲む)コーヒー消費が急減して、家庭でのコーヒー消費が増え続けているわけです。コーヒー消費の流れが、新型コロナウィルス感染症の影響で変化してしまったのだと思います。
様々な歴史的苦難を乗り越えて来たコーヒーですから、コーヒーには相当に強力な回復力が備わっているはずだと思います。
ですから、新型コロナウィルス感染症の影響でコーヒー消費が減少・消滅するとは考えられません。その消費形態が変化するだけだと思います。
街中の小さなコーヒー豆自家焙煎店ですが、新型コロナウィルス感染症の影響で大きく売上を減らしている店が多いと思います。
しかし、コーヒーには強力な回復力も備わっています。特に、コーヒー豆自家焙煎店は、煎りたて新鮮な自家焙煎コーヒー豆を地域(ローカル)に提供するビジネスが基本ですから、焙煎コーヒー豆業務卸が中心のロースターと比べると、その回復力は相当に強いはずです。
おそらく、巷のコーヒー豆自家焙煎店は、コーヒーの出前、テイクアウトコーヒーの販売、自家焙煎コーヒー豆を他の食品とセットで販売する、自家焙煎コーヒー豆の通信販売・宅配などなど、ローカル(地域密着)とコーヒーコミュニティーに様々なサービスを提供するカテゴリーミックス(複業)ビジネスを開拓することで生き残って行くはずだと確信しています。
街中のカフェ・喫茶店で飲むコーヒーは、手頃な価格の贅沢品として人気があったわけですから、家で飲むコーヒーも、手頃な価格の贅沢品として供給するビジネスを目指そうと考えている年老いた珈琲豆焙煎屋の今日この頃です。