コロンビアは世界有数のコーヒー豆生産国で、高品質のアラビカコーヒー豆を生産することで知られています。コーヒー豆生産地域の中で、最も有名な生産地域の一つです。
理想的な栽培条件と精製処理方法が、素晴らしいフレーバープロファイルを持つコーヒー豆を作り出すと言われています。また、コロンビアのコーヒー豆生産農家は、コロンビアコーヒー生産者連合(FNC)による懇切丁寧なサポートを受けています。
そして、高地であるコーヒーノキ栽培地域の火山灰土壌と、最高品質のアラビカ種のみを栽培するというこだわりが、コロンビアコーヒー豆は高品質という名声を作り上げて来たのだと思います。
クイックナビゲーション
コロンビアのコーヒー産業
コーヒー豆の生産が、コロンビア経済を支えているとも言われています。50数万のコーヒー豆生産農家と約300万人の人々が、直接もしくは間接的に日々の収入をコーヒー産業から得ています。
そして、コロンビアコーヒー生産者連合(FNC)が、こうした人々の利益を代表する組織として存在しています。
コロンビアは、ブラジル、ベトナムに次いで世界第3位のコーヒー豆生産国で、世界全体のコーヒー豆生産量の約12%を生産しています。
コロンビア国内のほとんどの地域でコーヒーノキが栽培されていて、年間の平均生産量は1200万袋(1袋が60~70kg)と言われています。
コロンビアコーヒー生産者連合(FNC)
コーヒー生産者の利益を代表する組織として1927年に設立したのが、FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)です。
50数万人のコーヒー農家を代表する組織で、世界有数の規模を持つ農業関連NGOで、コーヒー輸出団体で、コーヒー生産者と共に、高品質なコーヒー豆の安定生産と生産農家のより良い生活実現を目指す活動をしていると言われています。
アムステルダム、東京、北京、ニューヨークの4都市に拠点を設けて、国際市場での取引や消費促進活動も行っているようです。
ちなみに、コロンビアコーヒーのキャンペーンで有名なファン・パルデスのキャラクターは、1959年に作成されています。
コロンビアコーヒーの産地
日本の約3倍の面積を持つ国土は、南北に広がり、地域によって標高の差が大きく、年間を通してコーヒーの収穫が可能だと言われています。
コロンビアには、北部地方、中部地方、南部地方と、3つの個性あふれるコーヒー豆生産地域があります。
北部地方
マグダレナ、カサナレ、サンタンデール、ノルテ・デ・サンタンデール
標高が低くて、気温もやや高めの環境でコーヒーノキが栽培されています。柔らかな酸味(orやや酸味が少ない)と豊かなボディーが特徴。
中部地方
カルダス、キンディオ、リサラルダ、ノルテ・デ・ヴァジェ、アンティオキア、クンディナマルカ、ノルテ・デ・トリマ
年間を通じて新鮮なコーヒー豆の収穫が可能だと言われています。メインの収穫期は9月~12月、サブが4月~6月です。中程度の酸味と中程度の香りが特徴。
南部地方
ナリーニョ、カウカ、ウイラ、スール・デ・トリマ
赤道に近いので、標高が高く気温の低い環境でコーヒーノキが栽培されています。豊富な酸味と中程度のボディー、柑橘系の甘い香りとまろやかな味が特徴。
コロンビアコーヒーの栽培環境
その国土の全てが北回帰線と南回帰線の狭間にあって、熱帯に位置しているのですが、気候はアンデス山脈の高度によって変わるそうです。それが、自然環境の多様性ももたらしていると言われています。
コーヒーノキは、標高900m~2000mの地域で栽培されています。この地域の年間降水量は1500mm~3000mm、年間平均気温は17度~24度となっています。
高地では気温が低いのでコーヒー果実はゆっくりと育ち、昼夜の気温差が大きいので、そのストレスが糖分の生成を促すと言われています。そして、その糖分はコーヒーの酸味のもととなると同時に甘味も強くすると考えられています。
標高の高いところの土壌は、栄養価が高く水はけのよい火山灰性土壌を多く含み、火山灰に含まれる硫黄が果実の実を形成する段階でコーヒーの香りのもとになるとも言われています。
コロンビアコーヒーの特徴
コロンビアコーヒー豆は、焙煎度合が深くなっても必要以上に苦味が強くならないと言われています。ですから、コロンビア産コーヒー豆は、エスプレッソコーヒー用に最適だとも言われています。
コロンビアで栽培されているコーヒーノキの種類は、ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、マラゴジッペ、タビ(tabi)、バリエダコロンビア、カスティージョの7つのアラビカ種です。
中程度の酸味~高い酸味のコーヒー豆があって、優しくて(穏やかでorマイルドで)バランスの取れた風味を持っているようです。様々なコーヒー豆との相性も良いということで、ブラジルコーヒーやグァテマラコーヒーと並んでブレンドには欠かせない存在だと言われています。
コロンビア産コーヒー豆は、その良質な栽培条件や精製加工方法のおかげで独特の風味を持っているように思います。
アラビカ種のコーヒー豆は、赤道付近の国で、年間を通じて一定の日射量と温暖な気候を持つ地域での栽培が一番適しているとも言われています。コロンビアコーヒーの産地は、その栽培条件を満たしています。
コロンビアコーヒーの生産
コロンビアのアラビカ豆は、コーヒー果実からコーヒー豆を取り出す果肉除去の工程や水洗いの工程で、コロンビアコーヒー生産者連合/FNCの研究所が開発したエコロジーな新しい技術を使って最小限の水で処理しているとのことです。
この新しい技術は、豊かな明るい酸を持つコロンビアコーヒーに適していると言われています。また、取り除かれた果肉などは有機肥料として利用されているようです。
コロンビアのコーヒー生産農家の大半が小規模農家で、農地は高い山の中腹の急斜面に立地しているわけですから、財政的にも地形的にも最新の機械を導入してのコーヒー果実収穫は不可能です。ですから、手摘みで丁寧にコーヒー果実を摘んで行くわけですが、この非効率な摘み方が高品質のコーヒー豆を生み出しているとも言われています。
コロンビアコーヒーのフレーバープロファイル
コロンビアのコーヒーノキ栽培地域ですが、様々な栽培地域で様々な種類のコーヒーノキが栽培されています。そして、それぞれの栽培地域、それぞれのコーヒーノキの種類は、それぞれに特定のフレーバーを持っています。
ですから、コロンビアコーヒー全体に特有なフレーバープロファイルを特定するのには無理があるようです。
無理をして、コロンビアコーヒーのフレーバープロファイルを大雑把に表現すれば、次のようになるのかもしれません。
口触りの良いなめらかなボディーと心地良くて切れのある豊かな酸味、そして香味のバランスの素晴らしさ、それがコロンビアコーヒーの大雑把なフレーバープロファイルだと考えます。
また、コロンビアコーヒーは、一般的に豊かな酸味を持っているとされていますが、これはコーヒーノキの比較的に気温の低い高地で栽培されているという栽培条件が関係していると言われています。
特に、標高よりも気温が関係していて、より低い気温の環境下で育ったコーヒー果実は、よりゆっくりと成熟して行くので、より複雑なフレーバーを持つようになるとも言われています。
コロンビアコーヒー豆の焙煎
コロンビアのコーヒー豆は、どのような焙煎度合に焙煎しても、その焙煎度合に応じた、まろやかな風味と滑らかな口当たりを作り出すことができると言われています。
浅煎り (ライトロースト)
柑橘系のフルーツの豊かな酸味とフルーティーな香り、紅茶のような味わいを持つコーヒーを味わえます。酸性度の高いコーヒーが出来上がります。
中煎り~深煎り(ミディアム~ダークロースト)
浅煎りの焙煎コーヒー豆よりもはっきりとした風味があって、香りも豊かになっています。柑橘系の豊かでフルーティーな酸味は穏やかになっていて、ほろ苦さも出て来ています。
コロンビアコーヒー豆に最も適している煎り具合は、この段階の焙煎度だと考えています。
深煎り(ダークロースト)
あまりにも深煎りの焙煎度合になると、その焙煎コーヒー豆を使って淹れたコーヒーを飲むと、苦くて、スモーキーな焼けた味を感じたりします。そして、コロンビアコーヒーの特徴であるマイルドな酸味とは縁の無い、酸性度の低いコーヒーが出来上がります。
コロンビアコーヒー焙煎豆の淹れ方
高品質のコロンビアコーヒーの特徴を最大限に表現できる煎り具合は、中煎りのやや深めの煎り具合だと考えています。そして、この煎り具合に適したコーヒーの淹れ方は、ペーパーフィルターを使って淹れるハンドドリップorマシーンドリップ(ドリップ式コーヒーメーカー)だと考えます。
少々雑味を感じても口当たりの良い豊かなボディーと豊かな風味を求めるなら、エアロプレスやフレンチプレスで淹れるコーヒーが向いているかもしれません。
やや深煎り~深煎り(ウィーンロヘストくらいまで)の煎り具合は、エスプレッソマシーンで淹れるコーヒーに向いています。
嫌味な苦味が無くて、心地良くて切れの良い酸味も残っているエスプレッソコーヒーが出来上がると思います。酸味を持つエスプレッソコーヒーは、ミルクとの相性が良くなります。
ちなみに、布フィルターを使うハンドドリップも、この焙煎度合(煎り具合)が適していると思います。布フィルターの場合、より多くの甘味を引き出すことができて、油脂分は布フィルターに吸い取られるので、それほどボディーは重たくならないと考えます。
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