年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

コーヒー情報記事を専門にエントリーしているブログです。年老いた珈琲豆焙煎屋の稼ぎ頭のブログです。

アバウトコーヒー101 | What is Coffee

年老いた珈琲豆焙煎屋は、地方都市の和歌山市で小さなコーヒー豆自家焙煎店を夫婦2人だけで営んでいます。

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零細生業パパママ店の高齢の店主が、お客さんを前にして「コーヒーについてのあれこれ」を大雑把に説明するならという前提でまとめた簡単なコーヒーのお話です。

 

キンドル出版した電子書籍「エカワ珈琲店の珈琲ダイジェスト」第1章コーヒーの歴史と第2章コーヒーの知識は、このブログ記事が基礎となっています。キンドルアンリミテッドで取り扱ってもらうために、文章を付け足したり表現の仕方を少し変えたりしていますが・・・。

 

 

クイックナビゲーション

 

コーヒーの歴史

世界で一番人気のある嗜好飲料はコーヒーです。コーヒーが世界で一番人気のある嗜好飲料になるまでの歴史を簡単に振り返ってみます。

(1)コーヒーの伝説

そのコーヒーの歴史は、エチオピア・アビシニア高原での、ヤギとヤギ飼い人カルディーと僧院の僧侶による発見伝説から始まります。

コーヒーノキに成る赤い果実をヤギが食べると、興奮して騒ぎ夜も眠らない状態になっているのにヤギ飼い人のカルディーが気づいて、それがきっかけでコーヒーの飲用が始まったとする伝説です。

アラビア半島で始まったという伝説(オマールと小鳥の伝説)もありますが、コーヒーの故郷がエチオピアということで、カルディーの発見伝説の方がよく知られています。

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(2)アラビア半島への伝播

その後、コーヒーは、エチオピアからアラビア半島のイエメンに伝わります。

コーヒーの栽培と商取引はアラビア半島で始まって、16世紀には、ペルシャ、エジブト、シリア、トルコへとコーヒー飲用が広がって行きました。

その担い手は、街のコーヒーハウスだったと年老いた珈琲豆焙煎屋は想像しています。

17世紀になると、イスラム教徒の飲み物であったコーヒーが、ローマ法王の洗礼を受けてヨーロッパ中に広がって行きます。

(3)ヨーロッパへの伝播

コーヒーハウスは、イタリア、イギリス、ドイツ、オランダの主要都市で急速に社会活動の中心地となって行きました。

1650年、イギリス・ロンドンで最初のコーヒーハウスが開店して、その後、ロンドン中にコーヒーハウスが登場して来ます。

当時のロンドンのコーヒーハウスは、1ペニー支払えば大学のように色々な知識を学べるところから、ペニー大学とも呼ばれていました。

また、海運関係者が集うコーヒーハウスから、ロイズ保険取引所が生まれました。

(4)アメリカへの伝播

アメリカ合衆国の植民地時代、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアと、アメリカ各地にコーヒーハウスが作られて行きます。

1773年、ボストン茶会事件が起こって、これを契機として、アメリカの人たちは、お茶よりもコーヒーを飲むようになったとも言われています。

(5)コーヒーが世界的な商品に

1800年代後半、コーヒーは世界的な商品となっていて、起業家たちは、コーヒーで利益を得る方法を探し始めます。

1864年、ピッツバーグ出身の兄弟が、ニューヨークの焙煎工場で大量生産して紙袋に詰めた焙煎コーヒー豆の販売を開始しました。

1901年、商用エスプレッソマシーンの特許が取得されました。

1938年、スイスでネスカフェの販売が開始されました。

(6)日本への伝播

日本では、1900年代中頃まで、コーヒーは喫茶店に集まる人々の飲み物でした。

2021年の現在では、家庭で喫茶店で職場で街角で、誰もが飲んでいる飲み物になっています。

 

What is Coffee

一杯のコーヒーの原料は、焙煎コーヒー豆です。その焙煎コーヒー豆の原料は、コーヒー生豆です。

コーヒー生豆は、コーヒーベルトと呼ばれている赤道を挟んだ南北回帰線の範囲内、熱帯地域で生育するコーヒーノキに成る果実の種子です。

その果実から種子を取り出して精製処理すれば、交易商品としてのコーヒー豆(生豆)が出来上がります。コーヒー豆(生豆)は、生産地からコーヒー消費地に輸出されます。

コーヒー消費地に到着したコーヒー豆(生豆)は、コーヒー豆焙煎事業者の手で焙煎されて焙煎コーヒー豆となります。

その焙煎コーヒー豆を使って、一杯のコーヒーが淹れられています。

(1)コーヒーノキ

コーヒー豆(生豆)は、アカネ科に属するコーヒーノキという名前の植物の種子で、その原産地はエチオピアのアビシニア高原です。

コーヒーノキには25~100くらいの種がありますが、商用で栽培されているのはアラビカ種とロブスタ種の2種だけです。

コーヒーノキは、常緑の熱帯性低木で、種をまいてから収穫するまで3年~5年が必要で、収穫可能期間は約20年と言われています。

コーヒーノキは白い花を咲かせ、果実は最初緑色で成熟すると真っ赤になって、それがサクランボに似ているのでコーヒーチェリーと呼ばれています。

このコーヒーチェリーを収穫して、チェリーの中から種子を取り出して、その種子を精製処理して、焙煎コーヒー豆の原料となるコーヒー豆(生豆)が出来上がります。

コーヒーノキの栽培は、温度や雨量や土壌や日当たりの影響を受けるなど、多くの複雑な要因に依存しています。

一般的に、雨量が比較的に多くて日当たりが良くて肥沃な土壌と穏やかな温度を好むので、その複雑な要件を満たしているコーヒーベルト(Bean Belt)と呼ばれる赤道地帯で栽培されています。

(2)コーヒー生豆

一杯のコーヒーの味の印象は、コーヒーを淹れるのに使っている焙煎コーヒー豆が持っている香味成分に支配されています。

その焙煎コーヒー豆が持っている香成分味は、コーヒー豆の焙煎作業と原料のコーヒー豆(生豆)の影響を受けています。

一般的に消費されているコーヒー豆(生豆)は、アラビカ種とロブスタ種の2種類です。

この2つの種類のコーヒー豆(生豆)は、種類が違うわけですから味も相当に異なっています。

ロブスタ種のコーヒー豆(生豆)は、丸みがあって少し茶色ぽい感じの淡い緑色をしていますが、アラビカ種のコーヒー豆(生豆)は、濃い緑色をしています。

ロブスタ種のコーヒー豆(生豆)には、アラビカ種のコーヒー豆(生豆)の2倍のカフェインが含まれています。

アラビカ種のコーヒー豆(生豆)は、ロブスタ種のコーヒー豆(生豆)と比べると、品質の指標となっている高品質の酸を多く含んでいるので、取引される価格が高くなっています。

(3)世界コーヒー紀行

コーヒー豆(生豆)が、どこで栽培・収穫されたかで、一杯のコーヒーが持つ風味特性が変化します。

ラテン・アメリカや東アフリカの高原地帯、それにインドネシアやパプアニューギニアなどのアジア・太平洋地域で栽培・収穫されるアラビカ種のコーヒー豆(生豆)は、綺麗な酸味を持つ高品質のコーヒー豆(生豆)という評価が成されています。

アフリカのケニアで栽培・収穫されるコーヒー豆は、その栽培環境と特徴的な精製処理方法によって、焙煎コーヒー豆に甘い風味をもたらしています。

ブラジルで栽培・収穫されるコーヒー豆は、酸味が少なくて柔らかい味わいを持っています。

(4)コーヒーの味覚

味覚は、舌の粘膜や口蓋などの口腔全体に分布している味蕾細胞がそれぞれの味に反応して、それぞれの反応を脳の味覚中枢に送り、視覚、触覚、嗅覚、聴覚などの情報と複合されて生まれると言われています。

コーヒーの味は、味覚芽(味蕾)によって知覚される化学成分と鼻(嗅覚)によって知覚される芳香成分が組み合わさって作られています。

コーヒーの味は、甘味、苦味、酸味に加えて香りが重要な要件となっています。

口の中で感じる味の感覚にプラスして鼻(嗅覚)で感じる香りが、脳に伝わって香り・味・食間が融合されて全体的な充実感を作り出しています。

(5)コーヒーの味

コーヒーの心地よい酸味は、高品質のコーヒー豆(生豆)の特徴だとされていて、苦味は、コーヒーの風味に不可欠な存在です。

甘味は、焙煎コーヒー豆の品質にとって欠かせない代物です。

コーヒー豆(生豆)の精製(生産)からコーヒー豆の焙煎、そして焙煎コーヒー豆の熟成保存と、1杯のコーヒーを作り出す全ての段階で丁寧に取り扱われることによって作りだされるのが、コーヒーの甘味だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

コーヒーの酸味・苦み・甘味・香りの性質や量は、コーヒーノキを栽培してコーヒー豆(生豆)を精製生産する地域によって、違ってきます。

地域が異なっていれば栽培条件も気候も異なるわけですから、それがコーヒーの全体的な味・香りに影響して来るのは当然だと思います。

(6)コーヒー豆の焙煎

一杯のコーヒーの味や香りは、コーヒー生豆を焙煎することで作り出されます。

コーヒー生豆を高温で煎る焙煎は、その高温によってコーヒー生豆に含まれている成分に化学変化を引き起こさせる作業です。

目的とする化学変化を達成すれば、すぐにコーヒー豆の焙煎作業を停止して焙煎したコーヒー豆を冷却します。

緑色のコーヒー生豆は石のように固くなっていますが、これを高温で焙煎すると、コーヒー豆に含まれる水分が蒸気となって放出されて、その過程でコーヒー豆の体積が膨張して砕けやすい焙煎コーヒー豆に変身します。

焙煎コーヒー豆の化学変化の達成度は、焙煎度(ローストグレード)という指標で表現されます。

焙煎度(ローストグレード)は、焙煎コーヒー豆表面の色づき具合などを参考として、「浅煎り」・「中煎り」・「中深煎り」・「深煎り」と大雑把に分類しています。

(7)焙煎プロセス

コーヒー豆焙煎プロセスの違いは、コーヒーの風味に大きな違いを作り出します。

コーヒー生豆には12%くらいの水分が含まれていて、その水分が焙煎中にコーヒー豆から放出されて、水分が2%くらいしか含まれていない焙煎コーヒー豆が出来上がります。

この水分が放出される過程でコーヒー豆は物理的に大きく変化します。(膨張します)

焙煎中に発生するカラメル化反応や焙煎によって活発化するメイラード反応などなど、様々な化学反応がコーヒー豆焙煎中に発生します。

コーヒー豆が膨張を開始してからのコーヒー豆内部で発生する化学反応は、焙煎したコーヒー豆の持つ風味に強く関係しています。

ですから、「浅煎り」・「中煎り」・「中深煎り」・「深煎り」と焙煎度(ローストグレード)が違えば、その焙煎コーヒー豆が持つ風味も違ってきます。

(8)コーヒーの抽出(淹れ方)

コーヒーの抽出方法には、色々な方法があります。

また、コーヒーの抽出原理として、「浸漬式抽出法」と「透過式抽出法」が知られています。

サイフォンで淹れるコーヒーやフレンチプレスを使って淹れるコーヒー、浸漬式の水出しコーヒーは、「浸漬式抽出法」に該当します。

ドリップコーヒーやエスプレッソコーヒーは、「透過式抽出法」によるコーヒーの淹れ方です。

家庭でコーヒーを淹れるのには、ドリップコーヒーが向いていると思います。

ドリップコーヒーには、布フィルターを使って手動でコーヒーを抽出する淹れ方、紙フィルターを使って手動でコーヒーを抽出する淹れ方、コーヒーメーカーを使って自動でコーヒーを抽出する淹れ方と、色々な淹れ方があります。

一般的には、コーヒーメーカーで淹れるか、紙フィルターを使って手動でコーヒーを抽出する淹れ方が、家庭でコーヒーを淹れるのに向いていると思います。

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(9)コーヒーと健康

コーヒーは健康に良い効果を与えているか、悪い効果を与えているかと問われれば、年老いた珈琲豆焙煎屋は、良い効果を与えている割合が高いだろうと答えます。

珈琲商売で食べているわけですから、当たり前の回答だと思っています。

コーヒーには、ビタミンB2やB3、カリウム、マグネシウム、様々な抗酸化物質などなど、多くの健康に良いとされている成分が含まれていて、それが、人の健康に良い効果を発揮するという考え方を信じています。

特に、コーヒーを毎日何杯か飲むと2型糖尿病になるリスクが低くなるという研究については、全面的に信じています。

(10)コーヒーの種類

1990年前後、世界中の人々が飲んでいるコーヒーの種類は100種類くらいあって、それぞれのバリュエーションを数えると1000種類くらいになるだろうと言う話を聞いた記憶があります。

それから、30年以上の年月が経過していて、その後も色々な種類のコーヒードリンクが登場して来ています。