年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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アフターミックス焙煎とプレミックス焙煎 | 焙煎コーヒー豆のブレンド方法

焙煎したコーヒー豆を配合すること、あるいは、混ぜ合わせることをブレンドと表現しています。

モカ・ブラジル・コロンビアといった単品のコーヒー豆を、2種類以上混ぜ合わせたものをブレンドコーヒーと呼んでいます。

それぞれのコーヒー豆銘柄は、酸味を特徴とするコーヒー豆、苦味の強い豆、香りの良い豆,中性的な偏りのない豆と、それぞれに特有の風味・特徴をもっています。

それぞれのコーヒー豆が持っている特有の風味・特徴を活かしながら、それぞれのコーヒー豆の持たないものを補いながら、単品銘柄のコーヒー豆を超えるバランスの取れた豊潤な香味を創り出すのが、自家焙煎コーヒー豆ブレンドの妙技だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

2種類以上のコーヒー豆を生豆の段階で配合して、一緒に焙煎するプレミックス焙煎(混合焙煎)によるブレンド方法と、幾つかの銘柄の焙煎したコーヒー豆を配合するアフターミックス焙煎(単品焙煎)によるブレンド方法が知られています。

前者は大量生産・大量販売向きの焙煎コーヒー豆ブレンド方法で、後者は少量生産・少量販売向きの自家焙煎コーヒー豆ブレンド方法だと思っています。

 

【目次】

 

コーヒー豆自家焙煎店のブレンドコーヒー

単品焙煎(アフターミックス焙煎)は、それぞれのコーヒー生豆に適した焙煎方法で、別々のバッチで焙煎した後、その焙煎したコーヒー豆をブレンドする方法です。

日本のコーヒー豆自家焙煎店では、この方法が主流になっています。

おそらく、海の向こうの国のナノロースター(コーヒー豆を自家焙煎する喫茶店など)も、単品焙煎(アフターミックス焙煎)を採用していると思います。

焙煎コーヒー豆ブレンドを作る理由は、幾つかあります。

独自ブランドを強調する、焙煎コーヒーの風味の一貫性を維持する、価格の安いコーヒー豆を使ってコストを下げる、などなど・・・。

 

スターバックスコーヒーとブレンドコーヒー

例えば、スターバックスコーヒーで特定銘柄のコーヒーを注文する消費者は少ないと思います。

スターバックスコーヒーは、強力なブランドですから特定銘柄のコーヒーに依存する必要が無いわけです。

独自ブレンドだけで、十分に消費者を魅了できるわけですから・・・。

もしかしたら、ブレンド焙煎コーヒー豆は、有名な珈琲屋さん向きの焙煎コーヒー豆商品なのかもしれません。

 

大量生産するならプレミックス焙煎

ヨーロッパやアメリカでは、おそらく日本でもそうだと思いますが、中型や大型のコーヒー豆焙煎機でコーヒー豆を焙煎する場合、何種類かの銘柄のコーヒー生豆を焙煎前に混ぜ合わせて、それを何日間か保管して、混ぜ合わせたコーヒー生豆を、お互いに馴染ませてから焙煎する方法を採用していると年老いた珈琲豆焙煎屋は推測しています。

このブレンド方法を、混合焙煎(プレミックス焙煎)と呼んでいます。

大量に焙煎する場合や、深く焙煎する場合に適した方法です。

 

コーヒー豆自家焙煎店は品質で勝負する

小規模零細のコーヒー豆自家焙煎店は、生き残るためにも、高品質の焙煎コーヒー豆を取り扱う必要があります。

当然、ブレンドコーヒーにも、高品質の焙煎コーヒー豆を使います。

高品質の焙煎コーヒー豆の風味を熟知して、それを基にして、シングルオリジンの焙煎コーヒー豆では達成できない理想的な焙煎コーヒー豆ブレンドを作る必要があるわけです。

 

生産性なら混合焙煎(プレミックス焙煎)

混合焙煎と単品焙煎を比較すると、量的な処理に関しては、ブレンドコーヒーを作るのに適しているのは混合焙煎だろうと考えています。

例えば、5種類のシングルコーヒー豆をブレンドする場合、混合焙煎は1回の焙煎でブレンドを完成させることができますが、単品焙煎の場合、各シングルコーヒーを1回ずつ、合計5回の焙煎作業が必要になります。

混合焙煎は大量生産・大量販売向きのブレンド方法で、単品焙煎によるブレンドは少量生産・少量販売向きのブレンド方法だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

 

混合焙煎(プレミックス焙煎)は深煎りで

ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋は、これまでの経験から、小型業務用コーヒー豆焙煎機を使って混合焙煎をするのなら、2ハゼ以降の焙煎度合までコーヒー豆を焙煎加工すべきだと考えています。

理由は、1ハゼ~2ハゼの間の「中煎り」の焙煎度合なら、必ず『煎りムラ』が発生すると考えているからです。

混合焙煎(プレミックス焙煎)と呼ばれるブレンド焙煎コーヒー豆製造方法は、大量に焙煎する場合や、深く焙煎する場合に適した方法だと考えます。

 

アフターミックス焙煎(単品焙煎 )

それぞれのコーヒー生豆に適した焙煎方法で、別々に焙煎した後、その焙煎したコーヒー豆を何銘柄か使ってブレンドする方法を単品焙煎(アフターミックス焙煎)と呼んでいます。

大手・中堅ロースターの場合、コーヒー生豆の段階でブレンドして何日間か馴染ませて、その馴染ませたブレンドコーヒー生豆を焙煎する混合焙煎という方法が主流だと思いますが、小規模零細なコーヒー豆自家焙煎店(ナノロースター)では、単品焙煎(アフターミックス焙煎)が主流です。

ブレンドした焙煎コーヒー豆を作る理由として、上の項に記した幾つかの理由をあげることができます。

年老いた珈琲豆焙煎屋の私事ですが、1989年、自家焙煎コーヒー豆小売商売を始めた頃はブレンドコーヒー全盛の時代で、シングルコーヒー豆は、キリマンジャロ、モカ、ブラジル、コロンビアなどの銘柄が中心で、エステートコーヒー(農園コーヒー)はほとんど出回っていませんでした。

ブレンドも、ブルーマウンテンブレド、ブラジルブレンド、モカブレンド、コロンビアブレンドと言った銘柄名で売られていました。

零細で小規模な珈琲豆焙煎屋が生き残るには、高品質の焙煎コーヒー豆を販売する必要があります。

ですから、ブレンド焙煎コーヒー豆製造でも、高品質の焙煎コーヒー豆をブレンドする必要があります。

高品質の焙煎コーヒー豆の風味・香りに精通することで、シングルオリジンの焙煎コーヒー豆では達成できない理想的な焙煎コーヒー豆ブレンドを作る必要があると考えています。

 

プレミックス焙煎(混合焙煎)

何種類かの銘柄のコーヒー生豆を焙煎前に混ぜ合わせて、それを何日間か保管して、混ぜ合わせたコーヒー生豆を、お互いに馴染ませてから焙煎する方法。

コーヒー豆を大量に焙煎加工する場合や、深く焙煎加工する場合に適している焙煎方法です。

何種類かのコーヒー生豆銘柄を混ぜ合わせて、それを何日間か保管すると、コーヒー生豆の水分含量は平均化するかもしれませんが、コーヒー生豆に含まれている成分組成や成分含量が変化するわけでは無いと考えています。

例えば、アラビカ種のコーヒー生豆とロブスタ種のコーヒー生豆とでは、コーヒー生豆に含まれているクロロゲン酸類やカフェインの含量が異なります。

カフェインはコーヒーの苦味に、クロロゲン酸類はコーヒーの苦味や渋みや酸味に関係して来るので、焙煎の進行具合で「苦味」や「酸味」の質が変わってきます。

コーヒー生豆の密度ですが、コーヒー生豆の栽培地や生育条件によって異なってきます。

ですから、産地が違えば、栽培地の標高が異なれば、コーヒー生豆の密度は違ってきます。

例えば、ブラジル産のコーヒー生豆とコロンビア産のコーヒー生豆とでは、コーヒー生豆組織の密度が相当に異なっています。

密度が異なれば、焙煎の進行具合も異なってきます。

そのような理由から、浅煎りや中煎りのコーヒー豆を焙煎する場合、混合焙煎だと相当な困難が発生する可能性があると考えています。

混合焙煎は、ある程度の焙煎経験がなければ難しい焙煎方法だと考えています。

ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋が店主をしているエカワ珈琲店の場合、自分たちの焙煎経験に自信を持っているので、焙煎コーヒー豆の鮮度優先も兼ねて、深煎り(2ハゼ以後の煎り具合)の焙煎コーヒー豆限定で混合焙煎(プレミックス焙煎)も併用しています。

 

 

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