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平成版、コーヒーの基礎知識、(第13章)コーヒーの淹れ方

コーヒー生豆を焙煎して、その焙煎したコーヒー豆を粉砕して粉にします。

コーヒー粉に含まれているコーヒー成分を、水(お湯)に溶解・分散させます。

最終的に、コーヒー成分を溶解・分散している水(お湯)と、コーヒー成分を抽出したコーヒー粉の残り滓を分離します。

それが、コーヒーを淹れるという操作だと、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は考えています。

コーヒーの淹れ方については、これまでに様々な抽出器具が考案されてきました。

現在(2023年)、最も一般的な方法として定着しているのが、ドリップ式、サイフォン、パーコレーター、エスプレッソ、ウォータードリップ、カフェプレスを使用したコーヒーの淹れ方(抽出方法)です。 

 

 

【目次】

 

【1】コーヒーを淹れるという操作

コーヒーを淹れる方法として、数多くの方法が知られています。

焙煎コーヒー粉からコーヒー成分を抽出する操作が、コーヒーを淹れるという操作(作業)です。

焙煎コーヒー粉からコーヒー成分を抽出するには、適当な時間、焙煎コーヒー粉と熱水(お湯)を接触させる必要があります。

その接触させる時間が長い・短いで、過剰抽出で濃くなったコーヒーが出来上がったり、抽出不良の水ぼっいコーヒーが出来上がったりします。

コーヒーを淹れる操作では、最終的に焙煎コーヒー粉の残り滓は、コーヒー抽出液から取り除かれます。

そして、コーヒー成分の抽出が終了した後の焙煎コーヒー粉の残り滓を分離したコーヒー抽出液を消費しています。

 

【2】コーヒーの抽出原理

コーヒーの淹れ方の基本的な形として、20世紀の頃は、透過法、浸漬法、煮沸法(ボイリング法)の3つの抽出原理が知られていました。

21世紀の現在では、煮沸法(ボイリング法)は、浸漬法の一つに分類されています。

ハンドドリップ、コーヒーメーカー、パーコレーター、エスプレッソコーヒーは、透過法によるコーヒーの淹れ方です。

サイフォン、フレンチプレスなどは、浸漬法によるコーヒーの淹れ方です。

現在(2023年)、煮沸法(ボイリング法)は浸漬法に分類されていますが、その代表が一番古くから知られているターキッシュコーヒー(トルココーヒー)です。

 

【3】コーヒーの淹れ方・飲み方

冷水でコーヒーの風味・香味を抽出したコーヒー、ミルクや砂糖や香料を添加して飲むコーヒー、焙煎コーヒー粉と液体を飲みわけるコーヒーと、いろいろなコーヒーの飲み方が知られています。

ボイリング(煮沸)によるコーヒーの淹れ方は、一番古くから知られているコーヒーの淹れ方で、その代表はターキッシュコーヒー(トルココーヒー)です。

パーコレーターやコーヒーマシーン(orコーヒーメーカー)は、コーヒーを淹れるのに重力の力を利用するコーヒーの淹れ方で、抽出原理は透過法です。

フレンチプレスはプレス式のコーヒー抽出器具で、焙煎コーヒー粉を湯に浸漬させてコーヒー成分を抽出します。

熱く加圧した水蒸気がコーヒーの粉を通過することで、急速にコーヒー成分を抽出するのがエスプレッソコーヒーです。

少量の水を使って約9気圧という高い圧力を利用してコーヒーを淹れるので、抽出液濃度が3~5%という濃縮されたコーヒーが出来上がります。

水出しコーヒーは、冷たい水を使って数時間かけて淹れるコーヒーで、抽出原理は浸漬法です。

冷たい水で淹れる低温抽出方法で、ゆっくりと時間をかけてコーヒー成分を抽出するので、熱水を使って淹れるコーヒーよりも酸度の少ないコーヒーが出来上がると言われています。

 

【4】紙(ペーパー)ドリップ

ペーパードリップは、コーヒーの淹れ方(抽出方法)の中で最も簡単な方法です。

抽出原理は、透過法です。

サーバー、ドリッパー、専用のろ紙(ペーパーフィルター)を使って、手作業でコーヒーを淹れる方法です。

ペーパードリップの抽出方法を自動化したのが、コーヒーメーカーです。

コーヒーメーカーは、湯の温度が高いことと、湯の滴下量・速度が遅いということから、手作業で入れるペーパードリップに比べると風味が落ちると言われています。

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【5】布(ネル)ドリップ

ペーパードリップと同じハンドドリップ(手作業)での抽出方法で、ろ紙の代わりに、片面を起毛した針金の枠付きの布袋でろ過する方法です。

使用する器具は、ネルフィルター・サーバー・注湯用ポット・メジャースプーンで、紙ドリップ抽出で使うペーパーフィルターとドリッパーが、ネルフィルターに置き換わるだけで、あとは同じです。

紙(ペーパー)ドリップの場合、スッキリした味わいのコーヒーが出来上がる確率が高くて、布(ネル)ドリップの場合、コクのあるまろやかな味わいのコーヒーが出来上がる確率が高くなると思っています。

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【6】サイフォン

蒸気圧を利用するコーヒー成分の抽出方法で、フラスコ型のガラスの吸引(減圧)ろ過式の抽出器具です。

コーヒーの抽出原理は、浸漬法です。

サイフォンでコーヒーを淹れる仕組みは、フラスコ内の空気が熱せられて膨張して、フラスコの中でお湯に圧力が加わるので、押し付けられたお湯が管を伝わってロートに押し上げられます。

そして、押し上げられたお湯がロート内の焙煎コーヒー粉と接触することによってコーヒー成分を抽出します。

火を止めると、フラスコ内の冷えて膨張していた気体が収縮するので、焙煎コーヒー粉と接触していた熱湯が、抽出したコーヒー成分と一緒に管を下がって、フラスコ内に引っ張り込まれます。

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【7】エスプレッソ

蒸気圧を利用して、急速に抽出する熱湯噴射式抽出法です。

コーヒーの抽出原理は、透過法です。

90度C程度の高温の湯に9気圧程度の高い圧力をかけて、30秒くらいの短時間で、濃厚な少量(30㏄くらい)のコーヒーを淹れる抽出方法をエスプレッソと呼んでいるのだと理解しています。

 

【8】パーコレーター

金属製のポットで、内部に焙煎コーヒー粉を入れるバスケットと、このバスケットを上の方に固定するためのスタンドがついています。

スタンドの底部の真ん中から湯を通すパイプがついていて、湯が沸騰すると、ポットの底からパイプを通って上昇し最上部のフタに衝突します。

フタに衝突した熱湯は、シャワー状になってバスケットのコーヒー粉の上に降り注ぎ、コーヒーの抽出が行われるという仕組みの抽出器具だと思っています。

コーヒーの抽出原理は、透過法です。

パーコレーターは、熱湯循環式抽出器ですから、成分抽出過多で、濁ったコーヒーが出来上がる可能性が高いとコーヒー関係の書物に書いてあります。

 

水出しコーヒー(コールドブリュー/Cold Brew)

2010年代にアメリカで始まったコーヒーの淹れ方で、低温の水(冷たい水)でコーヒーの成分を抽出する方法です。

コーヒーの抽出原理は、浸漬法です。

湯に溶けるコーヒー成分は、ある程度時間をかければ、水にも溶けます。

その原理を利用して、数時間~10時間くらいの時間を費やしてゆっくりと淹れるコーヒーだと理解しています。

冷たい水でコーヒー成分を抽出する淹れ方ですから、水に溶け難い苦味成分や雑味になる成分などをあまり抽出しません。

ですから、スッキリとしていてコクがあってマイルドで風味の良い(口の中で香りが広がる)コーヒーが出来上がるとされています。

 

10フレンチプレス

紅茶の抽出器具として知られていますが、もともとは、フランス生まれのコーヒー抽出器具で、ろ過装置の付いたフタ付きポットです。

サイフォンと同じ浸漬法で成分を抽出するプレス式の器具で、 コーヒープレス、プランジャーポット、メリオールなどとも呼ばれています。

コーヒー成分を抽出した後は、コーヒー抽出液を別の容器にすみやかに移す必要があります。

そうしなければ、抽出過剰になってしまいます。 

 

(※)このエントリー記事の【4】ペーパードリップから【10】フレンチプレスまでと同じ内容を、『珈琲物語(第1集)』の「第8章、コーヒーの淹れ方の種類 | コーヒーの抽出方法と抽出器具の種類」収録しています。

もちろん、このエントリー記事よりも、内容のボリュームを大きくしています。

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(※)このエントリー記事「20世紀版、エカワ珈琲店の珈琲読本、(第13章)コーヒーの淹れ方」の、拡大現在版『令和版、コーヒーの基礎知識(第13章)コーヒーの淹れ方』は、珈琲ブログに、有料記事というカタチでエントリーしています。

拡大現在版『令和版、コーヒーの基礎知識(第13章)コーヒーの淹れ方』は、このエントリー記事の3倍のボリュームを持つ内容になっています。 

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