コーヒーベルトと呼ばれている地域に位置している熱帯地域の国々で栽培・収穫・精製処理されたコーヒー生豆は、消費国に輸出されて、あるいは自国で、焙煎という熱加工処理を施されて焙煎コーヒー豆という商品となります。
ご存知だと思いますが、焙煎したコーヒー豆には2種類の商品マーケットが存在しています。
それは、レギュラーコーヒーと自家焙煎コーヒー豆(クラフトコーヒー)の消費市場です。
【参考】レギュラーコーヒーとクラフトコーヒーについては、下のリンク先ページをご覧ください。
【目次】
- (1)コーヒー豆の焙煎
- (2)コーヒー豆焙煎のプロセス
- (3)初めチョロチョロ、中パッパ、パチパチなったら徐々にチョロチョロ
- (4)煎り止めと煎り加減
- (5)焙煎=科学反応を利用して香りや風味を作り出す作業
(1)コーヒー豆の焙煎
コーヒー豆の焙煎は、コーヒー豆に高熱を加えて、コーヒー豆を膨らませて、化学的な成分変化を引き起こして、コーヒー豆の色・味・香りを変化させる食品加工操作だと考えています。
コーヒー生豆に高熱を加えると、メイラード反応・カラメル化反応など色々な化学反応が発生して、それらの化学反応によって、コーヒー独特の色や香りや風味が作り出されると考えています。
(2)コーヒー豆焙煎のプロセス
一般的に、焙煎機のドラムの中にコーヒー豆を放り込んで、20数分間~30数分間、200度くらいの温度で熱して、ドラム内に放り込んだコーヒー豆に無数の化学反応や物理的反応を発生させて、商品となる焙煎コーヒー豆を焙煎します。
そのプロセスを簡単に表現すると、お米を炊くのによく似ていて、「初めチョロチョロ」、「中パッパ」、「パチパチなったら徐々にチョロチョロ」です。
(3)初めチョロチョロ、中パッパ、パチパチなったら徐々にチョロチョロ
「初めチョロチョロ」でコーヒー豆を蒸らして(ゆっくりと熱して行って)、「中パッパ」で水分を放出させて、化学反応が進行し易いようにコーヒー豆を膨らませます。
「パチパチ鳴ったら徐々にチョロチョロ」です。
焙煎中のコーヒー豆からパチパチと聞こえてくる音は、コーヒー豆焙煎屋さんの間では「ハゼ」と呼ばれている現象で、コーヒー豆焙煎プロセスの一つの目安となる現象です。
このハゼ音が聞こえてくれば、コーヒーの味を作り出してコントロールする段階になります。
(4)煎り止めと煎り加減
パチパチ鳴ったら、加熱を徐々に弱めて行きます。
そして、任意の煎り加減になったところで、加熱を止めて焙煎機の釜(ドラム)から自家焙煎コーヒー豆を取り出して冷却します。
任意の煎り加減は、自家焙煎コーヒー豆の色やパチパチという音が聞こえて来てから以後の焙煎時間と焙煎温度、あるいは、パチパチという音が聞こえなくなってから以後の焙煎時間と焙煎温度などで決めています。(ほとんど、経験に基づく勘で決めています)
(5)焙煎=科学反応を利用して香りや風味を作り出す作業
コーヒー豆の焙煎は、コーヒー生豆に含まれている香味の基礎となる成分に熱を加えて、その成分に化学反応を発生させて、コーヒー独特の香りや風味を作り出す作業だと考えています。(焙煎=科学反応を利用してコーヒー独特の香りや風味を作り出す作業)
コーヒー独特の香りや風味を作り出すには、コーヒー豆焙煎中に発生する化学反応を調整・制御(コントロール)する必要があると考えています。
コーヒー独特の香りや風味と言っても、人それぞれに好みが異なっているわけですから、自分好みのコーヒーの香りや風味を作り出す目的で、「コーヒー豆の焙煎中に発生する化学反応」を調整制御(コントロール)するのがコーヒー豆焙煎の醍醐味だと考えています。
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