年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

今年から、ブログタイトルを「年老いた珈琲豆焙煎屋の珈琲物語」から、「年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ」に変更しました。

自家焙煎コーヒー豆購入の新しいルール

家庭で飲むコーヒーの購入に当たって、最初に決めることは、焙煎したコーヒー豆をどのようにして買うか、あるいは、どこで買うかだと思います。

焙煎したコーヒー豆は、焙煎した日から1か月も経過すると、焙煎直後のコーヒー豆と比べると相当に劣化してしまっています。

焙煎したばかりの自家焙煎コーヒー豆は、一杯のコーヒーの香り(アロマ)や風味を作り出すコーヒーオイルに包まれた状態になっています。

ですから、自家焙煎コーヒー豆の姿形のままで購入して、冷暗所で常温保存しておいて、一杯のコーヒーを淹れる直前に挽くと、最高の香り・味を楽しめるはずです。

そのためには、焙煎した日からできれば1週間以内、日にちが経過していても10日以内の自家焙煎コーヒー豆を購入するのがベストだと思っています。

 

【参考】今回の記事は、下のリンク先ページの記事の続編です。

www.ekawacoffee.work

 

クイックナビゲーション

 

新鮮な状態で購入する

コーヒー消費者が、香り・風味の消失していない自家焙煎コーヒー豆を買う方法は、一つだけしか無いと考えています。

それは、焙煎してからできるだけ1週間以内に、日にちが経過していても10日以内に焙煎したコーヒー豆だけを売っているコーヒー豆自家焙煎店で購入する方法です。

もちろん、販売している自家焙煎コーヒー豆の「焙煎日」が表示されているのは必須事項です。

自家焙煎コーヒー豆は、「賞味期限」ではなくて「焙煎日」を基準にして購入する食品だと思います。

 

新鮮な状態で購入するのが必要な理由

焙煎したばかりの自家焙煎コーヒー豆には、焙煎中に発生した二酸化炭素ガスが含まれています。

この二酸化炭素ガスは、自家焙煎コーヒー豆の保存中に放出されて徐々に自家焙煎コーヒー豆から抜けて行きます。

自家焙煎コーヒー豆内の二酸化炭素ガスは、自家焙煎コーヒー豆内への酸素の侵入を防いでいて、自家焙煎コーヒー豆を劣化から守っています。

ちなみに、焙煎日から10日~15日くらい経過した自家焙煎コーヒー豆を使って淹れたコーヒーは、最高に美味しい状態だと思います

 

新鮮な自家焙煎コーヒー豆の見分け方

ハンドドリップでコーヒーを淹れる際、焙煎コーヒー粉(焙煎コーヒー粒)にお湯を注ぐと、モコモコと焙煎コーヒー粉(焙煎コーヒー粒)が膨れて来ます。

膨れてくれば新鮮な自家焙煎コーヒー豆で、膨れてこなければ古くなっている自家焙煎コーヒー豆です。

真空パック包装やガス置換包装の焙煎コーヒー豆は、賞味期限が3か月から6か月、あるいは1年と長く設定されていますが、仮に開封するまでは新鮮さが保たれていたとしても、焙煎コーヒー豆内の二酸化炭素ガスが消失しているので、開封後の劣化スピードがものすごく早くなると思います。

 

自家焙煎コーヒー豆の鮮度と焙煎日

コーヒー豆が焙煎されて5日から20日(季節や煎り具合によって変わりますが)くらいの期間は、風味・酸・香りがほぼ完璧な形で存在していると考えています。

しかし、焙煎してから3週間~4週間くらいが経過すると、この調和が薄れ始めるのでコーヒーの風味に少しずつ影響が出て来ると考えています。

香り成分やコーヒーの風味の源であるコーヒーオイルが焙煎したコーヒー豆から出て行って、苦味が目立つようになって来て、不快なフレーバーも登場して来ます。

焙煎後3か月が経過している焙煎したコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲んで、焙煎後1か月以内の自家焙煎コーヒー豆で淹れるコーヒーと同じような感覚を楽しむことが出来るとは考えられません。

それが、自家焙煎コーヒー豆を、「賞味期限」では無くて「焙煎日」を基準として購入する食品だと考えている理由です。

 

ホールビーンコーヒーとグラウンドコーヒー

自家焙煎コーヒー豆の劣化は、コーヒー豆焙煎直後から始まります。

自家焙煎コーヒー豆を挽くと、その劣化スピードが指数関数的にスピードアップして、より多くの酸素を吸収するので、より多くの風味が消失して行きます。

できれば、コーヒーミルやコーヒーグラインダーの購入をお勧めします。

コーヒーを消費する人にとっては、コーヒーミルやコーヒーグラインダーの購入は大きな投資だと思います。

しかし、それだけの価値がある投資だと思います。

焙煎したコーヒー豆を粉砕して(粉にして)保存するよりも、豆の姿形のままで保存する方が、はるかに長い期間、その鮮度を保っていられるわけですから。

 

煎り具合(焙煎度)、焙煎プロファイル

「浅煎り⇒中煎り⇒深煎り」と焙煎コーヒー豆の表面の茶色が濃くなって行くにしたがって、コーヒー生豆がもともと持っている香味成分から離れた香味成分が生成されて行きます。

ですから、品質の良いスペシャリティーコーヒーの焙煎プロファイルは、「浅煎りか中煎りの浅め」くらいが最良だとも言われています。

しかし、年老いた珈琲豆焙煎屋は、ものすごく高品質で高級な価格のスペシャリティーコーヒーは別格として、街の小さなコーヒー豆自家焙煎店クラスが調達しているスペシャリティーコーヒー豆の場合、焙煎でコーヒーの香味成分を調整・制御した方が、より一層素晴らしい香りと風味を持つ自家焙煎コーヒー豆が出来上がると考えています。

ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋が店主をしている零細生業じじばば経営のコーヒー豆自家焙煎店(屋号はエカワ珈琲店です)は、煎り具合(焙煎度)を「強い・柔らかい・まろやか」などの用語を使って説明することにしています。

 

生産地情報を確認してから購入する

ある国のある地域の特定の農家や特定の生産者組合によって生産されたコーヒー生豆をシングルオリジンと呼んでいて、それらの農家や生産者組合は、自然保護団体やフェアトレード団体の認証を受けていて、その認証団体の基準に合う品質条件のコーヒー生豆を生産しています。

ですから、原料のコーヒー生豆がどの国のどの地域の農場・生産者組合によって生産されたか、その情報を知ること(トレーサビリティー)は大切な事だと思います。

コーヒー生豆輸入業者やコーヒー豆自家焙煎店は、シングルオリジンのスペシャリティーコーヒー生豆の物語(ストーリー、情報)をコーヒー消費者に伝える努力を強化しているので、生産地情報や生産者情報、その他生産に関する情報を見つけるのが容易になって来ています。

 

コーヒーの飲み方と購入する自家焙煎コーヒー豆

昔ながらのコーヒー豆自家焙煎店である「エカワ珈琲店」は、ハンドドリップでコーヒーを淹れて、ミルクや砂糖を添加しないで飲むブラックコーヒーを楽しむ事を前提とした自家焙煎コーヒー豆を作って売っています。

しかし、ミルクを使って楽しむコーヒーを飲むのなら、コクが強くて濃厚な味わいのコーヒーを淹れられる自家焙煎コーヒー豆、俗にダークローストやミディアムダークローストと説明されている自家焙煎コーヒー豆が向いていると思います。

ちなみに、エカワ珈琲店で一番強くしっかりとした味わいコーヒーは「深味のブレンド」です。