業務用コーヒー豆焙煎機のコーヒー豆焙煎処理能力やコーヒー豆を焙煎する技術は、20世紀の100年間で目覚ましい進歩を遂げて来ました。
特に、デジタルでコーヒー豆を焙煎処理する大型焙煎機の機能は、目覚ましい進歩を遂げたと言われています。
大型焙煎機の持つデジタル制御の機能は、ローストプロファイルの変数を設定制御することで、何度も何度も正確にコーヒー豆の焙煎を再現することができると言われています。
世紀が変わって、スペシャルティーコーヒーが注目される時代になっています。
スペシャルティーコーヒー豆の焙煎では、コーヒー生豆の持つ香味を最大限に活用する焙煎処理が主流になっています。
特に、コーヒー生豆の持っている酸味に焦点を当てる焙煎方法が多用されているように感じられます。
大型コーヒー豆焙煎機の世界では、そのスペシャルティーコーヒー豆焙煎処理方法の流れに対応すべく研究・改善が続いているようです。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、エカワ珈琲店という屋号の零細小規模なコーヒー豆自家焙煎店のおやじです。
使っているコーヒー豆焙煎機は、最大で5kgのコーヒー生豆を焙煎可能な直火式の小型ドラム式コーヒー豆焙煎機です。
直火式や半熱風式の小型ドラム式コーヒー豆焙煎機の場合、熱風式や流動床式の大型コーヒー豆焙煎機と違って、コーヒー豆焙煎処理中に発生する出来事をコントロールするのは比較的簡単です。
昭和の時代、コーヒー豆焙煎プロファイル(コーヒー豆ローストプロファイル)という用語は存在していなかったわけですが、コーヒー豆の焙煎処理操作では、コーヒー豆焙煎プロファイルと同じような考え方が採用されていました。
コーヒー豆焙煎の技術は、コーヒー豆焙煎の再現性の精度を高くする技術だったわけです。
しかし、伝統的なコーヒー豆焙煎についての考え方では、コーヒー豆焙煎プロファイル(コーヒー豆ローストプロファイル)をコントロールして、コーヒー豆焙煎の再現性の精度を高くするために使用する変数は、「焙煎時間」と「焙煎温度(焙煎中のコーヒー豆温度)」と「焙煎コーヒー豆の最終製品温度(焙煎度)」だけです。
この3つの変数(パラメーター)に注目してコーヒー豆を焙煎するだけなら、「焙煎時間」と「焙煎温度(焙煎中のコーヒー豆温度)」と「焙煎コーヒー豆の最終製品温度(焙煎度)」の3つの変数(パラメーター)を、焙煎オペレータ(焙煎を監視している人)がコーヒー豆焙煎開始時に設定しておけば、自動的にコーヒー豆を焙煎することができます。
しかし、スペシャルティーコーヒー豆の焙煎では、コーヒー生豆の持つ香味を最大限に活用する焙煎処理方法が主流になっています。
「焙煎時間」と「焙煎温度(焙煎中のコーヒー豆温度)」と「焙煎コーヒー豆の最終製品温度(焙煎度)」という3つの変数(パラメーター)に依存してスペシャルティーコーヒー豆を焙煎するのは、大雑把すぎてスペシャルティーコーヒー豆の特性を引き出すことが出来ないとする考え方が、近年、スペシャルティーコーヒー豆焙煎の主流になって来ています。
コーヒー生豆は農産物ですから、日々刻々と変化しています。
コーヒー豆焙煎の再現性を希望するなら、その日々刻々の変化に対応して焙煎中のコーヒー豆の変化をコントロールする必要があります。
スペシャルティーコーヒー豆の焙煎だけとは限りませんが、現在(2021年)のコーヒー豆焙煎、特に直火式や半熱風式の小型業務用コーヒー豆焙煎機を使ってのコーヒー豆焙煎では、「焙煎時間」と「焙煎温度(焙煎中のコーヒー豆温度)」と「焙煎コーヒー豆の最終製品温度(焙煎度)」という3つの変数(パラメーター)にプラスして、コーヒー豆焙煎中の雰囲気温度(環境温度、ドラム内の空気温度)という変数(パラメーター)を使ってコーヒー豆を焙煎する方向に向かっているような気がします。
【注目】
「スペシャルティーコーヒー豆の焙煎方法」というよりも、エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)のスペシャルティーコーヒー豆焙煎方法に関するテキストになっていますが、キンドルでセルフ出版している電子書籍「コーヒー豆自家焙煎談義(第5集)」に、『スペシャルティーコーヒー豆の焙煎方法』というタイトルの章を掲載しています。
電子書籍「コーヒー豆自家焙煎談義(第5集)」に収録している『スペシャルティーコーヒー豆の焙煎方法』は、珈琲ブログで有料公開しています。