年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ | エカワ珈琲店

コーヒー情報記事を専門にエントリーしているブログです。エカワ珈琲店が運営管理しているブログの中で一番ページビューを稼いでいるブログです。

スタバに次ぐ第2世代台頭、2010年7月30日付け「日経MJ」の記事

2010年11月11日、『年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ | はてなブログPRO』の前身の前身、『エカワ珈琲店の出来事 | はてなダイアリー』に、『 アメリカコーヒー事情、コーヒー第3の波 | サードウェーブコーヒー』という記事を投稿しています。

2000年代のアメリカで発生したサードウェーブコーヒー(コーヒー第3の波)ですが、焙煎コーヒー豆業務卸への依存度が高い日本のコーヒーロースターのこれからに、何か参考になるものがあると年老いた珈琲豆焙煎屋は感じています。

ということで、『 アメリカコーヒー事情、コーヒー第3の波 | サードウェーブコーヒー』を再掲します。

 

 アメリカコーヒー事情、コーヒー第3の波 | サードウェーブコーヒー(2010年11月11日記)

最近、アメリカのマスコミで「third wave coffee(コーヒーの第3の波)」が話題になっているようです。

夜のゴールデンタイムの人気ニュース番組(ABCのnightline)で、「third wave coffee(コーヒー第3の波)」の特集が放映されたりしているとのことです。

 

アメリカコーヒー業界のコーヒー第1の波というのは、おそらく、1900年代中頃までにアメリカのほぼ全家庭でレギュラーコーヒーが普及するのに貢献したコーヒー企業のことを指しているのだと思います。

第2の波というのは、あのスターバックスコーヒーに代表されるシアトル系コーヒー企業の台頭を指しているのは確かだと思います。

 

そして、第3の波とは、スターバックスコーヒーに代表されるシアトル系コーヒー企業のマス企業化に不満を持つ人たちをひきつけ、その人たちをお客さんとすることに成功したコーヒー豆焙煎会社の台頭を指していると年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。

21世紀に入ってからのアメリカでは、マイクロロースターと呼ばれる第3の波系のコーヒー豆焙煎屋の活躍が目立っているようです。

アメリカのコーヒー市場の3分の1は、スペシャリティーコーヒー市場と考えられていますが、その大半はスターバックスコーヒーに代表されるシアトル系コーヒー企業に占められているようです。

 

コーヒー第3の波(サードウェーブコーヒー)に属するコーヒー豆焙煎会社の活躍が注目されていると言っても、スペシャリティーコーヒー市場のごく一部分で活躍しているにすぎないようです。

シアトル系コーヒー企業の焙煎はダークローストが主体になっているのですが、第3の波に属するコーヒー豆焙煎会社は、それよりも浅い焙煎コーヒー豆をセールスポイントとしているようです。

 

日本でいうところの、「中煎り」か「中煎りよりもやや浅め」の焙煎をセールスポイントにしていると思うのですが、エスプレッソ系のコーヒー豆も焙煎加工しているみたいです。

原料となるコーヒー生豆についても、コーヒー豆の焙煎についても、コーヒーの淹れ方についても、職人的な「こだわり」を強調するのが、その特徴とされているようです。

 

英語版wikipediaの「third wave coffee」によると、第3の波(サードウェーブコーヒー)系コーヒー豆焙煎会社のビッグスリーは、シカゴのインテリジェンシアコーヒーとポートランドのスタンプタウンコーヒーとノースカロナイダ州のカウンターカルチャーコーヒーとなっています。

そのビッグスリーのうち、インテリジェンシアコーヒーとスタンプタウンコーヒーについては、2010年7月30日付け『日経MJ』が、「スタバに次ぐ第2世代台頭」という特集記事で紹介しています。

記事の寄稿者は、日経ニューヨーク支社の清水石珠実さん(現地採用の日経記者)です。

 

その記事によると、直営店は、どちらも10店舗未満と少ないのですが、喫茶店・レストラン・高級スーパー(高級食料品店)といった卸先が、インテリジェンシアコーヒーで約1200、スタンプタウンコーヒーで約200となっています。

そして、ニューヨーク市の街中を歩くと、インテリジェンシアやスタンプタウンの看板を掲げる飲食店が目立っているとあります。

「スタバに次ぐ第2世代台頭」の記事は、日本にアメリカと同じような波がやって来るかどうか定かでないが、第3の波系コーヒー豆焙煎会社の事業モデルは参考になりそうだと締めくくっています。

 

アメリカの第3の波系コーヒー豆焙煎会社の成長の源は、焙煎コーヒー豆の業務卸事業だと想像できます。

ものすごい競争状態にあるのがアメリカの流通・飲食業界ですから、生き残るためには異質性をアピールする必要があります。

そして、異質のコーヒー豆を求める流通・飲食事業者の需要が、第3の波系コーヒー豆焙煎会社を成長させているのだと思います。

 

アメリカのコーヒー業界では、相当なスピードでコーヒー豆焙煎事業者の新陳代謝が起こっているのかもしれません。

日本にも、何れ、アメリカと同じような波がやって来るのは確実だと考えています。

日本の流通・飲食業界の競合状態も厳しくなって来ていて、アメリカ化が進行しているわけですから。

 

中小零細規模の流通・飲食事業者が生き残るには、異質化を模索する必要があるわけですから、当然の事、第3の波系コーヒー豆焙煎会社タイプのコーヒー豆焙煎会社(ロースター)が注目を集めるようになると考えています。

マイクロロースターと呼ばれている第3の波系コーヒー豆焙煎会社と比べると、規模的に相当に劣っているのですが、ここ日本にも、コーヒー豆自家焙煎店と呼ばれるコーヒー屋が多数存在しています。

その中から、アメリカの第3の波系コーヒー豆焙煎会社クラスに成長するコーヒー豆自家焙煎店が登場して来るかもしれません。数多あるコーヒー豆自家焙煎店の中の、ほんの一握りだけだと思いますが。

 

また、歴史のある焙煎コーヒー豆業務卸会社が、アメリカの第3の波系コーヒー豆焙煎会社タイプの珈琲会社に変身して行くかもしれません。

それほど遠くない将来、日本のコーヒー業界でも、新陳代謝現象が活発化する可能性があると考えています。

年老いた珈琲豆焙煎屋の独断と偏見ですが、2000年代のアメリカで発生した「コーヒー第3の波/サードウェーブコーヒー」現象と同じような現象が、1970年代、1980年代の日本で発生していたわけですから、もう一度、同じような現象が発生しても不思議では無いと思います。

 

note にも、サードウェーブコーヒーに関する記事 『北米大陸で発生した「コーヒー第3の波」について/年老いた珈琲豆焙煎屋の解釈です』を投稿しています。

有料記事ですが、よろしければ・・・

note.com