エカワ珈琲店の一日 | コーヒー豆自家焙煎店、平成の30年間で様変わり

自家焙煎コーヒー豆小売専門店と脱サラ

年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦2人だけで営んでいるエカワ珈琲店は、地方の中核都市で和歌山県の県庁所在地である和歌山市に立地しています。

自家焙煎コーヒー豆小売専門店を細々と開始したのは、1989年の夏(平成元年の夏)でした。

開始したのは年老いた珈琲豆焙煎屋の母親で、30年以上続けて来た喫茶店からの商売替えでした。その3年後、年老いた珈琲豆焙煎屋が40歳を目前に脱サラ、母親に代わって自家焙煎コーヒー豆小売専門店の店主を引き継ぎました。

www.ekawacoffee.work

 

f:id:ekawa:20140130174723j:plain 

エカワ珈琲店の始まりは

1989年の夏に喫茶店から自家焙煎コーヒー豆小売専門店に衣替えして、最初の3年間は、細々と店舗小売だけの商売をしていました。

その3年後、年老いた珈琲豆焙煎屋が脱サラ、自家焙煎コーヒー豆小売専門店を引き継いで、フジ珈機(フジローヤル)の小型生産用コーヒー豆焙煎機(5kgのコーヒー豆が焙煎できるタイプ)を購入設置して、本格的に自家焙煎コーヒー豆小売ビジネスを開始しました。

新聞の折り込みチラシで宣伝して、家庭や職場に焙煎コーヒー豆を配達したのですが、上手く事が運んで、2年くらいで月間400kg以上の焙煎コーヒー豆を売り捌くコーヒー豆自家焙煎店になっていました。

現在(2019年)のコーヒー豆自家焙煎店は、喫茶店併設型が常識です。しかし、1990年代は、自家焙煎コーヒー豆を売り捌くには、喫茶店を併設せずに小売専業に徹するのが常識でした。

 

1990年代後半

1990年代の後半、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦の営むエカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆配達販売中心の商売を営んでいて、結構繁盛していました。夫婦2人だけでは手が回らず、妻の母親に手伝ってもらっていました。

朝早くからお昼頃までコーヒー豆を焙煎して、お昼から夕方までは自家焙煎コーヒー豆の配達に走り回っていました。もちろん、配達用の軽四輪自動車を駆使してですが。

配達先は個人宅とオフィスで、店舗小売も個人客とオフィス客ですから、ほとんどの売上は現金収入です。1日の仕事が終われば、妻が現金を数えていたものです。

1日の売上は平均して5万円前後、配達6割・店売り4割くらいの割合で稼いでいました。

当時、薄利多売路線を走っていたわけですが、それでも、今から考えれば一番稼げていた時期だったような気がします。

 

2000年代前半~中頃

大手オフィスコーヒーサービス会社の地方進出が積極化、その影響をもろに受けてオフィス向け自家焙煎コーヒー豆販売量が激減、ライバル店が登場してきた家庭向け自家焙煎コーヒー豆小売販売も減少して行きます。

年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が営むエカワ珈琲店は、自家焙煎コーヒー豆販売量の減少が続き、当然、売上も減少して行きました。

それでも、2000年代の中頃までは、自家焙煎コーヒー豆月間販売量平均300㎏を維持できていました。

2000年代の中頃、店舗周辺へは自転車で配達していましたが、それ以外は、ヤマトの宅急便で配達するようになっていました。

外注する財政的ゆとりがないので、見様見真似でしたが、ホームページビルダーを使って自前のホームページを作成していました。

焙煎量は毎年毎年減少を続けていましたが、1週間に4日から5日、1日に4回~数回コーヒー豆を焙煎していました。今もそうですが、昔も焙煎作業は午前中と決めていました。そして、お昼頃から発送の荷造りをして、それが終了すれば、ほぼ1日の仕事が終了というような日々を過ごしていました。

夫婦2人だけで商売を営んでいて、コーヒー豆の焙煎をしながら、通信販売の荷造りをしながら、店舗兼工場兼住居の軒先店舗部分で自家焙煎コーヒー豆の小売販売をしていました。

通信販売+自転車配達と店頭小売の売上比率は6対4くらいで、1日の来店客数は10人前後でした。

 

2000年代後半

家庭でのコーヒー消費が一般化して、家庭用焙煎コーヒー豆市場が有望な市場になって来ると、大手・中堅珈琲ロースターの攻勢が始まります。その余波が、エカワ珈琲店にも及んで来ました。

焙煎コーヒー豆の家庭需要の増大が、家庭用焙煎コーヒー豆市場の競争を激化させたようです。成長する市場では、競争が激しくなるのは自然の成り行きですから。

零細生業パパママ規模の自家焙煎コーヒー豆小売専門店が、大手・中堅珈琲ロースターと同じ土俵で勝負をして勝てるはずがありません。

大手・中堅珈琲ロースターと同じ土俵で戦ってしまったエカワ珈琲店は、あっという間に追い詰められて行きます。自家焙煎コーヒー豆販売量も売上も、数年間で半減(月間150㎏くらいまで減少)してしまいました。

年老いた珈琲豆焙煎屋は、昭和ビジネスの代名詞的な薄利多売ビジネスに愛着を持っていて、自家焙煎コーヒー豆の販売量も売上も減少しているのに、昭和的な薄利多売ビジネスにしがみついていましたから、エカワ珈琲店の台所は火の車になっていました。

自転車を使う自家焙煎コーヒー豆のオフィス配達は、ほぼ壊滅。自家焙煎コーヒー豆の店舗小売はというと、1日の平均来店客数は3人くらいという状態になっていました。

自家焙煎コーヒー豆の通信販売で何とか食べて居たのですが、その自家焙煎コーヒー豆通信販売も減少傾向をしめし始めていました。

 

2010年代前半~中頃

アメリカで発生したサードウェーブコーヒー現象の影響もあって、日本でも、スペシャリティーコーヒーの概念を取り入れた新たなコーヒー豆自家焙煎ブームが始まります。

この新たなコーヒー豆自家焙煎ブームは、1980年代の後半から1990年代にかけてのコーヒー豆自家焙煎ブームとは、ちょつと異なっていました。

後者は自家焙煎コーヒー豆小売販売が中心のブームでしたが、前者は喫茶店併設のコーヒー豆自家焙煎店ブームで、原料のコーヒー生豆にも相当にこだわっていました。

年老いた珈琲豆焙煎屋の営むエカワ珈琲店は、1989年の夏に、喫茶店から自家焙煎コーヒー豆小売専門店に商売替えした古いタイプのコーヒー豆自家焙煎店です。

しかし、コーヒー生豆仕入れ先の都合で、スペシャリティーコーヒーと呼ばれるコーヒー生豆を仕入れていました。

それが功を奏したのかどうか不確かですが、10代・20代の若いお客さんが来店してくれるようになりました。

自家焙煎コーヒー豆の通信販売でも、昔からのお客さんは徐々に離れて行くわけですが、新しいお客さんを獲得できるようになって来ていました。

自家焙煎コーヒー豆の月間平均販売量150㎏は維持できていて、自家焙煎コーヒー豆販売価格を少し値上げしたので、売上は少し増加していました。

店舗兼住宅の軒先店舗で、店舗部分の後方に休憩室を設けています。月間自家焙煎コーヒー豆販売量150㎏くらいでは、コーヒー豆焙煎作業もそれほど忙しくありません。というよりも、相当に暇です。

ということで、休憩室で寝ころびながら、テレビを見ながら、65歳になれば満額支給される公的年金のことを考えながら、ダラダラとした日々を過ごしていました。 

 

2010年代中頃~後半 

2010年代の中頃、少しだけですが、エカワ珈琲店の自家焙煎コーヒー豆小売ビジネスは持ち直しつつありました。で、時代の流れに適合できるかもしれないと、テイクアウトコーヒー専門の喫茶店営業も開始しました。

1日に10杯以上のコーヒーが確実に売れるようになっていたのですが、2016年1月、妻が緊急入院、零細生業パパママ店ですから商売は開店休業状態になりました。

その後も、年老いた珈琲豆焙煎屋自身が体調不良に見舞われたりして、なかなか開店休業状態を脱出することができず、自家焙煎コーヒー豆販売量は月間平均数十kgくらいまで減ってしまいました。当然、売上も、それなりに減少して行きました。

今年(2019年)の秋頃になって、ようやくにして開店休業状態から脱出できましたが、3年半以上のブランクがあるわけですから、販売量も売上も客数も、開店休業状態にあった頃とほとんど変化していません。

ということで、相も変わらず、ダラダラした1日を過ごしているエカワ珈琲店の今日この頃です。

 

30年間で様変わり

コーヒー豆自家焙煎店の世界ですが、平成のはじめ頃と平成の終わり頃との30年間で大きく様変わりしています。

令和の現在(2019年)、平成のはじめ頃に元気のあった古いタイプ(自家焙煎コーヒー豆小売販売が中心)のコーヒー豆自家焙煎店は意気消沈傾向にあって、喫茶店併設型で自家焙煎コーヒー豆業務卸に力を注いでいる新しいタイプのコーヒー豆自家焙煎店が脚光を浴びています。

 古いタイプのコーヒー豆自家焙煎店は、ブランディングという概念を持たずに商売していたような気がします。新しいタイプのコーヒー豆自家焙煎店は、ブランディング重視のビジネスを展開しています。

30年前と違って、現在の珈琲市場はブランドが闊歩している市場ですから、古いタイプのコーヒー豆自家焙煎店は、時代について行けなければ、珈琲市場から消えて行く運命にあるような気がします。

そのような状況の中で、古いタイプのコーヒー豆自家焙煎店であるエカワ珈琲店が、何んとか商売を続けているわけですから、それなりに時代の流れについて行けているのだと自画自賛している今日この頃です。

 

関連ストーリー 

www.ekawacoffee.work

2010年代の中頃、落ち込んでいたエカワ珈琲店の業績が、少し上向きつつあったのですが。

www.ekawacoffee.work

逆流性食道炎からは、ほぼサヨナラしています。でも、神経痛に悩まされている今日この頃です。