『コーヒー豆焙煎中に発生する基本的な化学反応』(その1~その3)ですが、最初は、アグトロンスケール(Agtron Scale)で知られているアグトロン社のカール・スタウブ(Carl Staub)さんが、1995年のSCAA大会で講演した内容を年老いた珈琲豆焙煎屋流に解釈して紹介する記事でした。
その紹介記事を3000字~4000字くらいずつに3分割して、1記事300円でnote にて有料公開していたのですが、ちょっと高すぎると思うので値下げしようと考えました。しかし、1記事につき平均10人近くの人が、この有料記事をnote にて購入してくれています。
そこで、3記事全てを、1記事7000字~1万字くらいのボリュームに書き直すことにして、『コーヒー豆焙煎中に発生する基本的な化学反応』(その1)~(その3)については、エカワ珈琲店の独断と偏見、『コーヒー豆焙煎中に発生する基本的な化学反応/その1』に全文をまとめることにしました。
カール・スタウブ(Carl Staub)さんの講演録を参考にさせて頂いた記事は、 年老いた珈琲豆焙煎屋(エカワ珈琲店の天使湯)の独断と偏見に基づく解釈を、以下の9項目にまとめています。
(1)スクロース(ショ糖)/Sucrose
(2)コーヒーの褐色色素(コーヒーメラノイジン)
(3)セルロース
(4)トリゴネリン
(5)キナ酸
(6)ニコチン酸
(7)環境温度(雰囲気温度)
(8)Best Reaction Ratio(BRR/ベスト・リアクション・レシオ)
(9)最大環境温度(MET/最大雰囲気温度)
コーヒー豆の焙煎において、ショ糖はカラメル化の生成に関係していると考えられます。焙煎中に発生しているカラメル化反応は、焙煎コーヒー豆の色と独特の香りを作り出していると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
コーヒー豆焙煎で作られる褐色色素は、メラノイジンとカラメルが主要な成分となっていると年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。
カラメルはショ糖などから、メラノイジンはアミノ酸と還元糖(ブドウ糖や果糖など)が反応するメイラード反応によって作られます。
それに加えて、焙煎コーヒー豆の褐色色素の生成には、クロロゲン酸も関与していると理解しています。
コーヒー豆組織は、多量の均一性を持つ細胞壁マトリックスが発達していて、それを構成しているのがセルロースで、コーヒー豆焙煎中に発生する2ハゼと呼ばれている現象は、この細胞壁マトリックスが破壊される音だと年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。
トリゴネリンは、焙煎中にほとんどが熱分解してしまって、褐色色素となったり、ビタミンのニコチン酸(ナイアシン)や揮発性の香り成分であるピリジン類を生成します。
キナ酸とポリフェノール類のコーヒー酸が結合した物質が、クロロゲン酸類です。コーヒー生豆にも含まれていますが、大半のキナ酸は、クロロゲン酸類が焙煎中に分解して発生しています。
ニコチン酸は、ナイアシンとも呼ばれています。トリゴネリンが熱分解して、水溶性ビタミンのナイアシンを生成するので、焙煎中にその量は増加します。
トリゴネリンもキナ酸もニコチン酸(ナイアシン)も、コーヒーの香味に関与していると年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。
エンバイロメント テンパレイチャー(Environment Temperature)は、コーヒー豆焙煎中のドラム(シリンダー)内の雰囲気温度で、環境温度とも呼ばれています。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、この雰囲気温度(環境温度)を制御しながら焙煎作業を行っています。
コーヒー豆焙煎技術は、カップコーヒーの香味を最適化するのを目的として、コーヒー豆焙煎中に発生する化学反応を制御する技術です。その技術に必要なのが、熱量(エネルギー)の最適化です。それをベスト・リアクション・レシオ(Best Reaction Ratio/BRR)と表現することもあるようです。
1995年SCAA大会でのカール・スタウブさんの講演録に登場する『Maximum Environment Temperature』を日本語に翻訳すると、最大環境温度(or最大雰囲気温度) と表現できると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
コーヒー豆焙煎中の環境温度ですが、低すぎても支障がありますが、高すぎても支障があります。
この記事は、エカワ珈琲店の独断と偏見、『コーヒー豆焙煎中に発生する基本的な化学反応/その1』のダイジェスト版です。
全文は、note にて有料購読して頂けます。
⇒エカワ珈琲店の独断と偏見、『コーヒー豆焙煎中に発生する基本的な化学反応/その1』