街で楽しむコーヒー需要は好調で、日本でも海外でも喫茶店(orカフェ)の数が増え続けているようですが、ここ日本では、チェーン系の喫茶店・カフェが元気で、個人経営の喫茶店・カフェ(or独立系の喫茶店・カフェ)はあまり元気が無いように思われます。
喫茶店・カフェは、基本的に、立地や店舗デザインや設備・装備、それに店内の雰囲気が経営を左右する産業ですから、資本力と人的資本に依存する割合の高い産業だと理解しています。
だから、資金が豊富で業務マニュアルが確立していて、人的資本の育成に資金を投入できるチェーン系の喫茶店・カフェに、個人経営or独立系の喫茶店・カフェが太刀打ちできない状況になっているのだと思います。
例えば、ある地方都市での話です。
近所に老舗の喫茶店とチェーン系の喫茶店両方の店があって、老舗の喫茶店は直ぐに座れて注文できるのですが、チェーン系の喫茶店では座るのに順番を待たなければなりません。
お客さんが訪ねて来たので近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら雑談しようと、どちらの喫茶店が良いか訪問客に尋ねたところ、順番待ちをしてでもチェーン系の喫茶店でコーヒーを飲みたいと、その訪問客が答えたという話を最近耳にしました。
チェーン系の喫茶店・カフェに対抗して個人経営or独立系の喫茶店・カフェが生き残って行くには、差別化を徹底するという方法しか無いようです。
チェーン系の喫茶店・カフェの手が出ない領域で、個人経営or独立系の喫茶店・カフェだから可能な領域で差別化を徹底して行くしか無いだろうと考えています。
資本の乏しい個人経営の喫茶店・カフェは、儲けられないビジネスだと考えています。だから、「赤字にならなければ・・・」、「何とか食べて行ければ・・・」という気持ちで複業的に営むビジネスだと考えています。
そして、個人経営or独立系の喫茶店・カフェが営む複業として一番適しているのが、経験から、自家焙煎コーヒー豆小売ビジネスだと考えています。
日本でも、欧米でも、アジア・オセアニアでも、コーヒー豆を自家焙煎する喫茶店/ロースタリーカフェが増え続けているようです。
もしかしたら、世界的流行として、小型生産用コーヒー豆焙煎機が店内に備わっているのが、喫茶店・カフェの店舗デザイン・レイアウトの常識となって行くかもしれません。
欧米では、コーヒー豆を自家焙煎するレストランや小規模ホテルなども登場しているようです。
コーヒー豆を自家焙煎するということは、醸造(コーヒーを淹れる)技術以外に、コーヒーに対する学術的な知識や化学的な知識、それに焙煎技術を売ることを意味しているので、チェーン系の喫茶店・カフェと十分に差別化できるはずです。
何はともあれ、個人経営or独立系の喫茶店・カフェは、地域との関わり合い、手づくり、コーヒーに関する学術的な知識、コーヒーを淹れる(醸造する)技術、コーヒー豆の選択、コーヒー豆の焙煎技術、店独特の雰囲気などの変数を駆使して、チェーン系の喫茶店・カフェに対抗して行かなければ生き残れ無いと考えている今日この頃です。
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