スペシャリティーヒコーヒーは、2010年代の10年間で大きく成長しています。
煎りたて新鮮なスペシャリティーコーヒーを売り物にするコーヒー豆自家焙煎店が、相当なスピードで増え続けています。
これは、日本だけの現象では無くて、世界的レベルで発生している現象です。
年老いた珈琲豆焙煎屋が店主をしている零細生業じじばば店のコーヒー豆自家焙煎「エカワ珈琲店」は、人口30数万人の地方都市でスペシャリティーコーヒー専門の商売をしていますが、その商売が成り立っています。
以前(10数年前まで)は、コモディティーコーヒー生豆(一般的なコーヒー生豆)を原料に使ってコーヒー豆を自家焙煎していたのですが、2000年代の後半頃から、コーヒー生豆調達先(仕入先)の都合で、スペシャリティーコーヒー生豆を原料に使ってコーヒー豆を自家焙煎するようになりました。
それが功を奏して、零細生業じじばば商売のコーヒー豆自家焙煎店「エカワ珈琲店」は、今(2023年)も零細生業じじばば商売を続けることが出来ています。
【参考】エカワ珈琲店のコーヒー生豆調達先探しの旅は、下のリンク先ページの記事をご覧になって下さい。
スペシャリティーコーヒーへの関心が高まり続けていて、独立系の喫茶店・カフェ・レストラン・ホテルなどでスペシャリティーコーヒーメニューを目にすることが増えて来ています。
スペシャリティーコーヒーは、独立系の喫茶店・カフェと喫茶店チェーンの違いを鮮明にしてくれます。
コーヒーの淹れ方が異なっていて、使う器具・道具・消耗品も異なっていて、コーヒーに対する考え方も異なっています。
喫茶店・カフェ・レストランが仕入れる焙煎コーヒー豆は、大手・中堅ロースターが自動化された焙煎工場で大量焙煎して、整備された営業網を通じて大量販売するレギュラーコーヒーと、近所のコーヒー豆自家焙煎店で小型業務用コーヒー豆焙煎機を使って手作業で焙煎した新鮮な自家焙煎コーヒー豆(スペシャリティーコーヒー)のどちらかを選択するようになって来ています。
レギュラーコーヒーの場合、1つのロースターから仕入れるシングルコーヒーロースターのビジネスモデルが一般的です。
スペシャリティーコーヒーの場合は、1つのロースターからだけ仕入れるシングルコーヒーロースターのビジネスモデルと、複数のロースターからケースバイケースで仕入れるマルチコーヒーロースターのビジネスモデルが使えます。
2010年代に入ってから、世界中の喫茶店・カフェ・レストランで、このマルチコーヒーロースターのビジネスモデルを採用し始めているという話が聞こえて来て居ます。
マルチコーヒーロースターのビジネスモデルを採用している喫茶店・カフェ・レストランのメニューには、複数のコーヒー豆自家焙煎店(スペシャリティーコーヒーロースター)の自家焙煎コーヒー豆をメニューに載せています。
「本日のおすすめコーヒー」には、複数のスペシャリティーコーヒーロースターの自家焙煎コーヒー豆を順番に回転させながら使っています。
常連のスペシャリティーコーヒーロースターの自家焙煎コーヒー豆以外にも、期間限定のコーヒー豆自家焙煎店をゲストに向かえたりしています。
幾つかの酒造会社のお酒銘柄をメニューに載せている居酒屋さんと同じで、マルチコーヒーロースターのビジネスモデルを採用している喫茶店・カフェ・レストランは、幾つかのコーヒー豆自家焙煎店のスペシャリティーコーヒーをメニューに載せています。
マルチコーヒーロースターのビジネスモデルは、全国で盛んに開催されているコーヒーフェスティバルを、喫茶店・カフェ・レストランが単独で開催しているようなものだと思います。
シングルコーヒーロースターとマルチコーヒーロースターの両方のビジネスモデルには、コーヒー消費者・ロースター(コーヒー焙煎所)・喫茶店やカフェやレストランにとって、それぞれに短所と長所を持っています。
どちらのビジネスモデルがその店の経営に適しているかを、採用する前に十分に検討する必要があると思います。
シングルコーヒーロースターのビジネスモデルは、スペシャリティーコーヒーが普及する2010年頃までは、最も一般的な業務用焙煎コーヒー豆仕入れのビジネスモデルでした。
このビジネスモデルの利点をあげると、次のような利点があります。
シングルコーヒーロースターのビジネスモデルは、1つのロースターブランド(コーヒー豆焙煎会社)とのみパートナー関係を結ぶことで、様々なサポートを受けることができます。
シングルコーヒーロースターのビジネスモデルを楽しむ最大の贅沢は、ある特定のコーヒーについてよく知ることができる事につきると思います。
様々なサポートを受けられなくても、1つのコーヒーブランドに執着しているコーヒー消費者に受け入れられなくても、マルチコーヒーロースターのビジネスモデルを採用することには大きな利点があります。
まず、マルチコーヒーロースターモデルを採用することで、数多くのスペシャリティーコーヒーをメニューに載せることができます。
また、コーヒー消費者に多種多様な素晴らしいコーヒーを試して楽しんでもらう機会を提供できます。
喫茶店・カフェ・レストランのスタッフが、コーヒーの知識・情報・技術を取得できて、コーヒーに対する認識が向上します。
数多くのコーヒーの仕事に携わっている人たちと、親交を温めることもできます。
マルチコーヒーロースターのビジネスモデルは、喫茶店・カフェ・レストランの省力化(生産性の向上)と逆行する高コストのビジネスモデルかもしれませんが、このビジネスモデルを採用することで、スタッフはコーヒーを楽しみながら仕事が出来て、やりがいを持って仕事をすることができる可能性が高くなると思っています。
スペシャリティーコーヒーの静かなブームが続いているので、コーヒー消費者のコーヒーロースターに対する認識も変化を続けています。
お酒好きの人たちが、特定の有名ブランドのお酒を執着するのではなくて、中小の様々な酒蔵のお酒を試すために努力しているのと同様に、コーヒー消費者が様々なコーヒー豆自家焙煎店の自家焙煎コーヒー豆に興味を持つようになって来る可能性が高いと考えています。
もしかしたら、ブランド酒よりも地酒に興味を持つお酒愛好家が増えているお酒の世界と同じで、コーヒーの世界でも有名コーヒーブランドが闊歩するのは過去形になりつつあるのかもしれません。
有名コーヒーブランドよりも地元のコーヒー豆自家焙煎店ブランドに興味を持つコーヒー愛好家が、今後増えて行くような気がしています。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、コーヒーブランドが成長するスピードよりも、マルチコーヒーロースターのビジネスモデルの成長スピードの方が速い可能性が高いと思っています。
【参考】マルチコーヒーロースターのビジネスモデルについて、下のリンク先ページの記事も参考にして頂けるかもしれません。