1900年代から2000年代前半にかけてのアメリカ珈琲業界、スターバックスコーヒーなどの喫茶店チェーンが成長を続けていて、それと並行して、サードウェーブコーヒーと後に呼ばれるようになる独立系地域ロースターが登場して来ていました。
独立系地域ロースターの創業者たちは、最初、地域の喫茶店・レストラン向け焙煎コーヒー豆業務卸で基盤を固めて、余裕が出てくると喫茶店の経営も開始します。
スターバックスコーヒーに代表される喫茶店チェーンの主力コーヒーメニューは、ミルク・クリーム・シロップを使った甘味系深煎りコーヒーです。
喫茶店チェーンに追い込まれていた地域の喫茶店・レストランは、それに対抗するコーヒー商品を求めていたのかもしれません。
独立系地域ロースターは、その後、サードウェーブコーヒーと呼ばれるようになって、都市部では、スターバックスコーヒーなどの喫茶店チェーンをしのぐ勢いで成長して行きました。
2010年代後半の日本です。
スターバックスコーヒー、こめだ珈琲店、高倉町珈琲店などに代表される喫茶店チェーンが成長を続けていて、地域の独立系喫茶店(orカフェ)は、何となく元気が無いように見えました。
しかし、コーヒー豆自家焙煎店と呼ばれる小規模零細ロースターは、日本各地に相当数存在しています。
2000年前後の頃には、地域の小規模零細ロースター(コーヒー豆自家焙煎店)との取引に抵抗を示していた地域の独立系喫茶店(orカフェ)やレストランが、最近は、それほど抵抗を感じなくなっていました。
中には、積極的に地域の小規模零細ロースター(コーヒー豆自家焙煎店)との取引を希望する地域の独立系喫茶店(orカフェ)やレストランも出て来ていますした。
1990年代から2000年代前半にかけてのアメリカ珈琲産業の状況と、2010年代後半の日本珈琲産業の状況は、大変良く似ていると感じています。
独立系の喫茶店・カフェが、喫茶店チェーンに対抗する最も手っ取り早い方法は、地域のローカルロースター(コーヒー豆自家焙煎店)を活用することだと考えます。
大手・中堅喫茶店チェーンが提供するコーヒーは、基本的に大量生産・大量販売のコーヒーで、地域のコーヒー豆自家焙煎店から調達する焙煎コーヒー豆は、少量生産で少量販売の煎りたて新鮮な焙煎コーヒー豆です。
少量生産ですから、自家焙煎コーヒー豆のメニューも多様です。
レストランで提供するコーヒードリンクは、食事のサービスに提供している商品では無くて、利益率の高い、収益をもたらしてくれる商品だと思います。
地域の独立系喫茶店・カフェ・レストランの差別化戦略の一つとして、地域のコーヒー豆自家焙煎店の活用を考えるべきだと思っています。
2024年の今・・・
年老いた珈琲豆焙煎屋は、地方都市の和歌山市でコーヒー豆自家焙煎店を夫婦二人だけで営業しています。
勝手気ままに働いている隠居仕事ですから、それに夫婦の年齢・健康状態の問題もあって、喫茶店・カフエ・レストランとの業務卸取引はしていません。
しかし、大半のコーヒー豆自家焙煎店のオーナーは、65歳までの現役世代が占めています。
彼ら・彼女たちなら、地域の喫茶店・カフェ・レストランとの業務卸取引は可能だと思っています。
というよりも、それは、コーヒー豆自家焙煎店商売の経営を安定させるための必須業務だと思います。
2024年の今、10年から10数年前のコーヒー豆自家焙煎店を取り巻く経営環境とは、比べ物にならないくらいコーヒー豆自家焙煎店商売に注目が集まっています。
年老いた珈琲豆焙煎屋が、今(2024年)のコーヒー豆自家焙煎店を取り巻く経営環境で、10歳から10数歳若かったなら、地域の喫茶店・カフェ・レストランとの取引に積極的に取り組むと思います。