基本的にメイラード反応は成分間反応ですから、反応に関係する成分濃度の影響を受けていると思っています。
ですから、年老いた珈琲豆焙煎屋は、メイラード反応に伴う褐変(非酵素的褐変)の度合は、反応に関係する成分の量によって変化していると考えています。
【参考】コーヒー豆に含まれている水分とコーヒー豆の焙煎には、相当に強力な相関関係が存在していると考えています。ですから、年老いた珈琲豆焙煎屋がコーヒー豆の自家焙煎を語る時には、必ずコーヒー豆に含まれている水分の話が絡んできます。
水分活性は食品の保存性の指標となる数値で、食品中の自由水の割合をあらわす数値だと理解しています。
そして、コーヒー豆の焙煎では、コーヒー豆に含まれる自由水の量が焙煎スタイルに影響を与えると考えられています。
Chris Kornman(クリスコーマン)さんがローストマガジンのDaily coffee newsに寄稿した記事には、焙煎するコーヒー豆の水分活性が、出来上がった焙煎コーヒー豆の色(ローストカラー)やファーストクラック(1ハゼ)に著しい影響を与えているようだと記載されています。
水分活性とメイラード反応の関係では、水分活性が0.7付近でメイラード反応の活性がピークを迎えて、0.7を超えると反応物質(成分)が遊離水(自由水)で希釈されるので、メイラード反応の活性が低下するとも記載されています。
水分活性が0.7以上になると、微生物の繁殖によるコーヒー豆の劣化・腐敗にも注意する必要があると思います。
ちなみに、コーヒー生豆で水分活性が0.7という数値は、水分含量10数%~20%くらいだと推測されます。
輸入されるコーヒー生豆の水分含量は、一般的に10~12%くらいだとされているので、コーヒー生豆を焙煎する前に「水洗い」して一晩乾かしてから焙煎すると、コーヒー豆焙煎中の褐変反応が活発になる可能性が高くなると、年老いた珈琲豆焙煎屋は推測しています。
コーヒー豆(生豆)に含まれている水分は、コーヒー豆(生豆)の保管に影響を与えているとされていますが、コーヒー豆の焙煎にも大きな影響を与えていると考えています。
コーヒー豆に含まれている水分は、コーヒー豆焙煎プロセスの全てのステージで大きな役割を演じていると年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
生産国から輸出されるコーヒー生豆の含水率は10%前後で、その水分活性は4.5くらいだといわれています。
それが、1ハゼくらいになると、水分活性は、その半分の2.25くらいになると言われています。
ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋は、和歌山市雑賀屋町に店舗兼焙煎工房を構えている零細生業隠居商売のコーヒー豆自家焙煎店「エカワ珈琲店」の個人事業主です。
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