
選別・精製・ラベル分類された生豆は、焙煎により一般的な焙煎豆(レギュラーコーヒーまたは自家焙煎のクラフトコーヒー)となります。生豆のまま小売されることは稀です。
焙煎は生豆を物理・化学的に変化させ、味や香りの基礎を作ります。
焙煎が進むと水分が失われ重量が減り、体積は増えて密度は下がります。密度はパッケージの強度に影響します。
多くの化学変化はコーヒー豆の内部温度で200度くらいから始まり、生豆ごとに適した焙煎速度が若干違ってきます。
ちなみに、エカワ珈琲店が長年使っているバッチサイズ5kgのドラム式焙煎機の温度表示では、180度くらいから多くの化学変化が始まります。
(1)コーヒー豆の焙煎
コーヒー豆の焙煎は生豆を加熱して味や香りを引き出す工程で、水分が失われ重量が減る一方、体積が増え密度が下がります。
エカワ珈琲店は、豆ごとの特性に合わせた焙煎速度を重視しています。
(2)メイラード反応
焙煎中のコーヒー豆は大体160〜165度でメイラード反応が活性化し、色や香りが変化します。
特に175〜180度くらいで良い香りが生まれますが、焙煎機の違いや環境の違いによって、その温度目安は異なると思っています。
(3)カラメル化反応
カラメル化反応は焙煎中に糖が熱で分解して起こり、コーヒー豆の色が茶色くなる反応です。
ショ糖は約185度からカラメル化し、深煎りでほぼ消失してしまいます。
コーヒー豆焙煎温度が195〜205度でコーヒーオイルの成分が変化して、それが香りや味に影響します。
(4)コーヒー豆焙煎機
コーヒー豆焙煎機には「直火式・半熱風式」と「熱風式」の2タイプがあり、前者は少量生産向けで直接加熱、後者は熱風で加熱して大量生産が可能です。バッチ式や連続焙煎が出来るタイプがあります。
(5)コーヒー豆の焙煎プロセス
コーヒー豆の焙煎は熱吸収から始まり、約175~180度で豆自体が発熱するため熱量調整が必要です。
焙煎後は、小型機は送風、大型機は水冷で焙煎したコーヒー豆を冷却します。
(6)コーヒー豆焙煎と物理・化学的現象
エカワ珈琲店は、30数年のコーヒー豆焙煎経験を持っています。大体180度から210度の熱にコーヒー豆をさらして焙煎しています。
温度上昇に伴う水分蒸発や成分の熱分解、化学反応を制御して香味を調整しています。
(7)ローストプロファイル/焙煎プロファイル
ローストプロファイル(焙煎プロファイル)は、コーヒー豆の焙煎プロセスの設計図であり、生豆や焙煎豆の特性や焙煎条件を考慮して最適な焙煎方法を決める技術的作業だと理解しています。
(8)マスタープロファイル
エカワ珈琲店は、焙煎温度と時間に基づくマスタープロファイルを作成し、化学・物理変化を制御してコーヒー豆を焙煎しています。
そのマスタープロファイルをローストカーブ図で表すと、S字型曲線図になります。
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