新型コロナウィルスパンデミック以降、コーヒー豆(生豆)取引価格の上昇が続いています。
和歌山市のエカワ珈琲店は、それに対して値上げで対応しているので、2年か1年に1度、100g当たり50円程度の値上げを実施して来ています。
2023年までのコーヒー生豆取引価格の上昇ペースなら、2年か1年に1度の100g当たり50円の値上げで十分に対応出来ていました。
2024年のコーヒー豆先物取引価格の高騰は、全く予想外の出来事です。
何しろ、1年間でコーヒー豆先物取引価格が2倍になってしまったわけですから。
エカワ珈琲店は、今年(2025年)の3月、2020年代になってから恒例になっている、2年か1年に1度の100g当たり50円の値上げを実施しています。
しかし、100g当たり50円の値上げでは、これから始まるコーヒー生豆仕入れ価格の値上がりに対応するのは難しいだろうと思っていて、今年中に、少なくとも1回、もしかしたら2回、100g当たり50円の値上げを実施する事になるだろうと思っています。
エカワ珈琲店は73歳の爺さんがほぼ一人で商売を切り回している零細生業ジジババ店ですから、価格に対する柔軟性は持っていません。
価格に対する柔軟性を持っている大手・中堅のコーヒー豆焙煎企業でも、毎年のように小刻みな値上げを繰り返しているわけですから、零細生業ジジババ店のエカワ珈琲店は、コーヒー生豆仕入れ価格上昇分を自家焙煎コーヒー豆販売価格に転嫁するしか術が無いと思っています。
エカワ珈琲店は零細生業商売をしているコーヒー豆自家焙煎店で、コーヒー生豆の仕入れは、2000年代の中頃から総合商社の兼松㈱が運営しているコーヒーネットワークに全面依存しています。
2020年頃は、大体4か月から5か月で消費する量のコーヒー生豆を在庫していました。
2025年の今は、大体2か月で消費する量のコーヒー生豆しか在庫していません。
今年(2025年)の2月頃までは、それだけのコーヒー生豆在庫量で商売を廻す事が出来ていましたが、その状況が変わって来ているようです。
3月頃から、コーヒーネットワークで品切れ(完売)が目立つようになって来ています。
3月に登場したコーヒー生豆銘柄が、3月中に売り切れ(完売)になっています。
下のリンク先ページに、エカワ珈琲店が販売しているシングル(ストレート)銘柄・ブレンド銘柄と、その100g当たりの価格を掲載しています。
掲載しているシングル(ストレート)の自家焙煎コーヒー豆銘柄の中で、コスタリカは5月の上旬に、グァテマラは5月の終わりころまでに在庫が無くなってしまいますが、仕入れ先も在庫が無くなってしまっているようです。
ちなみに、コロンビアは、1月から品切れになっています。
コーヒー生豆仕入れ価格が上昇しても、コーヒ生豆を仕入れる事が出来れば、値上げで対応して商売を続ける事が出来ます。
しかし、コーヒー生豆を仕入れる事が出来なければ商売を続けることが難しくなります。
その不安があるので、コーヒー豆自家焙煎店を含めて中小のコーヒー豆焙煎事業者は、コーヒー生豆の在庫量を増やしているのだろうと思っています。
お米の価格高騰の構図と、同じような構図になって来ているような気がしています。
報道によると、米穀店の半数は売上が増加しているのに利益が減少していて、その半数の半数は赤字経営になっているという調査結果が出ているそうです。
米穀店の商売の構図と中小零細のコーヒー豆焙煎事業者の商売の構図は、よく似ていると思っています。
コーヒー豆自家焙煎店(零細事業者)を含めて中小のコーヒー豆焙煎事業者は、米穀店と同じような状況に置かれているような気がしています。
零細生業商売をしているコーヒー豆自家焙煎店が今の状況を乗り切るには、少量生産・少量販売と家族営業に徹して、出来るだけ出費を少なくして赤字になるのを避ける努力をして、あとは我慢で乗り切るしかないような気がしています。
零細生業ジジババ商売をしているコーヒー豆自家焙煎店「エカワ珈琲店」は、コーヒー生豆仕入れ価格の高騰には『値上げ』で対応するつもりですが、『品不足』には「売り切れ御免」で対応するしか無いと思っています。
何とかしてコーヒー生豆の在庫量を増やすという対応は、今のエカワ珈琲店の台所事情と年齢・健康の事情を考えれば危険すぎます。
2020年代に入ってから、相当程度に少量生産・少量販売のコーヒー豆自家焙煎店に舵を切って来ましたが、それだけでは不十分だと思い始めています。
もっともっと、きめの細かい少量生産・少量販売を目指す必要があると思っています。
自家焙煎コーヒー豆販売価格を値上げしなければ商売の継続が不可能ですから、きめの細かい少量生産・少量販売は不可欠で、それが「零細生業ジジババ店のマーケティング」だと思っています。