地方都市の小さなコーヒー豆自家焙煎店はどのような仕事をしているのだろうか

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パパママ規模の自家焙煎コーヒー豆小売専門店を、ある地方都市で30年間営んでいる珈琲豆焙煎屋さんがあります。

その、珈琲豆焙煎屋さんが、どのような仕事をしているのか気になるという好奇心旺盛な人も、ごくまれだと思いますが居るかもしれません。

 

   

原料(コーヒー生豆)の購入

コーヒーノキから赤く熟したコーヒー果実を収穫して、その果実の皮と実を取り除いて種だけを取り出します。その種がコーヒー生豆です。

コーヒー生豆生産地は、南北回帰線から赤道の間に点在する国々です。コーヒー生豆は、生産地の国々から消費地の国々に輸出されます。

生産地の国々からコーヒー生豆を輸入するのは、主に消費地の貿易商社です。

コーヒー生豆は、貿易商社からコーヒー生豆問屋さんを経由して、珈琲豆焙煎屋さんに販売されるのが一般的です。(日本のコーヒー生豆流通ルート)

コーヒー豆自家焙煎店の場合、貿易商社→コーヒー生豆問屋→ロースター(ある程度の規模を持つ珈琲豆焙煎屋)→コーヒー豆自家焙煎店というルートでコーヒー豆を購入することもあります。

パパママ規模の自家焙煎コーヒー豆小売専門店を、ある地方都市で30年間営んでいる珈琲豆焙煎屋さんは、貿易商社からコーヒー生豆を購入しています。

貿易商社から直接購入できているのは、その貿易商社がコーヒー生豆の輸入で後発だったからです。

スペシャリティーコーヒー生豆の場合、珈琲豆焙煎屋さんが直接、生産地の農園を訪問して、あるいはインターネットオークションで直接購入することもあるようですが、ある地方都市の小規模なコーヒー豆自家焙煎店には関係の無い話です。

ただし、パパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店も、そのコーヒー生豆調達先である貿易商社も、コーヒー生豆の倫理的調達の必要性については十分認識しています。

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コーヒー生豆から焙煎コーヒー豆へ

とある地方都市の小規模な(パパママ規模の)コーヒー豆自家焙煎店には、30年前に購入した最大で5kgのコーヒー生豆を焙煎可能な生産用小型コーヒー豆焙煎機が1台あるだけです。自動化された製造ラインや最新の工場設備とは縁がありません。

この小規模なコーヒー豆自家焙煎店は、「ああでも無い、こうでも無い」と考えながら、これまで蓄えて来た経験・知識・技術を駆使した手づくりの焙煎コーヒー豆を作ることに生き甲斐(自己満足的な達成感)を感じています。

少量生産(手工業)に徹しているので、浅煎り、中煎り、深煎り、あるいは、柔らかいコーヒー生豆と固いコーヒー生豆、あるいは、自然なコーヒー生豆とデカフェのコーヒー生豆などなど、コーヒー生豆の状態に応じてケースバイケースで煎り分けることができます。

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焙煎サイクル

とある地方都市の小規模なコーヒー豆自家焙煎店は、美味しく召し上がって頂ける期間を、豆の姿のままで保存して、焙煎した日から4~5週間くらいが限度だと考えているので、焙煎した日から1週間~10日、長くて2週間以内に売り切れる量だけコーヒー生豆を焙煎加工することにしています。

焙煎サイクルを決めるについては、完全に、これまでの経験に依存しています。10銘柄くらいのコーヒー生豆を焙煎加工しているわけですが、経験に依存した焙煎サイクルで上手く回せています。

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焙煎プロファイルの作成

大量のコーヒー生豆を10数分くらいで焙煎するのは、非常に難しい作業だと思います。焙煎中に発生する数多くの化学反応を制御するのにも、温度や湿度や空気の流れなどの環境条件を制御するのにも、相当な困難を伴うはずです。

しかし、少量のコーヒー生豆を小型生産用コーヒー豆焙煎機を使って10数分~20数分で焙煎するのは、工業用の大型コーヒー豆焙煎機を使って大量のコーヒー生豆を焙煎するよりも難易度は相当に低くなります。

プロファイルの作成も、比較的簡単です。といっても、とある地方都市の小規模なコーヒー豆自家焙煎店は、1つのコーヒー生豆銘柄の焙煎プロファイルを作成するのに数キログラムの焙煎コーヒー豆を芳香剤(or消臭剤)にしているわけですが。

焙煎プロファイルの作成には、焙煎中のコーヒー豆温度・焙煎中の雰囲気温度・焙煎時間など、それと焙煎機周囲の環境変化の記録(or記憶)は欠かせません。もちろん、焙煎前のコーヒー生豆と焙煎終了後の焙煎コーヒー豆を比較して、その重量変化や色の変化を記録(or記憶)しておくことも必要です。

また、試験的に焙煎した焙煎コーヒー豆の品質テストも欠かせません。風味・酸味・甘味・苦味・後味・ボディーを慎重に評価して、コーヒー豆銘柄の焙煎プロファイルを完成させています。

1か月くらいかけて2度~5度くらいの試験焙煎を経て、焙煎プロファイルが完成すれば、自店の焙煎コーヒー豆メニューに、そのコーヒー豆銘柄を登場させます。

ちなみに、固有の焙煎機には、その焙煎機に適した焙煎プロファイル(ロースティングプロファイル)があるはずです。焙煎機が異なれば、当然、プロファイルも異なってきます。

とある地方都市の小さな珈琲豆焙煎屋さんは、サンプルロースターでは無くて、実際にコーヒー豆を焙煎する生産用小型焙煎機を使ってコーヒー豆の焙煎プロファイルを作成しています。

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個性的な焙煎コーヒー豆を売っている

焙煎コーヒー豆の風味・酸味・甘味・苦味・後味・ボディーなどは、設計した焙煎プロファイルによって違ってきます。

コーヒーの味覚は、コーヒー豆焙煎の個性を引き継いでいるわけです。

とある地方都市のパパママ規模のコーヒー豆自家焙煎店は、親しみやすくて心地よい後味を感じる伝統的な味覚のコーヒーが大好きですから、そのようなタイプの焙煎コーヒー豆を作り出すことに価値を見出しています。

というように、焙煎コーヒー豆の少量生産・少量販売を得意とするコーヒー豆自家焙煎店は、自分たち好みのコーヒーを醸造可能な焙煎コーヒー豆を売っています。焙煎コーヒー豆を通じて、自分たちの価値感と個性を表現しているわけです。

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文化と文化の橋渡し

一般的に、小規模なコーヒー豆自家焙煎店は、地域密着・お客様密着ビジネスを営んでいます。

ですから、コーヒー豆生産地に関する情報、コーヒー豆焙煎に関する情報などを、お客さんに知らせる努力をしています。また、お客さんがコーヒーを淹れるスキルを磨く手助けにも積極的です。

コーヒー豆生産地の情報をお客さんに伝え、自分たちのコーヒー豆焙煎やブレンドに関する情報もお客さんに伝え、お客さんのコーヒーを淹れる技術向上を手伝たりして、お客さんとのつながりを深める努力をしているわけです。

また、積極的にコーヒー豆生産地の情報をお客さんに伝えることで、コーヒー豆生産地の農園と消費地のお客さんとの橋渡しをしています。

パパママ規模の小さなコーヒー豆自家焙煎店の店主夫婦は、コーヒー豆を焙煎加工する職人ですが、生産地と消費地の文化と文化を橋渡しをする商人でもあるわけです。

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