喫茶店市場ですが、成長市場では無くて飽和状態の市場だと感じています。しかし、喫茶店チェーンやコンビニコーヒーなどは繁栄していて、街で飲むコーヒーがブームを謳歌しているように見えます。
新規オープンの喫茶店・カフェも、後を絶ちません。巷では、高品質のコーヒーに対する需要が高まっているようにも感じられます。
活況を呈している街で飲むコーヒーと比べて、家庭で飲むコーヒーについての話題は少なくなっています。でも、台所から立ち上るコーヒーの香りを好きだという人は多いと思います。
今も昔も、その台所から立ち上るコーヒーの香りを作りだしているのが、1980年代に登場して来た家電製品のドリップ式コーヒーメーカー(半自動式のドリップ式コーヒーメーカー)です。
1989年(平成元年)、自家焙煎コーヒー豆小売販売を開始したエカワ珈琲店のターゲットとする市場は、焙煎コーヒー豆の家庭用市場でした。
日本の喫茶店数が約16万店舗と最大を数えたのが1980年代の前半で、その頃から、家庭用焙煎コーヒー豆市場の成長が始まりました。同時に、オフィスコーヒーサービスという業務用焙煎コーヒー豆市場の成長も始まっています。
家庭用焙煎コーヒー豆市場とオフィスコーヒーサービス向け業務用焙煎コーヒー豆市場の成長を後押していたのが、使い勝手が良くてお手頃価格のドリップ式半自動コーヒーメーカーの登場でした。
そして、その頃(1980年代の前半)をピークに、日本の喫茶店数の減少が始まりました。
現在(2019年)のコーヒーメーカー年間販売台数ですが、世界全体で約6000万台くらいだとされています。
販売されているコーヒーメーカーの半分以上はドリップコーヒー用のコーヒーメーカーで、残りは、エスプレッソコーヒー用コーヒーメーカーとシングルサーブ用コーヒメーカーだとされています。
ドリップ式の半自動式コーヒーメーカーは、手頃な価格で使い勝手が良いなど利点が多いので、コーヒーメーカー市場でトップの人気を誇っているようです。
世界で販売されているコーヒーメーカーの半分は、ドリップ式半自動コーヒーメーカーが占めているとも言われています。
しかし、近年、利便性を追求する消費者が増えて来て、ほぼ全自動のコーヒーメーカーやシングルサーブコーヒーメーカーに対する需要が増えているようです。
この、ほぼ全自動のコーヒーメーカーやシングルサーブコーヒーメーカーについては、性能が日進月歩で向上していて価格も下がって来ているようですから、今後、コーヒーメーカー市場に占める割合が高くなって行くのだろうと推測しています。
ドリップ式コーヒーメーカーの需要は、家庭用だけではありません。レストランやカフェ、それにホテル・宿泊施設でも、ドリップ式コーヒーメーカーに対する需要が存在しています。
ドリップ式コーヒーメーカーに対する需要は、今後とも、安定した状態で推移して行くのは間違い無いと考えています。
エカワ珈琲店ですが、自家焙煎コーヒー豆小売販売を開始した1990年前後、色々なドリップ式コーヒーメーカーを購入して、自店の焙煎コーヒー豆と幾つかのドリップ式コーヒーメーカーとの相性を試したものです。その後、オフィスコーヒーサービス市場から追い出されて、ハンドドリップ一辺倒に傾斜して行きました。
でも、コーヒー豆焙煎屋商売を続けていて、これからも続けて行こうと考えているわけですから、初心に帰って、幾つかのドリップ式コーヒーメーカーと自分たちで焙煎加工した焙煎コーヒー豆との相性を試す必要があると考えている今日この頃です。