年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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デカフェ(カフェインレスコーヒー)豆の製造方法、その3つのプロセス

コーヒー生豆からカフェインだけを取り除いたコーヒーを、デカフェ、あるいはカフェインレスコーヒーと呼んでいます。

高齢化社会とそれに伴う健康志向の影響で、最近、デカフェ(orカフェインレスコーヒー)が注目されているように感じられます。

生産地で栽培収穫されるほとんどのコーヒー豆には、カフェインが含まれています。

それが自然のなせる業ですから、コーヒー豆に含まれているカフェインを人為的に取り除く必要があるのだろうかと考えていた時期も、年老いた珈琲豆焙煎屋にはありました。還暦前くらいまで、10歳以上若かった頃の話です。

 

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しかし、コーヒーに含まれているカフェインの薬理作用が体調の邪魔をするということで、コーヒーを飲むのをあきらめている人がいます。また、コーヒーを飲まずに暮らせないということで、体調が悪くなるのを覚悟してコーヒーを摂取している人もいます。

カフェインを含まないコーヒーがあれば、その人たちも安心ししてコーヒーを楽しめます。

ということで、エカワ珈琲店もカフェインレス(orデカフェ)の焙煎コーヒー豆を商品メニューに加えてみようかと考えています。

ただ、カフェインレス(orデカフェ)コーヒー豆の焙煎は相当に難しいので、現在(2019年4月)、「ああでもない、こうでもない」と焙煎プロファイルの作成に頭をひねっている今日この頃です。

ちなみに、エカワ珈琲店とは、年老いた珈琲豆焙煎屋が店長(店主)をしている自家焙煎コーヒー豆小売店の屋号です。(規模は、零細生業パパママ店です)

 

カフェインレスのコーヒー豆をデカフェと呼んでいるのですが、カフエインを100%取り除いているわけではなくて、97%以上カフェインを除去しているコーヒー豆をデカフェと呼んでいるようです。

コーヒー1杯(120㏄)で約60mgのカフェインが含まれているそうですから、カフェインレス(デカフェ)の場合、コーヒー1杯(120㏄)で多くて1.8mgのカフェインが含まれている計算になります。

 

現在(2019年4月)のところカフェインの除去は、コーヒー生豆の段階で行われていて、その方法には、3種類のカフェイン除去方法があるようです。

カフェインは水溶性(水に溶ける性質)の物質ですから、実用で使われている3種類のカフェイン除去方法のすべてで水が使われます。

その水ですが、カフェインだけでなくて、香りや風味の基となる水溶性のコーヒー成分も一緒にコーヒー豆から取り除いてしまいます。ですから、有機溶剤や活性炭・二酸化炭素を使って、カフェイン以外のコーヒー成分の除去量をできるだけ少なくする努力をしているようです。

 

ちなみに、 現在(2019年)、コーヒー豆のカフェインを除去するのに使われている方法は、有機溶媒を使ってカフェインを除去するプロセス、水だけでカフェインを除去するプロセス、化学溶媒の代わって二酸化炭素を使ってカフェインを除去するプロセスの3つです。

有機溶媒を使ってカフェインを除去するプロセスですが、塩化メチレンや酢酸エチルが溶媒として使われていて、直接溶媒とコーヒー豆を接触させてコーヒー豆からカフェインを除去する方法と、溶媒とコーヒー豆を接触させないでコーヒー豆からカフェインを除去する方法の2つのプロセスが知られています。

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1933年にスイスで考案されて、1988年にカナダのスイスウォーター社が実用化した、水だけを使ってカフェインを除去する方法がスイスウォータープロセスです。

コーヒー豆の風味成分を失うことなくコーヒー豆からカフェインだけを除去する方法で、有機溶媒や化学物質を使わないので、有機栽培のコーヒー豆のカフェイン除去は、全てスイスウォータープロセスが採用されています。

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最近、注目を集めているコーヒー豆からのカフェイン除去方法が、二酸化炭素プロセスです。

有機溶媒の代わりに超臨界状態の二酸化炭素を使って、カフェインを選択的に除去する方法が二酸化炭素プロセスです。

空気中に自然に存在していて、植物の光合成に使われているのが二酸化炭素です。

その二酸化炭素に圧力を加えて気体でも液体でもない状態にしているのが超臨界二酸化炭素で、圧力を解除すれば普通の二酸化炭素を戻るわけですから、スイスウォータープロセスと同じくらいの安全性を持っているコーヒー豆からのカフェイン除去方法だと言われています。

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