コーヒー醸造の科学101

焙煎コーヒー豆を顆粒または粉くらいの大きさに粉砕して、コーヒー醸造器具にセットします。例えば、ドリッパーに紙フィルターと焙煎コーヒー豆粉砕物(顆粒or粉)をセットして、その上から熱いお湯を注ぎます。しばらくすると、ドリッパーからサーバーにコーヒーが落ちて来ます。

このプロセスの中にも、色々なコーヒー醸造の科学が存在しています。

f:id:ekawa:20161020205230j:plain

 

コーヒーの醸造は、焙煎コーヒー豆を粉砕して、その粉砕物(焙煎コーヒー粉or顆粒)から、水(お湯)を使ってコーヒーの可溶性成分を引き出すプロセスだと理解しています。

コーヒーは、コールドブリューコーヒー(水出しコーヒー)などを除いて、大体はお湯を使って醸造して(淹れて)います。

焙煎コーヒー豆粉砕物から、数百に及ぶコーヒー特有の成分が、お湯の中に抽出されて(移動して)来ます。これを、コーヒー成分の抽出と呼んでいます。

 

一杯のコーヒーの中に溶解している成分には、風味や芳香の優れた美味しさを作り出す成分と、嫌な味や雑味を作り出す成分の両方があると考えています。

コーヒー成分抽出のコツは、焙煎コーヒー豆に含まれているコーヒーの美味しさを作り出す成分を適当量だけ引き出して、嫌な味や雑味を作り出す成分の抽出量の割合をできるだけ少なくすることだと言われています。

そのためには、コーヒー醸造プロセスをある程度科学的に把握して置く必要があると考えています。

 

焙煎コーヒー豆の品質はコーヒー醸造の重要な要件ですが、水の品質も重要な要件です。そして、焙煎コーヒー豆粉砕物と水(お湯)の相互関係は、小さな数多くの変数の影響を受けています。

水には、ミネラル成分が多く含んでいる硬水と適量含んでいる軟水があって、コーヒーを淹れるのに適している水は、ミネラル成分が適量含んいる軟水だと言われています。

 

ミネラル成分を多く含んでいる水でコーヒーを淹れると、苦味が強くなってコーヒーの風味に悪影響が出ます。

水に含まれるミネラル成分が少なすぎると、コーヒーの風味のバランスが悪くなって不安定な味のコーヒーが出来上がります。

 

コーヒーを淹れる時に使うお湯(水)の温度は、90度~96度くらいが珈琲業界の標準となっています。

それよりもお湯(水)の温度が高ければ、苦いコーヒーが出来上がります。お湯(水)の温度が低ければ成分抽出が不完全なコーヒーが出来上がります。

浄水器を使ってコーヒー醸造に最適な水を作るという方法も考えられますが、日本の水道水は軟水ですから、沸騰させたお湯を少し冷ましてからコーヒー醸造に使用しても、それなりのコーヒーが出来上がると言われています。

 

焙煎コーヒー豆の挽き方も、コーヒーの風味に関係してきます。

すべての焙煎コーヒー豆粉砕物(粉or顆粒)が同じ大きさに粉砕されるわけでは無くて、大きい小さいという挽きムラが出来ます。できるだけ、焙煎コーヒー豆粉砕物の挽きムラを少なくして粒の大きさが揃うように挽く(粉砕する)のが理想です。

大きさが揃っていれば、コーヒー成分を均一に抽出することができます。揃っていなければ、大きな粒が抽出不良で小さな粒が抽出オーバーというように、抽出されるコーヒー成分に濃度の差が発生します。その結果、コーヒーの風味に影響が出てきます。

 

コーヒーを淹れるのに最適な焙煎コーヒー豆粉砕物のサイズは決まっていません。これは、試行錯誤しながら最適な粉砕サイズを探し出すしか方法がありません。コーヒーの醸造では、微調整が大きな違を作り出します。

 

水とコーヒーの接触時間を重力によってコントロールする淹れ方が、ドリップ式コーヒー醸造方法です。

焙煎コーヒー豆粉砕物に投入するお湯の量を多くすると、重力の影響でコーヒーの落ちるスピードが速くなります。早く落ちればコーヒーは薄くなります。

焙煎コーヒー豆粉砕物が細かければ、お湯との接触面積が広くなるのでコーヒーが濃くなります。また、お湯との接触時間が長くなってもコーヒーが濃くなります。

 

コーヒーの醸造方法が変われば、お湯と焙煎コーヒー豆粉砕物の接触時間も変わります。接触時間が変われば、焙煎コーヒー豆粉砕物の挽き具合を変える必要があります。

例えば、エスプレッソコーヒーは接触時間が短いので、焙煎コーヒー豆粉砕物を細かく挽く、サイフォンコーヒーはドリップ式よりも接触時間が短いので、 焙煎コーヒー豆粉砕物をドリップ式で使う時よりも細かく挽くというように・・・。

 

焙煎コーヒー豆粉砕物から、美味しさを作り出す風味や芳香の優れた成分を十分に取り出せていない時に発生するのが、抽出不良です。

酸っぱい、しょっぱい、辛い、コーヒーを口の中に含んだらコーヒーの風味がすぐに消えてしまうなどが、抽出不良の指標です。

焙煎コーヒー豆粉砕物が粗すぎる、コーヒーを淹れるのに使うお湯の温度が低い、コーヒーを淹れるスピードが速すぎるなどが抽出不良の原因として考えられます。

 

抽出オーバーは、焙煎コーヒー豆粉砕物から風味成分が過剰に取り出された時に発生します。コーヒー成分が過剰に抽出されると、苦すぎる、辛味を感じる、嫌味な風味を感じるコーヒーが出来上がります。

抽出オーバーの原因として、焙煎コーヒー豆粉砕物の粒子が細かすぎる、抽出に使うお湯の温度が高すぎる、コーヒーを淹れるスピードがゆっくり過ぎるなどが考えられます。