1996年8月、スターバックスコーヒーの日本進出1号店が東京・銀座に開店して、日本におけるスターバックスコーヒーフィーバーが始まります。
日本に進出する何年も前から、喫茶・コーヒー関係の専門雑誌で、アメリカ合衆国で巻き起こっているスターバックス現象が頻繁に報じられていて、コーヒー業界の人間なら、その名前(ブランド)を誰もが知っていました。
日本の喫茶店が衰退を続けていた時期、アメリカでは、スターバックスコーヒーという喫茶店が急成長していたのですから、日本で注目されるのは自然の成り行きだったわけです。
日本進出当時、すでに知名度バツグンだったスターバックスコーヒーは、マスコミで大々的に紹介されて、急速に店舗数を増やしていきます。
そして、出店すれば、どの店も超繁盛店となって、店内からお客さんが溢れ出て行列を作っている状態が何年間か続いていました。
コーヒー専門雑誌に、あなたの店の近くにスターバックスコーヒーが出店したらどうするの、という訳の分からない記事が掲載されていたのを覚えています。
その頃、和歌山市内には、スターバックスコーヒーの店が存在していなくて、関西国際空港内のスターバックスコーヒーが、エカワ珈琲店(店主は年老いた珈琲豆焙煎屋)の一番近くに位置するスターバックスコーヒーでした。
そのスターバックスコーヒー(関西国際空港店)に、数度、足を運んだのですが、その度に、店内がお客さんで溢れていて行列が出来ていたのを覚えています。
スターバックスコーヒーが初めて和歌山市に進出してきた頃、スターバックスコーヒーフィーバーも少し落ち着き始めていて、それほど行列は出来ていなかったのですが、店内はお客さんで溢れていました。
その頃、スターバックスコーヒーのコーヒー豆を貰ったという話を、度々、お客さんから聞いたのを覚えています。
現在(2024年)、スターバックスコーヒーの店舗は、和歌山市内に何店舗か存在しています。
何れも、人の集まる場所に出店しているので、普通の喫茶店よりも繁盛していることは確かなのですが、あのブームの頃と比べると完全に落ち着いています。
スターバックスコーヒーは、そのブランドを積極的に活用する方針なのかどうかわかりませんが、スターバックスブランドのチルドカップコーヒーがコンビニエンスストアーで販売されています。
アメリカでは、スターバックスブランドの焙煎コーヒー豆が、スーパーマーケットに山積みされて売られているという話も、何年か前(2010年代中頃)に聞いたことがあります。
スターバックスコーヒーが日本に進出して来て、10年とちょっとの間、2000年代後半まで、エカワ珈琲店のような古いタイプの珈琲屋は、スターバックスコーヒーが日本に持ち込んできたエスプレッソコーヒーというものに悩まされ続けてきました。
2010年前後の頃から活発化したサードウェーブコーヒーブームの影響もあって、2010年代になると、日本のエスプレッソコーヒーブームも完全に鎮静化して、紙フィルターや布フィルターを使ってコーヒーを淹れる昔ながらのハンドドリップコーヒーへと回帰して行きました。