アメリカで発生した「コーヒー第3の波」ですが、日々、進化しているのだと思います。
地域の中小ロースター(焙煎会社)が、独立系の喫茶店チェーンや喫茶店、高級食料品店、独立系レストランに焙煎コーヒー豆を供給することで、供給する側も供給される側も共に成長して行ったのが、アメリカで発生したサードウェーブコーヒー(コーヒー第3の波)の初期形態なのだと思います。
アメリカでサードウェーブコーヒー現象が発生した2000年代、成長を続ける地域ロースターの中で、急成長して注目されたロースターが、カウンターカルチャーやスタンプタウン、インテリジェンシアなどの有名ロースターなのだと思います。
2010年代になると、独立系の喫茶店が、幾つかの有名・無名のロースター(焙煎会社)から焙煎コーヒー豆を仕入れるマルチロースターが流行します。
そして、2010年代の半ばになって、独立系の喫茶店がコーヒー豆を自分たちで焙煎するナノロースター(コーヒー豆自家焙煎店)の時代に突入しようとしているのだと思います。
Daly Coffee News は、2016年10月13日付けで、コーヒー生豆輸入業者「 Crop to Cup Coffee Importers」が、スペシャリティーコーヒー焙煎用に設計した700g容量の小型焙煎機を2016年11月から販売すると報じてます。
スペシャリティーコーヒー焙煎用のコーヒー豆焙煎機ですから、当然、ドラム(シリンダー)内の空気の流れを調節できるのだと思います。
ブルートゥース(Bluetooth)でパソコンと接続できるということですから、ローストプロファイルの管理も簡単なのだと思います。
中国で生産しているということで、販売価格は3490ドル(約35万円)と発表しています。
(CROP TO CUP COFFEE IMPORTERSのサイトより引用)
21世紀に入ってアメリカで発生した「コーヒー第3の波/サードウェーブコーヒー」現象を観察していると、1970年代、1980年代の日本で発生した喫茶店ブームを思い出します。
昭和の喫茶店ブーム=喫茶店に焙煎したコーヒー豆を供給するロースター(焙煎会社)躍進の時代だったのだと思います。
そして、1990年前後からは、コーヒー豆を自家焙煎する喫茶店やエカワ珈琲店タイプの自家焙煎コーヒー豆小売店が増え始めました。
何故、コーヒー豆自家焙煎商売が成り立ったかというと、小型のコーヒー豆焙煎機を供給する焙煎機メーカーが存在していて、原料であるコーヒー生豆を供給する事業者が存在していたからだと思います。
ということで、日本もアメリカも、コーヒー豆自家焙煎(=ナノロースター)の時代に突入して行くのだと思います。
「供給があるから需要がある」のが経済の基本原理だとすると、小型のコーヒー豆焙煎機やコーヒー生豆の供給については、アメリカが1歩か2歩先を歩んでいるように感じられます。
ちなみに、「 Crop to Cup Coffee Importers」が今回売り出すタイプのコーヒー豆焙煎機が50万円以内で売られているなら、エカワ珈琲店は購入を検討します。
でも、残念ながら、日本では、50万円以内でこのタイプのコーヒー豆焙煎機を購入するのは不可能です。