1980年代の中頃、喫茶店最盛期、喫茶店の店舗数は10数万店を数えていました。そして、その大半は、個人経営の喫茶店でした。
それが、1990年前後の頃には約13万店舗と、数年の間に3万店舗から4万店舗も減少していました。
そして、巷間では、「喫茶店からのコーヒー離れ」という風評が流れていたわけです。
当時の雑誌記事に、そのような風評が流れる原因と、その対策に関して投稿した記事が掲載されています。
その記事を書いたのは、生前、高名なコーヒー研究家で「かなざわ喫茶村」の村長をされていた鞍信一さんです。
4分の1世紀以上前の記事ですが、現在(2020年)でも通用する内容の記事となっています。やはり鞍信一さんは、私たちコーヒー屋の偉大なる大先輩なのだと思います。
その内容を簡単に・・・
まず、風評が流れる原因です。
インスタトコーヒーの普及、自動販売機で缶コーヒーが売れている、家庭や職場でコーヒーを簡単に淹れられるようになった、喫茶店のコーヒーが美味しくない、以上4点です。
それらの原因に対する対策です。
自動販売機のような商売をしてはダメ、仕入れたものをそのままお客さんに売る商売をしてはダメ、店は個性的でなければダメ、そうすれば小さな個人店でも生き残れる。
1990年代の初め頃、当時、柴田書店から発行されていた月刊喫茶店経営に、鞍信一さんが連載していたコラム記事に書かれていた喫茶店が生き残るためのエッセンスです。
この記事、30年前に金沢喫茶村の鞍信一さんが教えてくれた「喫茶店が生き残る方法」は、昭和の喫茶店物語(note版)に収載している記事から抜粋しています。
何んといっても、昭和の個人経営の喫茶店にはものすごいパワーが存在していました。間違いなく、昭和の喫茶店の主流は、生業商売のパパママ経営の喫茶店だったし年老いた珈琲豆焙煎屋は理解しています。
なお、「昭和の喫茶店物語」については、続編を予定しています。お楽しみにして待って頂けたなら幸いです。
ちなみに、喫茶店の物語(note版)には、7つの物語を収載しています。その7つの物語の簡単な説明は、下のリンク先ページでご覧になって頂けます。