年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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焙煎日の確認できる自家焙煎コーヒー豆の保管方法

自家焙煎コーヒー豆の新鮮な香り・風味をできるだけ長い期間保持して置くためには、自家焙煎コーヒー豆を適切に保管(保存)して置く必要があると思っています。

涼しくて乾燥していて、それに加えて光の当たらない場所にて気密性の高い密閉容器に入れて保管(保存)して置くのが良いと言われています。

 

保管中(保存中)に自家焙煎コーヒー豆の香り・風味を劣化させる原因として、昔から言われているのは、次の4つの原因です。

1番目の原因は、空気(酸素による酸化)です。

2番目の原因は、湿度(湿気の吸収)です。

3番目の原因は、熱(高い温度)です。

4番目の原因、光です。

 

焙煎した日からそれほど日にちの経過していない鮮度の良い自家焙煎コーヒー豆には、密閉性の高い袋や真空パック包装は適していません。

というよりも、そのような包装形態を採用するのは無理だと思っています。

理由は、密閉性の高い袋に鮮度の良い自家焙煎コーヒー豆を密封包装すると、新鮮な自家焙煎コーヒー豆から放出される二酸化炭素ガスによって、密封包装した袋が膨らんで来るからです。

 

自家焙煎コーヒー豆の場合、煎りたて新鮮という性質から、紙袋などの密閉性の低い包装袋を使っています。

鮮度の良い煎りたて自家焙煎コーヒー豆の場合、包装形態に依存する必要は無いと思っています。

焙煎日から1か月くらいは常温保存(保管)、それ以上の期間保存(保管)するならジップロップなどの密閉袋(容器)に入れて冷凍庫で保存(保管)すれば、ある程度は風味を維持できると思います。

 

【目次】

 

【1】焙煎コーヒー豆は長期間保存に耐えられない

コーヒー生豆は、長期間(2年から3年くらい)の保存に耐えられますが、焙煎コーヒー豆は、長期間の保存に耐えることができません。

コーヒーは香りの飲み物だと言われていますが、焙煎してから4週間くらい経過すると、香り成分の大半は失われてしまいます。

それが、コーヒー消費地の近くでコーヒー豆を焙煎加工しなければならない理由となっています。

ですから、コーヒーの果実から取り出された種を洗浄・乾燥させて(精製加工して)、コーヒー生豆の形で生産国から世界中のコーヒー消費地に出荷されているわけです。

コーヒー生豆の生産から焙煎コーヒー豆の販売までの間で、最も付加価値を作れるのがコーヒー豆の焙煎です。

コーヒー消費地から離れているコーヒー生豆生産国は、コーヒー豆を焙煎して世界各地に出荷することができません。

コーヒー消費地にやって来たコーヒー生豆は、消費地のコーヒー豆焙煎事業者の手で焙煎コーヒー豆に加工されて店頭に並びます。

コーヒー消費者は、その店頭に並んでいる焙煎したコーヒー豆を購入しています。

 

【2】焙煎コーヒー豆は毎日変化している 

焙煎コーヒー豆は、調理食材です。

焙煎コーヒー豆は、鮮度の良い悪いが、品質の良し悪しを決定する重要な要件になる食材だと思っています。

焙煎してすぐの煎りたて自家焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れると、それなりに美味しいのですが、軽い感じのコーヒーが出来上がります。

それを避けるには、1週間くらい、自家焙煎コーヒー豆を熟成させる必要があると思っています。

その間に、心地良い風味を持つ自家焙煎コーヒー豆に熟成されて行くと思っています。

できるだけ美味しいコーヒーを淹れるには、熟成期間(焙煎日から1週間~10日くらい)が終了している自家焙煎コーヒー豆を使うのがベストの選択だと考えています。

自家焙煎コーヒー豆の熟成期間が終了してからも、自家焙煎コーヒー豆に含まれる風味成分はゆっくりと変化しています。

そして、焙煎日から4週間くらいが経過すると、風味成分の変化が落ち着いて来ると思っています。

その段階になると、コーヒーの風味成分も香り成分も、相当程度が劣化していると思っています。

 

【3】焙煎日を確認してから購入する

地域のコーヒー豆自家焙煎店で売っている自家焙煎コーヒー豆を購入すれば、自家焙煎コーヒー豆を詰めている小売袋に焙煎日が記載されているはずです。

もちろん、和歌山市のエカワ珈琲店も記載しています。

しかし、自家焙煎コーヒー豆を挽いて粉で小売販売する場合は、挽いて袋詰めした日を記載しています。

焙煎してすぐのあまりにも新鮮な自家焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れると、 香りや風味が不完全なコーヒーが出来上がる可能性が高くなります。

理由は、香りや風味が成熟していないからだと考えています。

香りや風味を完成させるには、季節によって変わって来ますが、焙煎日から5日~10日間の熟成期間が必要だと思っています。

そして、熟成期間が終了してから、2週間~3週間くらいが飲み頃となります。

焙煎日から3週間~4週間経過すると、落ち着いた風味のコーヒーが出来上がるようになってきます。

しかし、それは、風味が安定したことを意味しているわけでは無いと思っています。

日にちの経過とともに、確実に風味は劣化して行くと思っていますが、日にちの経過とともに、風味の劣化スピードも遅くなって行くのだと考えています。

和歌山市のエカワ珈琲店は、焙煎した日から風味が安定するまでの期間の自家焙煎コーヒー豆を、お召し上がりの目安期間としています。

その期間は、焙煎した日から約4週間です。

美味しいコーヒーを淹れるには、購入する焙煎コーヒー豆の焙煎日確認は必須要件だと考えています。

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【4】自家焙煎コーヒー豆は気密性の高い容器に保存する

新鮮な自家焙煎コーヒー豆は、新鮮な空気に触れると酸化のスピードが速くなります。

ですから、購入した自家焙煎コーヒー豆は、密閉性の強い気密容器で保存・保管して置く必要があると思っています。

購入した自家焙煎コーヒー豆を、小さくて不透明な気密容器(例えばタッパーウェアーやジップロック袋)に、小分けして保存・保管できれば理想的だと思います。

自家焙煎コーヒー豆を保管・保存する密閉性の強い容器として、ジップロックやタッパーウェアー、焙煎コーヒー豆の保存缶などが知られています。

筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は、自家焙煎コーヒー豆を豆の姿形のままで購入・保管・保存しておいて、コーヒーを淹れる直前に自家焙煎コーヒー豆を挽くというのが、美味しいコーヒーを淹れるための鉄則だと思っています。

 

【5】自家焙煎コーヒー豆の保存場所

新鮮な自家焙煎コーヒー豆の保存場所は、乾燥していて涼しくて光の当たらない場所(冷暗所)が最適だと考えています。

3週間~4週間くらいの保存・保管なら、常温保存で十分だと思います。

ただし、湿気の多い梅雨時や蒸し暑い真夏の場合、自家焙煎コーヒー豆を最適な状態で保存できる期間は短くなると思っています。

乾燥していて涼しくて光の当たらない場所で思い浮かべるのは、家庭の冷蔵庫です。

しかし、家庭の冷蔵庫には色々なニオイ成分を持つ食品が保存・保管されています。

新鮮な自家焙煎コーヒー豆は、ニオイ成分を吸収し易い性質を持っています。

ですから、家庭の冷蔵庫は、自家焙煎コーヒー豆の保存・保管に向いていないと思います。

自家焙煎コーヒー豆を冷凍庫で保存・保管するのも、冷蔵庫で保存・保管するのと同じ理由で向いていないと考えています。

自家焙煎コーヒー豆(挽いた焙煎コーヒー粉も含めて)を長期間保存・保管する必要があって、どうしても冷蔵庫や冷凍庫を利用しなければならない場合もあると思います。

その時は、外気(空気)を完全に遮断した密閉容器(例えばジップロック)に自家焙煎コーヒー豆を入れて保存・保管するのがベターだと思っています。

冷蔵庫や冷凍庫、特に冷蔵庫は、「乾燥していて涼しくて光の当たらない場所」ですから、自家焙煎コーヒー豆の保存・保管場所に最適だと思いますが、『色々なニオイ成分を持つ食品を保存・保管していない冷蔵庫』という条件が付きます。

 

【6】自家焙煎コーヒー豆のシェルフライフ(食品寿命)

焙煎したコーヒー豆のシェルフライフ(食品寿命)には、2つの基準があると思っています。

カビやバクテリアなどの微生物に侵されて嫌なニオイが漂って来る有機腐敗を基準とするシェルフライフ(食品寿命)と、焙煎したコーヒー豆の鮮度の移り変わりという化学反応を基準とするシェルフライフ(食品寿命)の2つの基準です。

前者はコーヒーが有害では無いとするシェルフライフ(食品寿命)で、後者はコーヒーを楽しむためのシェルフライフ(食品寿命)だと思っています。

後者の、コーヒーを楽しむためのシェルフライフ(食品寿命)を採用している自家焙煎コーヒー豆の場合、「賞味期限」は全く無意味です。

自家焙煎コーヒー豆のシェルフライフ(食品寿命)は、「焙煎日」を基準とするのが理に適っていると思っています。

自家焙煎コーヒー豆の鮮度が移り変わるプロセスは、「焙煎日」を基準とする化学反応のプロセスだと思っています。

焙煎日から1週間くらい、自家焙煎コーヒー豆は日にちの経過とともに美味しくなって行って、焙煎日から1週間~3週間くらいの間が飲み頃だと思っています。

そして、焙煎日から4週間も経過すると、その自家焙煎コーヒー豆は、新鮮では無くなっていると思っています。

焙煎直後の自家焙煎コーヒー豆には、焙煎中に発生した二酸化炭素ガスが閉じ込められています。

自家焙煎コーヒー豆は、保存・保管中に、その二酸化炭素ガスを放出して行きま。

そして、焙煎日から4週間くらいで、自家焙煎コーヒー豆に含まれていた二酸化炭素ガスのほとんどが放出されてしまいます。

新鮮な自家焙煎コーヒー豆を使って、ハンドドリップでコーヒーを淹れると、自家焙煎コーヒー粉が勢いよく膨らんできます。

しかし、焙煎日から4週間くらい経過した自家焙煎コーヒー豆を使って、ハンドドリップでコーヒーを淹れても、自家焙煎コーヒー粉はあまり膨らみません。

ハンドドリップでコーヒーを淹れる時の自家焙煎コーヒー粉の膨らみ具合は、自家焙煎コーヒー豆の鮮度の目安だとされています。

その膨らみを演出しているのは、自家焙煎コーヒー豆に含まれている二酸化炭素ガスだと、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は思っています。

 

(※)このエントリー記事で記述している内容は、キンドルでセルフ出版している電子書籍にも収録しています。

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