年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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L値と焙煎度(煎り具合)の関係

昔から、コーヒーの世界では、大雑把に「浅煎り」・「中煎り」・「中深煎り」・「深煎り」という様に、焙煎コーヒー豆の色づき具合で煎り加減を分類する方法が知られています。

そして、その煎り具合の分類方法を『焙煎度』と表現しています。

1997年発行の伊藤博さんの著作「珈琲を科学する(時事通信社発行)」には、「焙煎度は、火力と時間に支配されている焙煎プロセスでのコーヒー豆の色づきで決める」と記されています。

 

焙煎コーヒー豆の焙煎度は、焙煎コーヒー豆の色で決めるのが基本だとされています。しかし、焙煎度合は、個人の感覚的判断に依存しているので個人差があります。

その感覚的判断の個人差を補う手段として、補助的に使われているのがL値(色差計によ明度測定)が使われています。

L値は、焙煎コーヒー豆の粉砕物の明度を色差計で測定します。

 

色差計は、黒のL値を0、白のL値を100として、その間の色差を数値(L値)に置き換える機器で、焙煎が深くなるほどL値が小さくなって、焙煎が浅くなるとL値が大きくなります。

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一般的に、最も浅煎りのライトローストのL値は30くらいで、最も深煎りのイタリアンローストのL値は14くらいだと言われています。

しかし、色差計によって、あるいは、測定の仕方によって数値に違いが出てくるとも言われています。

 

その昔(1990年前後の頃)、筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)がコーヒーの世界に飛び込んだ頃、.珈琲屋さんの間で最も一般的だった焙煎コーヒー豆の焙煎度分類方法は、焙煎度合いを色で8段階に分類する方法でした。

その8段階とは、最も浅煎りのライトロースト、浅煎りのシナモンロースト、中煎りの浅めミディアムロースト、標準的な中煎りのハイロースト、中煎りの深めのシティーロースト、中深煎りのフルシティーロースト、深煎りのフレンチロースト、最も深煎りのイタリアンローストです。

 

ライトロースト、シナモンロースト、フレンチロースト、イタリアンローストは、筆者の好みではありません。

飲用に適さないと考えています。

ミディアムロースト、ハイロースト、シティーロースト、フルシティーローストは、飲用に適すると思っています。

ですが、筆者の好みとなるとシティーローストとフルシティーローストとなります。

L値で表現すると、29~21くらいまでが飲用に適する焙煎度合いで、21~27くらいまでが筆者の好きな焙煎度合いです。

 

ちなみに、現在(2024年3月)の筆者(年老いた珈琲豆焙煎屋)は、自家焙煎コーヒー豆表面の色をあまり考慮せずに、自家焙煎コーヒー豆の煎り具合(焙煎度)を決めています。

焙煎終了時のコーヒー豆焙煎温度と焙煎時間を基準にして、それに焙煎したコーヒー豆の色づき具合を加味して、自家焙煎コーヒー豆の焙煎度を決めています。

コーヒー豆焙煎の基本は、温度(熱量)と時間のコントロールです。

コーヒー豆自家焙煎店の特徴は、その温度(熱量)と時間を丁寧にコントロールしている焙煎だと考えているという事につきると思っています。

 

(※)「L値と焙煎度(煎り具合)の関係」については、下のリンク先ページで有料販売している記事にも、もう少しだけ詳しく説明した記事を収録しています。

ekawacoffee.hateblo.jp

 

(※)珈琲ブログの有料記事「コーヒー豆焙煎プロセスの基礎知識」に収録している記事と、ほぼ同じ内容のテキストを2024年2月発行の電子書籍『コーヒー豆自家焙煎談義』にも収録しています。

www.ekawacoffee.work