焙煎度(煎り具合)は、火力(温度、熱量)と時間に支配されている焙煎プロセスでのコーヒー豆の色づきで決める(珈琲を科学する/伊藤博、時事通信社)とされています。
焙煎コーヒー豆の焙煎度は、焙煎コーヒー豆の色で決めるのが基本だとされています。しかし、焙煎度合は、個人の感覚的判断に依存しているので個人差があります。
その感覚的判断の個人差を補う手段として、補助的に使われているのがL値(色差計によ明度測定)が使われています。
L値は、焙煎コーヒー豆の粉砕物の明度を色差計で測定します。
色差計は、黒のL値を0、白のL値を100として、その間の色差を数値(L値)に置き換える機器で、焙煎が深くなるほどL値が小さくなって、焙煎が浅くなるとL値が大きくなります。
一般的に、最も浅煎りのライトローストのL値は30くらいで、最も深煎りのイタリアンローストのL値は14くらいだと言われていますが、色差計によって、あるいは、測定の仕方によって数値に違いが出てくるとも言われています。
その昔(1990年前後の頃)、年老いた珈琲豆焙煎屋が珈琲の世界に飛び込んだ頃、.珈琲屋さんの間で最も一般的だった焙煎コーヒー豆の焙煎度分類方法は、焙煎度合いを色で8段階に分類する方法でした。
その8段階とは、最も浅煎りのライトロースト、浅煎りのシナモンロースト、中煎りの浅めミディアムロースト、標準的な中煎りのハイロースト、中煎りの深めのシティーロースト、中深煎りのフルシティーロースト、深煎りのフレンチロースト、最も深煎りのイタリアンローストです。
ライトロースト、シナモンロースト、フレンチロースト、イタリアンローストは、年老いた珈琲豆焙煎屋の好みではありません。飲用に適さないと考えています。
ミディアムロースト、ハイロースト、シティーロースト、フルシティーローストなら飲用に適すると思っていますが、好みとなるとシティーローストとフルシティーローストとなります。
L値で表現すると、29~21くらいまでが飲用に適する焙煎度合いで、21~27くらいまでが年老いた珈琲豆焙煎屋が許容できる焙煎度合いとなります。
ちなみに、現在の年老いた珈琲豆焙煎屋は、自家焙煎コーヒー豆の煎り具合(焙煎度)を決めるのに自家焙煎コーヒー豆表面の色をほとんど考慮していません。
焙煎終了時のコーヒー豆焙煎温度と焙煎時間を基準にして、自家焙煎コーヒー豆の煎り具合(焙煎度)を決めています。
コーヒー豆焙煎の基本は、温度(熱量)と時間のコントロールで、コーヒー豆自家焙煎店の特徴は、その温度(熱量)と時間を丁寧にコントロールしている焙煎だと考えているからです。
noteで有料公開している「コーヒー豆焙煎プロセスの基礎知識」に収録している『L値と焙煎度(煎り具合)の関係』は、このページの記事よりも字数が多くて、記事内容も詳しくなっています。
「コーヒー豆焙煎プロセスの基礎知識」は、noteマガジン『年老いた珈琲豆焙煎屋のコーヒー豆焙煎覚書/第1集』にも収載しています。もちろん、このnoteマガジンも有料で公開しています。