コーヒーをポットに入れて勤務先に持参する人たちが、増えているようです。
自家焙煎コーヒー豆の小売専門店を営んでいるので、そういう話を、近頃よく耳にしています。
オフィスコーヒーサービスのコーヒーが美味しくない、あるいは、オフィスでのコーヒー・給茶サービスが廃止されたなど、いろいろと理由があるようです。
もしかしたら、オフィスコーヒーサービスという商売ですが、時代の流れについて行けない商売になって行くのかもしれません。
役所内に自動販売機を設置しようとするのなら、入札でお金を支払って設置場所を確保する時代がやって来つつあります。
自販機業者は、今まで、格安な料金で自動販売機を設置することができたのですが、これからは相応の場所利用料を支払うことになりそうです。
オフィスコーヒーサービスですが、事務所の一角にコーヒーメーカーや備品・消耗品ボックスを設置するわけで、電気も使うのですが、場所利用料も電気料金も、オフィスコーヒーサービスの事業者が負担しているわけではありません。
だけど、自動販売機とオフィスコーヒーサービスは、その事業所内で競合状態にあるわけですから、オフィスコーヒーサービスにも、当然の事、場所利用料や電気料金の支払い問題が発生するはずだと期待を込めて推測しています。
そうなってくると、ビジネス街の喫茶店にもチャンスが出てきます。
テイクアウトコーヒーの販売(コーヒーの液体を売る)、というビジネスチャンスです。
その昔、ビジネス街の喫茶店では、コーヒーの出前が売り上げの半分くらいを占めていました。
オフィスコーヒーサービスという新業態の出現で、コーヒーの出前が無くなってしまいました。
それが、ビジネス街の喫茶店が衰退した一番の理由なのだと思います。
オフィスコーヒーサービスが、喫茶店のコーヒーの出前を凌駕した理由は、コーヒー1杯あたりの値段が安かったからです。
香りや味についていは、喫茶店のコーヒーと遜色がないのに、1杯あたりの値段は、喫茶店のコーヒーの10分の1くらいでした。
オフィスコーヒーサービスの供給するコーヒーが、美味しかったのではありません。
喫茶店で提供しているコーヒーが、美味しくなかったからです。
喫茶店の提供するコーヒーが、オフィスコーヒーサービスの提供するコーヒーと、味・香りともに、同じくらいのレベルだったからです。
ですから、喫茶店でオフィスコーヒーサービスが提供するコーヒーよりも、少しレベルの高いコーヒーを供給することができれば、テイクアウトコーヒーの販売というチャンスを手に入れることができると期待しています。
ということで、オフィスコーヒーに代わって、テイクアウトコーヒーの全盛時代が到来することを、心から願っています。
おそらく、それは近い将来やって来るはずだと、根拠が無いのですが確信しています。
年老いた珈琲豆焙煎屋は、連れ合いと二人だけで小さなコーヒー豆自家焙煎店を営んでいます。
和歌山市のビジネス街に店舗が位置していて、元々は喫茶店だったわけですから、近辺の事務所内の風景が、オフィスコーヒーサービスからテイクアウトコーヒーに変化するだろう近い将来に向けて、コーヒーの液体の売り方を徹底的に研究しておこうと考えている今日この頃です。
追記/2022年10月24日
それから10年、我がエカワ珈琲店ですが、店舗を改装して窓から商品を販売するアウトストアー型の商売をしています。
店舗改装を契機として喫茶店営業許可を取得して、本格的にテイクアウトコーヒー(1杯のコーヒー)の販売を開始していますが、なかなか期待通りに売れてくれません。
でも、都会ではテイクアウトコーヒーが売れているようですから、もう少し我慢すれば・・・、と思っています。