日本のデフレ経済化は、ほぼ終了していると考えています。しかし、失われた経済の傷跡は大きく残っていて、年老いた珈琲豆焙煎屋に限定してのことかもしれませんが、経済が成長の階段を上り始めているようには感じられません。今なお、長期間の停滞から抜け出せていないように感じられます。
【目次】
- デフレ経済が勢いを増し始めた頃
- オフィスコーヒーの選択肢拡大
- 街で飲むコーヒーの価格変遷
- 焙煎コーヒー豆価格の変遷 | 30年前
- 焙煎コーヒー豆価格の変遷 | コーヒー豆焙煎能力の過剰
- 焙煎コーヒー豆価格の変遷 | 焙煎コーヒー豆消費価格の上昇
- 小売価格は上昇しても客数は
- コーヒーの世界ではデフレ経済が終了している
デフレ経済が勢いを増し始めた頃
2000年前後、デフレ経済が勢いを増し始めていた頃、オフィスで飲むコーヒー1杯の金額は30円~50円くらいでした。
当時、オフィスで飲むコーヒーは、オフィスコーヒーサービスというビジネスに全面依存していました。
それ以前のオフィスで飲むコーヒーは、インスタントコーヒーが一般的でした。
焙煎したコーヒー豆を使って淹れるコーヒーについては、1杯300円くらい支払って喫茶店の出前を利用していました。
オフィスコーヒーの選択肢拡大
それから十数年が経過して、2017年頃のオフィス(職場)で飲むコーヒーですが、オフィスコーヒーサービスで提供されるコーヒー以外にも、挽きたて淹れたてのコンビニコーヒーや挽きたて淹れたてコーヒーを販売する自動販売機コーヒー、街の喫茶店やカフェで購入する1杯250円~400円くらいのテイクアウトコーヒーと、選択肢が拡大しています。
街で飲むコーヒーの価格変遷
バブル経済真っ只中の頃、街の喫茶店で飲むコーヒーは1杯300円~400円くらいだったと記憶しています。
その後、喫茶店のレストラン化、ファストフードレストランやカジュアルレストランの喫茶店化が進行して、コーヒー1杯150円のドトールコーヒーも急成長するという環境下で、街で飲むコーヒーの値段は、食事と一緒なら無料という段階にまで下降して行ったのだと思います。
2010年代に入ると、アメリカで発生したサードウェーブコーヒーの影響もあったのかもしれませんが、街で飲むコーヒーについては、スターバックスコーヒーなどの喫茶店チェーンや個人経営の喫茶店・カフェで飲むコーヒーが主流になって来ていて、コーヒー1杯の値段ですが、300円~500円くらいが当たり前になって来ているように感じられます。
焙煎コーヒー豆価格の変遷 | 30年前
年老いた珈琲豆焙煎屋が脱サラして、自家焙煎コーヒー豆小売専門店ビジネスに従事した約30年前、スーパーマーケットで売られている焙煎コーヒー豆であっても、相当に高い価格設定がされていました。
焙煎コーヒー豆小売価格が高かったので、焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れる家庭がまだまだ少ない時代でしたが、家庭向けに自家焙煎コーヒー豆を業務卸価格で小売販売する商売が通用したのだと、現在(2020年2月)の年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
焙煎コーヒー豆価格の変遷 | コーヒー豆焙煎能力の過剰
その後、コーヒー豆焙煎工場の大型化・オートメーション化で、コーヒー焙煎能力が飛躍的に増大して、焙煎コーヒー豆生産量が需要量を大幅に上回ってしまった結果、焙煎コーヒー豆小売価格の急速な下落が進行して行って、年老いた珈琲豆焙煎屋が営んでいた自家焙煎コーヒー豆を業務卸価格で小売販売する商売が通用しなくなってしまいました。
焙煎コーヒー豆価格の変遷 | 焙煎コーヒー豆消費価格の上昇
それが、2010年代に入ってからは、スーパーマーケットや量販店で売られている大量生産された焙煎コーヒー豆価格は上昇していませんが、自家焙煎コーヒー豆小売専門店やコーヒー豆を自家焙煎するカフェ・喫茶店、スターバックスコーヒーなどのコーヒーショップで価格の高い焙煎コーヒー豆を購入する消費者が増加を続けています。
ちなみに、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が細々と営んでいるエカワ珈琲店で小売販売している自家焙煎コーヒー豆の100g当たりの平均価格ですが、2000年頃は200数十円くらいで、2000年代の中頃は300円くらい、現在(2020年)は300数十円くらいとなっています。
小売価格は上昇しても客数は
でも、2002年頃から続いていた客数減少は、2000年代の中頃には終止符を打っていて客数増加に転じていました。
2016年の1月、予期せぬ出来事に遭遇して4年近くの開店休業状態に陥ってしまって、その結果、またまた客数が大幅に減少してしまいました。しかし、予期せぬ出来事が発生していなければ、順調に客数と売上を増加させることができたような気がしています。
コーヒーの世界ではデフレ経済が終了している
2000年代の後半頃からコーヒー豆自家焙煎ビジネスを開始した若い人たちですが、高級なスペシャリティーコーヒーを取り扱っていて、売れ行きも順調に推移しているようです。
焙煎コーヒー豆ですが、高い価格でも売れる時代になっているように感じられます。焙煎コーヒー豆が高い価格でも売れるようになって来ているわけですが、原料のコーヒー生豆価格ですが、スペシャリティーコーヒーの場合、5割~10割くらい仕入れ価格も上昇しています。
ということで、年老いた珈琲豆焙煎屋は、コーヒーの世界では、デフレ経済はすでに終了していると感じています。