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焙煎のどのタイミングで、どんな水が動くの?

焙煎のどのタイミングで、どんな水が動くの?

コーヒー生豆の中には、見えないけれど大切な水分が入っています。

この水分は、焙煎の熱によって少しずつ動き出し、豆の中でいろいろな変化を起こします。

ここでは、焙煎の流れにそって 「どのタイミングで、どんな水が動くのか」 を見ていきます。

 

蒸らしゾーン

〜120℃くらい:まず自由水が、次いで成分とゆるくくっついた水が動き出す

焙煎の最初のステージです。

豆はまだ青っぽい色で、草のような香りがします。

 

この時に動くのは…

自由水

→成分とくっついていない、自由に動きまわれる水

→豆の中で水蒸気になり、ゆっくり外へ出ていく

成分とゆるくくっついている結合水  

→ 比較的低い温度で動きやすい

→ 豆の中で水蒸気になり、ゆっくり外へ出ていく

 

この段階では、豆の中の水分を均一にすることが大事です。

水がムラなく動くことで、後の焙煎が安定します。

 

イメージ:

「豆の中の水が、のびをしながら動き始める時間」

 


イエローステージ「乾燥ゾーン」

120〜160℃:水蒸気がどんどん外へ出ていく

豆が黄色っぽくなり、香りもパンのように変わってきます。

 

この時に起きていることは…

ゆるい結合水がさらに蒸発

豆の内部の圧力が少しずつ上がる

水分が外へ逃げるために、豆の内部で「通り道」ができ始める

ここは 水が外へ出るピークの前半 です。

 

イメージ:

「豆の中で水があわてて出口を探している」

 


1ハゼ前〜1ハゼ

170〜190℃:成分としっかりくっついた水が動き出す

豆が茶色くなり、ついに「パチッ!」という音が鳴る瞬間です。

これが 1ハゼ(ファーストクラック)。

 

この時に動く水は…

しっかりくっついていた結合水  

→ 高い温度になってようやく水蒸気になる

→ 水蒸気の圧力が豆を内側から押し広げる

→ その圧力が限界に達して「パチッ!」と割れる

つまり、1ハゼは 水蒸気の力で豆がふくらむ瞬間 です。

 

イメージ:

「豆の中の水が、最後の力でドーンと押し広げる」

 


1ハゼ後〜2ハゼ前

190℃~198℃:残った水がゆっくり抜けていく

1ハゼが終わると、豆はふっくらと膨らみ、内部の構造が変わっています。

 

この時に起きていることは…

まだ残っている結合水が少しずつ抜ける

豆の内部が乾き、化学反応(メイラード反応・カラメル化)が進む

水分が減ることで、味の方向性が決まっていく

 

イメージ:

「豆の中の水が、静かに仕事を終えていく」

 


深煎りの領域

210℃以上:水はほとんど残っていない

深煎りになると、豆の中の水分はほぼなくなります。

この段階で起きるのは、水の動きというより 炭化や油分の変化 です。

 

イメージ:

「水の役目は終わり、豆の成分そのものが変わっていく時間」

 


まとめ

焙煎中の水の動きは、こんな流れになります。

〜120℃:自由水、次いで成分とゆるく引っ付い捨ている結合水が動き出す

120〜160℃:水蒸気(水)がどんどん外へ出る

170〜200℃:成分としっかり引っ付いている結合水が水蒸気になり、1ハゼを起こす

1ハゼ後:残った水がゆっくり抜ける

深煎り:水はほぼゼロ、成分の変化が中心

水の動きは、焙煎のリズムそのものです。

どのタイミングでどんな水が動くかを知ると、焙煎の見え方がガラッと変わります。