年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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スペシャルティーコーヒーマーケティング、スペシャリティーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆を売る方法

1990年代、その頃のコーヒー消費市場には、スペシャリティーコーヒーの市場は存在せず、レギュラーコーヒーの市場だけが存在していました。

2022年の今は、コーヒー消費市場に、レギュラーコーヒー市場とスペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)市場の2つの市場が存在しています。

どちらのコーヒー消費市場も成長を続けていますが、そのスピードは、スペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)市場の方が大幅に上回っています。

レギュラーコーヒーの市場規模が大きくて、スペシャリティーコーヒーの市場規模が小さいわけですから、当たり前の事かもしれませんが。

 

【参考】2つのコーヒー消費市場については、下のリンク先ページの記事を参考にして頂けると思います。

www.ekawacoffee.work

 

 

【目次】

 

1990年代のコーヒー豆自家焙煎店

1990年代、コーヒー豆自家焙煎店は、レギュラーコーヒー市場の片隅(隙間)で商売を営んでいて、それが相当に大きな隙間(オフィスコーヒーや家庭向けコーヒー)だったので、ある程度の余裕を持つ暮らしが送れるだけの稼ぎがありました。

しかし、2000年代になると、その隙間は埋められて行き、2000年代後半には、レギュラーコーヒー市場にコーヒー豆自家焙煎店の棲息できる場所は無くなっていました。

オフィスコーヒーサービスや家庭向け焙煎コーヒー豆の消費は増え続けていたわけですから、そうなるのは、当然の結果だったと今(2022年)では思っています。

 

スペシャリティーコーヒーの登場

2000年代中頃からだったと思います、少量生産・少量消費・煎りたて新鮮なスペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)市場が登場して来て、大都市・観光都市を中心にして順調に成長を続けています。

コーヒー豆自家焙煎店は、スペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)市場でしか生息できる場所がありません。

そして、今のところ、その市場にレギュラーコーヒー市場のプレーヤーが入り込んで来るのは至難の技だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

生産性を考える大量生産・大量消費のレギュラーコーヒー市場と、生産性を考慮していない少量生産・少量消費のスペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)市場とでは、基本的なマーケティングがあまりにも違いすぎるわけですから、当然の事だと思います。

 

スペシャリティーコーヒーの販売価格

生産者・農場・生産者組合を特定できるコーヒー生豆など、丁寧に生産されて丁寧に取り扱われているコーヒー生豆をスペシャリティーコーヒーと呼んでいます。

スペシャリティーコーヒー生豆は、丁寧に生産している高品質のコーヒー生豆ですから、当然の事、一般的なコーヒー生豆と比べて調達価格が相当に高くなります。

従って、スペシャリティーコーヒー生豆を原料に使っている自家焙煎コーヒー豆の価格も、ある程度の高い値付けをしなければ商売が成り立ちません。

しかし、田舎の名前の知られていない小さなコーヒー豆自家焙煎店が、有名なコーヒー豆自家焙煎店と同じような高価格で自家焙煎コーヒー豆を販売しても、売れるはずが無いと思います。

例えば、有名珈琲店の猿田彦珈琲店が100g・1000円で販売して飛ぶように売れていても、和歌山市のエカワ珈琲店で、同じように100g・1000円で販売していても売れるはずが無いと思います。

スペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)市場は、『お布施の原理』が幅を利かせているコーヒー消費市場だと思います。

 

【参考】お布施の原理については、下のリンク先ページの記事が参考になるかもしれません。

www.ekawacoffee.work

 

スペシャリティーコーヒーの意味は知られていない

「スペシャリティーコーヒー」という言葉は知っていても、その意味を理解しているコーヒー消費者はそれほど多く無いと思います。

それが、人口密度が高い都会や観光都市でスペシャリティーコーヒーが良く売れて、人口密度の低い田舎でスペシャリティーコーヒーが売れ無い理由だと思っています。

「スペシャリティーコーヒー」はレギュラーコーヒーよりも価格の高いコーヒー商品ですから、何故、レギュラーコーヒーよりも価格が高いのかをコーヒー消費者に理解してもらう必要があると思っています。

地方都市では、スーパーマーケットや百貨店や全国チェーンの焙煎コーヒー豆小売店で売っている焙煎コーヒー豆(レギュラーコーヒー)も、コーヒー豆自家焙煎店で売っている煎りたて新鮮なスペシャリティーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆も、それほど区別されているわけではありません。

地方都市のコーヒー消費市場の大半は、価格競争に支配されている市場です。

そのコーヒー消費市場で、スペシャリティーコーヒーの自家焙煎コーヒー豆(クラフトコーヒー)を売って行くには、その例外性・特別性を強調するしか方法が無いと考えています。

 

スペシャリティーコーヒーを知ってもらうマーケティング

年老いた珈琲豆焙煎屋は、スペシャリティーコーヒーマーケティングでコーヒー豆自家焙煎店に一番必要なのは、スペシャリティーコーヒーの意味をコーヒー消費者に理解してもらう努力だと考えています。

そのためには、自家焙煎コーヒー豆の販売一本やりでは無くて、一杯のコーヒーの販売も必要不可欠だと考えています。

一杯のコーヒーを販売することで、コーヒー消費者にスペシャリティーコーヒーの意味を伝えやすくなります。

価格訴求性の強いレギュラーコーヒーの販促手段はバーゲンセールですが、スペシャリティーコーヒー(クラフトコーヒー)の場合、それはご法度だと思っています。

欧米のナノロースターやマイクロロースターのマーケティングを調べていると、彼ら彼女らは、クラフトコーヒーの意味を伝えることでコーヒー消費者の好奇心を満足させるという販促手段を採用して成功しているように感じられます。

何はともあれ、コーヒー豆自家焙煎店商売の基本的なマーケティングは、販売している自家焙煎コーヒー豆の品質と意味をコーヒー消費者に理解してもらう事だと考えます。

 

【参考】自家焙煎コーヒー豆のマーケティングについては、下のリンク先ページの記事も参考になるかもしれません。

www.ekawacoffee.work

 

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