ネスレ日本が、2021年3月23日から、焙煎コーヒー豆業務市場に本格進出したというニュースが流れています。
珈琲会社の営業社員が、喫茶店・レストラン・ホテルなどにルートセールスで直接焙煎コーヒー豆を供給するのが、焙煎コーヒー豆業務卸の典型的なビジネスモデルです。
ネスレ日本は、小売流通ルートを通じて家庭向けにコーヒー製品を供給している珈琲会社ですから、それとは違ったビジネスモデルで焙煎コーヒー豆業務市場に参入してくるようです。
業務用に焙煎コーヒー豆を供給するのでは無くて、専用の焙煎機を手ごろな価格(4万4000円)でリースして、その焙煎機専用のコーヒー豆(半製品)を販売するというコーヒー豆自家焙煎ビジネスモデルでの業務市場参入です。
ネスレ日本は、このビジネスモデルに「ROASTELIER by NESCAFE」(ローステリア バイ ネスカフェ)という名前を付けています。
また、この焙煎システムで焙煎したコーヒー豆を使って淹れたコーヒーを「フレッシュリーローステッドコーヒー」と名付けています。
昔ながらのコーヒー豆自家焙煎店の経営者たちが「蒸らし」と呼んでいる焙煎プロセスをネスレの工場(海外)で行って、その「蒸らし」を終了した半製品のコーヒー豆を喫茶店・レストラン・ホテルに供給、リースしている専用の焙煎機で自家焙煎するというシステムになっています。
「蒸らし」を終了していて、後は本格的な焙煎反応に対応するだけですから、10分もあれば焙煎が終了できます。
で、その焙煎反応も、幾つかのプロファイルが用意されていて、その中から好みのプロファイルを選択する仕様となっているようです。
ちなみに、ネスレ日本がリースするコーヒー豆焙煎機ですが、1回のコーヒー豆焙煎量は250gが最大で、「蒸らし」プロセスが終了しているので10分ほどで焙煎を終了できて、煙突排煙設備は不要でタッチパネルを使って簡単に自動的にコーヒー豆を焙煎するシステムだと説明されています。
スペシャリティーコーヒーが売り物のサードウェーブコーヒーですが、鮮度の良い焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れるという特徴を持っています。
「ROASTELIER by NESCAFE」のビジネスモデルは、その特徴にも対応できるように設計されているのかもしれません。
このビジネスモデルは、ギリシャと北欧で実施されていて、日本が3番目ということですから、成功するかどうかは、日本での展開次第ということになるのかもしれません。