1960年代~1980年代、日本の珈琲業界は急成長しました。その原動力は、喫茶店産業の急成長に伴う焙煎コーヒー豆消費量の増加でした。
2020年は新型コロナウイルスナ感染症禍の影響を受けて惨憺たる有様になっていますが、それまで(2019年)の2010年代は、世界的な喫茶店ブーム・コーヒーブームの影響で、喫茶店産業(街で飲むコーヒー)には勢いがありました。特に、喫茶店チェーンやコンビニコーヒーの勢いには、すごさが感じられました。
2020年1月頃までは、喫茶店チェーン、コンビニコーヒー、ファーストフードレストランでのコーヒー消費を観察していると、昭和喫茶店ブーム(昭和40年代~50年代)の頃を思い出したものです。
昭和喫茶店ブームの頃の日本は、毎年・毎年、働いて稼いで消費する人が増加していて、毎年・毎年、働いて稼いで消費する人たちの収入も増え続けていました。そして、その頃の珈琲業界急成長の原動力は、喫茶店業界での焙煎コーヒー豆消費量増加だったわけです。
2010年代の日本は、 人口減少の影響で、働いて稼いで消費する人たちが減少を続けていて、高齢化の影響で、消費する人たちの平均的な収入も減り続けていました。
しかし、喫茶店チェーンやコンビニコーヒーなど街で飲むコーヒーには勢いがあったわけです。
2010年代後半の喫茶店コーヒー市場(コンビニコーヒーなどを含む街で飲むコーヒー市場) ですが、昭和喫茶店ブームの頃を金額ベースで上回っていた可能性が高いと考えています。
2020年正月の頃、年老いた珈琲豆焙煎屋は、コンビニコーヒー、ファーストフードレストランを含めた喫茶店市場(街で飲むコーヒー市場)でのコーヒー消費ですが、そろそろ飽和状態に近づいているのかもしれないと考えていました。
理由は、街で飲むコーヒー消費が、生業規模の個人経営の喫茶店から有名チェーン店などのマスコミに度々登場する喫茶店ブランドに移動して行くスピードが速くなっているように感じられたからです。
同時に、喫茶店市場(街で飲むコーヒー市場)のこれからの原動力は、スペシャリティーヒーコーヒに代表されるコーヒーのプミアム化(高級化)だと想像していました。
特に、喫茶店チェーン店ブランドは、その方向に進んで行くと想像していました。
そして、それが街で飲むコーヒーのプレミアム化を引っ張って行くことになると、年老いた珈琲豆焙煎屋は考えていました。
コーヒー消費の数量ベースは横ばいでも、1杯のコーヒーに対する支出額は増加して行くのが世界的な傾向ですから、日本もその方向に向かって行くと考えたわけです。
2020年、突然襲って来た新型コロナウイルス感染症禍が、街で飲むコーヒーの高級化(プレミアム化)の流れを止めています。
しかし、新型コロナウイルス感染症禍が収まってくれば、喫茶店ブランドによる街で飲むコーヒーの高級化(プレミアム化)は、再び息を吹き返して来るはずだと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。