自営業を営むのなら、零細生業のままでも長期間(できれば生涯)に渡って、その商売で食べて行けることが鉄則で、その部分をクリアーしていれば、それにプラスして、成長が期待できる商売なら最高の商売だと思います。
そうでなければ、その商売にエントリーする人が無くなってしまうわけですから、絶滅危惧種の商売になってしまいます。
年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦は、小規模な自家焙煎コーヒー豆小売専門店を夫婦2人だけで営んでいますが、パパママ経営の零細生業商売のままで、30年近く商売を続けていて、何んとか食べて行けています。
年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦の店は零細生業商売ですが、生業から事業に衣替えして成長を続けているコーヒー豆自家焙煎店も数多く存在しています。
それに加えて、コーヒー豆自家焙煎店にエントリーする人が、最近、特に多くなって来ています。ですから、コーヒー豆自家焙煎店は、絶滅危惧種の商売ではありません。
アメリカでのレストラン市場占有率ですが、1970年代、その85%は、独立系レストランの店舗で占められていたそうです。それが、2010年代になると、その比率が半分以下になっていて、チェーン系レストラン優位の状況になっていると聞きます。
全国チェーンの飲食店と同じ品質、同じ価格、そして、同じ消費者をターゲットとする独立系レストランについては、滅亡の危機に瀕しているのがアメリカのレストラン業界のようです。
これは、海の向こうの北米大陸に限定したことではなくて、日本でも同じような事が生じています。
全国チェーンの飲食店(レストラン)は、豊富な資金を持っていて、マーケティング戦略が完成していて、オペレーションシステムの開発力にも優れていて、消費者の需要をいち早く察知する能力にも優れています。
それでは、アメリカの独立系レストラン(小規模なレストラン)が絶滅危惧種の商売かというと、「決してそうではない」とする意見が数多く存在しています。
それらの意見を簡単にまとめてみると、優良な独立系レストランの良質な料理とフレンドリーなサービスは、全国チェーンの飲食店に対して価格以上の競争力を持っていて、「おもてなしの経営」という理念が、全国系飲食チェーンの猛攻撃に対抗する独立系レストランの最大の武器になっているとも伝わって来ています。
日本でも、「とんかつ屋の悲劇」に登場するような独立系飲食店が頑張っているわけですから、特徴のある零細生業飲食店は、決して絶滅危惧種の商売では無いと思います。
アメリカの喫茶店市場については、完全に喫茶店チェーン店舗の優位が確立されていて、喫茶店チェーンの店舗に対抗できる独立店舗は、コーヒー豆自家焙煎の喫茶店だけという状況になっているようです。
日本の喫茶店市場も、その方向に向かいつつあるように感じられます。(アフターコロナで少し変化が発生する可能性もありますが)
しかし、コーヒー豆を自家焙煎する喫茶店については、絶滅危惧種の商売になることは無いと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。