年老いた珈琲豆焙煎屋ですが、家族経営の喫茶店として知られている京都・六曜社とはちょっと業態が異なっていますが、昭和30年から60数年に渡って珈琲商売を続けている家族経営(パパママ店)の珈琲屋です。
屋号は「エカワ珈琲店」、昭和の頃は喫茶店で、平成になってからは自家焙煎コーヒー豆小売専門店に衣替えしました。
昭和から続く古いタイプの珈琲屋ですから、コーヒーを淹れる方法は、サイフォンか布フィルターや紙フィルターを使うハンドドリップのどちらかですが、年老いた珈琲豆焙煎屋夫婦が営んでいる自家焙煎コーヒー豆小売専門「エカワ珈琲店」は、紙フイルターを使ってハンドドリップでコーヒーを淹れています。
ということで、紙フィルター(ペーパーフィルター)を使ってハンドドリップでコーヒーを淹れるということを前提として、年老いた珈琲豆焙煎屋流『ドリップコーヒーの淹れ方、7つの極意』をレクチャーさせて頂きます。
ハンドドリップが前提となっていますが、紙フィルターを使うタイプのコーヒーメーカーで淹れる場合にも参考にして頂けると思っています。
【目次】
- 【1つ目の極意】使用する水
- 【2つめの極意】抽出と使用する湯
- 【3つ目の極意】湯の温度と抽出時間
- 【4つ目の極意】コーヒーの淹れ方
- 【5つ目の極意】淹れ方心得
- 【6つ目の極意】ドリップの極意
- 【7つ目の極意】コーヒーブルーム
【1つ目の極意】使用する水
軟水でニオイの少ない水を使います。日本の水は、水道水を含めて、ほとんどの飲み水が軟水です。
水道水は、塩素(クロール)で殺菌しているので、塩素臭がする場合もあります。そのような時、水道水を一度沸騰させて、その後しばらく放置して冷ました湯を使用すれば、塩素臭が気にならなくなります。
【2つめの極意】抽出と使用する湯
焙煎したコーヒー豆を粉砕(粉に)して、コーヒーの粉に含まれている成分を、水(湯)に溶かす、分散させる作業がコーヒーの抽出です。
コーヒーの成分は、水(湯)の温度が高いほど溶けやすいので、少しだけ沸騰したくらいの湯を少し冷まして使います。
水は100度になれば沸騰しますが、少しだけ沸騰したばかりの湯を少し冷まして使用すれば、湯がコーヒーの粉と接触する段階で、90度から95度くらいになっているはずです。
【3つ目の極意】湯の温度と抽出時間
コーヒーの成分には、低い温度の湯でも溶け出す成分から、高い温度の湯でなければ溶け出さない成分まで、いろいろな成分があります。
また、同じ温度の湯を使用しても、溶け出すのに時間のかかる成分と、かからない成分があります。
だから、抽出時間(淹れる時間)・抽出温度(お湯の温度)の違いによって、味や香りが違ってきます。
一般的には、少し粗めに挽いたコーヒーの粉を多めに使用して、できるだけ短時間で抽出したほうが、余分な成分が溶け出さないので美味しいコーヒーになるようです。
【4つ目の極意】コーヒーの淹れ方
コーヒーの淹れ方には、ドリップ式・サイフォン式・パーコレーター式・エスプレッソ式など、いろいろな淹れ方があります。
そのうち、ペーパーフィルターや布フィルターを使用して、ドリップ式で淹れるコーヒーが一番美味しいと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。
香味の調整が簡単で、使用する道具類がシンプルですから、取り扱いも簡単で、安上がりです。
【5つ目の極意】淹れ方心得
(1)新鮮で良質な焙煎コーヒー豆を使用する。
(2)キレイに洗浄している抽出器具を使用する。
(3)抽出直前に必要な量だけコーヒー豆を粉砕する。
(4)水質に問題の無い軟水で新鮮な水を使用する。
(5)定められた湯の温度・湯の量・抽出時間を守る。
【6つ目の極意】ドリップの極意
90度以上、できれば95度前後の熱湯を、ゆっくりとコーヒーの粉の上に置くように注ぎます。
コーヒーの表面がきめ細かな泡でおおわれてしまうように、全体に満遍なく熱湯を注ぎます。
速く湯を注ぐと(抽出時間が短いと)、コーヒーは薄くなります。反対に、時間をかけてゆっくりと湯を注ぐと(抽出時間が長いと)、コーヒーが濃くなります。
1人分といった少ない量を抽出するよりも、数人分を一度に抽出する方が、コーヒーが美味しくなります。
【7つ目の極意】コーヒーブルーム
煎りたての新鮮な焙煎コーヒー豆を使ってコーヒーを淹れれば、そして、コーヒーを淹れる時の蒸らし(ブルーミング)でコーヒー粉が膨らんだ(コーヒーブルーム/Coffee Bloom)なら、美味しいコーヒーが出来上がるはずです。
美味しいコーヒーを淹れる科学には、コーヒーブルーム(蒸らすときのコーヒー粉の膨らみ)に対する理解が絶対必要条件なのだと思います。