年老いた珈琲豆焙煎屋のブログ

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街で人気のとんかつ屋 | 最強、最先端の生業ビジネスモデル

「とんかつ屋の悲劇」について調べていて、「とんかつ屋の悲劇」に登場する街で人気の「とんかつ屋」は、零細生業パパママ経営の自家焙煎コーヒー豆小売店にも適用できる、最強で最先端の生業ビジネスモデルだと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えるようになりました。

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街で人気の洋食屋

 

お客さんにに提供する値段でも、品質でも、調理技術でも、繁盛しているパパママ経営のとんかつ屋さんの接客でも、お客さんと店のスタッフ(マスターとママさん、それにパートさん)が醸し出す店の雰囲気でも、外食店の繁盛要因のほぼ全てで、巷の外食チェーン店は街で人気のとんかつ屋さんに太刀打ちできないわけですから。

外食チェーン店が街で人気のとんかつ屋さんに太刀打ちできるのは、店舗の設備・装備・立地と事業の継続性だけだと思います。

 

繁盛店の仕事の仕方・調理の仕方・接客の仕方をマニュアル化して、そのコピーを作って行くのが外食チェーン店の店舗展開だと思いますから、外食チェーン店が太刀打ちできないということは、街で人気のとんかつ屋の仕事の仕方・調理の仕方・接客の仕方はマニュアル化できないという事を意味しているわけです。それが、生業商売の生業商売たる所以(ゆえん)だと思います。

 

平成の30年間で、相当数の零細生業パパママ規模の飲食店舗が消えて行きました。外食チェーン店の攻勢によって、個人経営の飲食店から外食チェーン店に消費者が移動して行ったわけです。

外食チェーン店が繰り出す、何でも有りの仁義なき攻勢に耐えて生き残っているのが、街で人気のとんかつ屋さんです。そして、生き残って行く過程で築きあげて来たのが、街で人気のとんかつ屋という最強・最先端の生業ビジネスモデルだと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

 

生業は属人ビジネスで事業はチームビジネスだと、路地裏の経済学は語っています。

街で人気のとんかつ屋さんが、跡継ぎが居なくて廃業して行く現象を「とんかつ屋の悲劇」と表現することもあるようですが、この表現は、チームビジネスを営んでいる外食チェーン店側からの発想だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。 

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街で人気のとんかつ屋さんは、店舗は自己所有で設備・装備の償却は終わっていて、受給している国民年金が補助金の役割を演じているので、外食チェーン店が真似出来ない低価格・高品質商品を提供できるわけではなくて、その値段で高品質の商品を提供してもそれなり儲けが出ているので、その値段・その品質で商品を提供しているわけです。

 

例え、若い世代の人が引き継いだとしても、これまでのように繁盛すれば、十分に生活をエンジョイできるくらいは稼げるはずです。

だけど、後継者が居なくて廃業する理由は、街で人気のとんかつ屋さんのビジネスモデルは、高齢の店主夫婦の技量や人柄に依存する属人性の高い生業ビジネスモデルだからだと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。

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お得意先に、ものすごく繁盛しているパパママ経営の「とんかつ屋さん」がありました。

高齢になって、お昼と夜に営業するのがつらくなったので、仕事の時間と量を減らそうと考えて、お昼だけ営業して、定休日も1週間に2日として、とんかつの値段も値上げしたのですが、仕事の量も時間も、ほとんど減ることは無くて、お昼の営業時間帯はてんてこ舞いという有様でした。

 

街で人気のとんかつ屋さんは、店舗が営業している時間帯だけが仕事時間ではありません。経験・技術・知識が染み込んでいるソースなどの仕込み時間が必要で、その仕事時間は客数によって変わってきます。

結局、その街で人気の高齢者夫婦が営んでいた「とんかつ屋さん」は、体力的に持たないということになって、店じまいしました。もちろん、街で人気の行列のできるとんかつ屋さんですから、誰も引き継ぐことができません。

 

街で人気のとんかつ屋さんのような、属人性のものすごく高い生業商売を、誰かが引き継ぐのは無理だと思います。店を引き継いでも、中身を引き継ぐことはできません。

もし引き継ぐとしたら、後継者は、ある程度の年月を費やして、後継者流の生業商売を作り上げて行くことになるはずです。

生業商売(ビジネス)とは、そういう商売(ビジネス)だと年老いた珈琲豆焙煎屋は考えています。