焙煎コーヒー豆の挽き方(挽き具合)は、コーヒーの淹れ方に影響を与える最初のステップだと考えています。
焙煎コーヒー豆の煎り加減やコーヒーを淹れるのに使う器具によって、挽き方(挽き具合)が変わってきます。
(1)焙煎コーヒー豆を挽く(or粉砕する)
コーヒー成分を抽出しやすくするために、焙煎コーヒー豆をミルという器具を使って粉砕することをグラインド(焙煎コーヒー豆を挽くor粉砕する)と表現しています。
コーヒー豆を粉砕して粉(or粒)に変えることで、湯と接触する面積が拡大して、コーヒーの成分を抽出しやすくなります。
焙煎コーヒー豆の挽き具合(粉の大きさ)は、コーヒーを淹れるのに使う器具(淹れ方)によって違ってきます。
ドリップ、サイフォン、エスプレッソ、フレンチプレス、パーコレーターと、コーヒーを淹れるのに使う器具(抽出用器具)が違えば焙煎コーヒー豆の挽き具合も違ってきます。
淹れたときのコーヒーの香りや風味を楽しむには、それぞれの抽出用器具に最適な焙煎コーヒー豆の挽き具合を考慮する必要があります。
(2)コーヒーミル
焙煎したコーヒー豆を挽く(粉砕する)道具です。手動式と電動式があります。手動式も電動式も、3000円(or1000円)くらいから色々な機種が販売されています。
電動式で、プロペラ型のミルもあります。値段は安いのですが、この方式の場合、相当に熟練しないと、焙煎コーヒー豆粉砕物の大きさに相当なデコボコができるので、上手くコーヒー成分を抽出することができないかもしれません。
(3)焙煎コーヒー豆粉砕物(粉or粒)の大きさ
焙煎コーヒー豆を粉砕して粉(or粒)にしても、すべての粉(or粒)が同じ大きさになるわけではありません。
同じ挽き具合であっても、大きい小さいという挽きムラが、必ず存在します。できるだけ挽きムラを作くらないようにして、焙煎コーヒー豆粉砕物の大きさが一定しているほうが香味のバランスが良くなるので、美味しいと感じられるコーヒーを淹れることができると考えています。
挽きムラ(デコボコ)が多いと、抽出されるコーヒー成分に濃度の差が出るので、コーヒーの風味を十分に楽しむことができなくなることもあります。
(4)コーヒー粉(or粒)の挽き具合(粉砕具合)
焙煎コーヒー豆の挽き具合として、Coarse(コース/粗挽き)、Medium(ミディアム/中挽き)、Fine(ファイン/細挽き)、Extra fine(エキストラファイン/極細挽き)、Turkish(ターキッシュ/パウダー状態)の5段階が知られています。
しかし、とある地方都市の自家焙煎コーヒー豆小売専門店にとって重要なのは、「粗挽き」、「中挽き」、「細挽き」の三段階です。
その判断の基準は非常にあいまいで、自分の目で認識して、経験を積み重ねることで、焙煎コーヒー豆の挽き具合の判断基準をつかむしか方法が無いと考えています。
粗挽き、中挽き、細挽きを説明する確固とした判断基準は存在していません。
しかし、一応の目安として、グラニュー糖よりも少し小粒の粉(or粒)がたくさんあれば細挽き、大き目の粉(or粒)がたくさんあれば中挽き、味の素の本だしくらいの大きさの粉(or粒)がたくさんあれば粗(あら)挽きと説明することも可能だと考えています。
(5)抽出器具によって挽き方が変わる
コーヒーを淹れる器具によって、焙煎コーヒー豆の挽き方(挽き具合)が変わって来るのだと思います。
エスプレッソなら極細挽き、サイフォンコーヒーなら中挽き、ドリップ式なら中挽きか粗挽き、フレンチプレスやパーコレーターなら粗挽きが適していると言われています。
いま流行りのコールドブリューコーヒー用に使う焙煎コーヒー豆粉砕物は粗挽きが適していると言われています。
基本的に、お湯と焙煎コーヒー豆粉砕物(粉or粒)との接触時間が短ければ細挽き、接触時間が長ければ粗挽き、短くも長くも無ければ中挽きが適しているようです。
(6)挽き具合と味覚の関係
あまりにも細挽きだと、抽出過剰になってしまいます。
コーヒー本来の成分にプラスして雑味成分も抽出してしまうので、重たい感じのコーヒーができあがります。
反対に、あまりにも粗挽きだと抽出不足になってしまいます。香味やコクの不十分な、水ぽいコーヒーができてしまいます。
淹れたコーヒーを薄いと感じるならば、もう少し焙煎コーヒー豆を細く挽きべきです。苦いと感じるならば、もう少し粗く挽くことで苦味を調整します。
(7)挽きたてが一番
焙煎したコーヒー豆は、日数の経過とともに香りを失っていきます。この現象は、豆のままで保管するよりも、粉にして保管した方が、急速に進行します。
焙煎コーヒー豆のまま購入して、淹れる直前に粉砕するのがベストだと思います。
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